2018年7月26日(木)午後4時 和歌山県新宮市・新宮駅
 緊急事態発生!どうも三重県内は大雨で動かないらしい。予定では尾鷲までオールロングシートのキハ25に乗り、特急で"楽をして"松阪。以降は快速で名古屋へ帰ることとなっていた。
もも「…余計なことしなきゃいいのに。」


 せっかくなので、時間があるうちに新宮の駅を少々でも見ておこう。主要駅らしい佇まいを見せる…。
めぐ「…あ。」
もも「はいはい、まとまってからやり直しなさい。」


 駅前は観光ムードを感じさせつつ、中心市街地らしい雰囲気。今回は観光することなく、雨上がりの新宮市を後にしなければならない。
さく「観光できる日…。」
なぎ「また、調べてからだな。」


 かつて381系に搭載されていたパンダシート。撮影目的として既存座席にカバーがなされ、指定席における発券扱いから外されていた。座席そのものはリクライニング機能がフリーストップ式でない旧型。


 改めて、串本からここまで乗ってきた105系。和歌山線の4ドア車両はさすがに置き換えが決定しているものの、こちらは何も発表されていない。観光要素が求められる以上、いかなる事情があろうとオールロングシートはやめてもらいたい。
さく「ってか、さっき入れなかった?」
めぐ「一応、念のため。」



29.新宮(16:13)16:14発→尾鷲(17:36)18:16着 普通336C/多気行き キハ25-1505
 とりあえず車内に乗客がほとんどいないまま、ほぼ定刻で発車したキハ25。予定時刻そのままでは、尾鷲で乗り換える特急に乗り換えずとも多気へ普通が先着する。ほどなくして大きな橋を渡って、長かった和歌山県から三重県へ。
もも「晴れればもっとよかったろうにね…。」


 新宮から1駅目、鵜殿で運転見合わせとなった。大雨による線路の点検を行っているためであり、それが終了してから運転を再開するという。
もも「それで何、箱の横で?」
めぐ「最近寝る時間があんまり取れてないっていうか…。」


 午後4時34分、紀勢本線は運転が再開された。
めぐ「…いい昼寝になったよ。」
もも「本当、こういうのに文句言って。それで使い方はわかったんだもん。」


 3駅目の阿田和から少々、海と空を見る。ここで反対側の特急を待つため、また停車時間がある。
さく「また寝るんだ…。」
なぎ「寝れるうちにな。」


 ようやく通過した『南紀』は、新宮で運転を打ち切るという。午後5時6分、普通も35分の遅れでようやく再スタート。
なぎ「…寝れたろ。」
さく「おかげでいい休憩時間に。」


 さらには神志山で、遅れ幅が44分に拡大。当初予定時刻は新宮で普通と特急の"時間差"が77分、乗り換えの尾鷲では42分となっていた。乗り換えない場合、多気では10分差となる。


 ただ先程まで降っていたであろう大雨と、それによる線路点検で読めなくなってしまった。42分の間に少々周辺を見て回る公算だったところ、これでは別に乗車券と自由席特急券を購入する時間もわからない。
さく「で、山のほうはどういう景色?」
めぐ「…よくわかんないかも。」


 熊野市は沿線でも主要都市といえるもので、特急が停車する主要駅らしい雰囲気。


 再び険しい海岸線を進む紀勢本線。またも雲が厚くなり、雨が強く降るなど不安をよぎらせる。
もも「タイミングよね。」
めぐ「だってトンネルばっかりだもん。」


 新鹿の海を見ながら進むキハ25と旅行班。この付近は美しい海岸で知られ、とあるアニメでモデルとなったという。
さく「この雨じゃわかんないよ。」


 二木島のほうが海に近かったか。


 賀田から景色を見ようとすると、外が曇ってしまった。遅れ幅は42分と、僅かに回復傾向。
めぐ「冷蔵庫現象だよ。」
もも「…説明してよ。」
なぎ「アレだろ。トンネルの中涼しかったから、外が暑い。こっち冷えたら…。」
さく「あ、出したら外に水滴。」


 大曽根浦にかけて、海の景色が続く。雨はすっかり上がってきた。
めぐ「…どうしようね?」
もも「…写真はどうにもならないわよ?」
さく「次、特急どうするかでしょ。」
なぎ「考えろ。すぐ来れるわけないだろ、こんなとこ。」


 キハ25に乗ること121分、尾鷲には40分の遅れで到着。


 さすがに阿田和ですれ違った特急が新宮で折り返し、普通の2分差まで定刻で追いつくのは不可能。これで別に必要とする分を駅で購入できる。


(現)尾鷲→四日市:自由席特急券 2140円
 本来ならば尾鷲から松阪まで88.7km、自由席特急券は1180円となる予定であった。しかし状況を考慮すると、松阪から乗車予定としていた快速みえ26号はほぼアウト。普通の本数が増加する四日市まで引っ張ることとした。

(現)尾鷲→四日市:JR運賃 2450円
 同様に尾鷲から松阪まで88.7km、予定していた運賃は1490円。しかしながら快速でも津から河原田まで、伊勢鉄道の運賃510円は別に必要であった次第。尾鷲で購入した時点でそれらが全て含まれ、手間が一気に省けてしまった。


 ということで、外に出られれば出るのが旅行班。特急停車駅の駅舎は平屋建てとなっており、後で調べれば開業当初から引き継がれたものらしい。
もも「まあ…、忘れず押さえただけいいんじゃない?」
さく「やっぱりわかってないんじゃん。」


 曲がりなりにも、尾鷲は三重県南部の主要都市。駅前に高層建築物はなくとも、市街地らしく建物がそれなりに多い。
めぐ「時間あったら見れたけど。」
なぎ「そんなもんわかっとる。」

(つづく)