2018年7月26日(木)午前11時 和歌山県御坊市・御坊駅
(現)御坊→串本:JR運賃 1940円
 これから特急に乗車する計画でいたため、当該区間104.5kmの分を運賃と共に別支払いしなければならない。少々ながら100kmをオーバーしたため、早々に費用もかさんでしまう。

(現)御坊→串本:B自由席特急券 1400円
 ありがたいのは、割安なB特急料金の設定。JR東海ではほぼ設定されていないので、尚更か。その後2022年からは全席指定となり、2023年からはB料金の設定がなくなっている。
もも「で…、外出なくていいの?」
さく「だって暑いじゃん。」


(S)奥大山の天然水(サントリー) 110円
 足りなくなっていた手持ちの水分を補給。おとなしく、冷房の効いた待合室で過ごそうか…。


 反対側に入ってきたのは287系『パンダくろしお』。白浜から向かう、アドベンチャーワールドの広告だ。6両中、自由席は2・3号車となる。



27.御坊11:17発→串本12:54着 特急くろしお5号/新宮行き モハ289-3407
 かつて『しらさぎ』として、名古屋に乗り入れていた683系2000番台。入ってきた289系は、それを直流専用に改造した車両である。自由席はだいたい半分ほど埋まっているようだ。
めぐ「…あれ?」
もも「何、またやらかした?」
めぐ「いや、289って新宮入ったっけ?」
さく「さあ…。」

 

 実は2018年3月改正で運用が変わり、289系が新宮まで乗り入れるようになっていたのだ。車窓に戻すと引き続き海は遠く、山めいた田舎風景が広がっている。上を跨いでいるのは、大阪府内から続いている阪和自動車道。


 やがてこの路線の"象徴"であろう、海が近づいてきた。
なぎ「ああ、いい海…。」


 海沿いのきのくに線(紀勢本線)にして、少しの間見なかった大海原。太平洋に面しており、冬でも温暖な南紀地方。


 そこから見えてくる半島にあるのが白浜温泉。ご丁寧にも減速し、車掌は観光案内を行う。
さく「…どうなの?」
もも「アンタらが決めることよ、行くか行かないかなんて。」


 砂浜と共に、もう一度オーシャンビューの289系。少しすると海から離れていく。
めぐ「でも、久々に旅行してる気分かも。」
なぎ「こっち乗ってよかったな。」

 南部で先に出た、117系普通を抜かす。今回は串本で少し"滞在"したいので、特急を選んだ次第。
もも「…やめ、今は突っ込まない。」


 その普通は紀伊田辺までの運転となっている。紀伊半島のほぼ中心に位置しており、熊野古道の入口として栄えているかと。
さく「どうよ?」
めぐ「もうちょっと、近くを固めてからかな?」


 ここからは単線となる紀勢本線(きのくに線)。高速道路(阪和自動車道→紀勢自動車道)も末端らしく、対面通行な上に通行無料となっている。
もも「本当さ、原付とか125ccとかじゃなくって…。」
めぐ「そういうほうじゃないのよね。」


 日本有数の温泉地、白浜。ここで多くの客が降りていく。特急もここからは本数が少ない。
さく「さっきの温泉だね。」
もも「それとアドベンチャーワールドだっけ?パンダ。」


 海はあまり見えなくなっており、再び山の景色が主体となっているきのくに線(紀勢本線)。


 ここまで来ると高速道路も新しく、通行無料とされる紀勢自動車道。実質的な起終点となっている吹田(近畿自動車道)の"面影"はない。紀勢自動車道も現在、高速道路として完全には三重県までつながっていない。


 特急が停車した周参見は、駅舎からして大きくない。ホームにある"254"は、亀山からの営業キロを指している。
なぎ「…ここは興味とか?」
めぐ「…どうかな?」


 少々ご無沙汰だった海が、ようやく顔を出してきた。紀伊半島の海岸線は入り組んだ地形が目立つため、線路が海から離れた山間も縫って通っているのだ。


 そのまま串本町へ。引き続き海を見れば、濃い青だけでなく明るい色も交じっている。路線色は、沿線の海から付けられたものと考えていい。


 さあ、もう少しで串本に停車する。


 御坊から289系特急に乗ること、97分で串本に到着。2面3線式となっており、ここで折り返す普通も設定されている。
さく「もう外暑いの慣れちゃったし。」


 本州最南端の駅、串本。自動改札は設けられておらず、IC専用の端末が一部役割を果たす。
もも「そりゃ、書いてあるもん。わかるわよ。」


 その場所へ来た以上は、当然の如く駅舎を収める旅行班。駅"本体"は主要駅らしい佇まいのコンクリート造りで、観光案内所の建物とは屋根が接している。
なぎ「まあ…、それはな。」
さく「で、2時間何しよう?」
もも「だからさ、そういう観光とかも調べたら?」


 さすがに周辺を見て回りたい。ただ駅前に何かあるかといえば、特に目立つものは見当たらない…。
めぐ「何か食べるものも…。」
さく「あ、もうそんな時間?」


 とりあえず海を眺めようか。ここはあくまでも"本州最南端の駅"に過ぎず、陸地が海を越して見えている。
さく「潮岬ってどのへんだっけ?」
なぎ「入れろよ、後で調べたらどこかとか。」


 それはそうと、まだ昼食が決まっていない。2時間見つけられずに出発してもいけないので、もう少し探す…。
さく「ひょっとして…、駅の近くになかったりとか?」
めぐ「いや、1つあるのよね。」


 駅前から横に出る、細い道へ進む。
もも「戻ってるんじゃなくって?」
なぎ「なんか、この辺に見たんだと。」
さく「よく見つけたね?」
めぐ「なんか、チェーン系で流すのもアレかなって。」

(つづく)