2023年4月19日(水)午前11時21分 神奈川県厚木市・本厚木駅
10.新宿10:40発→御殿場12:24着 特急ふじさん3号/御殿場行き 小田急60501
本厚木にはホームドアがすでに取り付けられていた。各駅停車などはここを発着とするものも多い。
地上に降りて、田畑の多い住宅地と共に東名高速を入れよう。周辺の雰囲気は明らかに変わってきた。
続いて新東名高速と交差。付近は圏央道(首都圏中央連絡自動車道,国道468号)も通っており、海老名,海老名南,伊勢原の各ジャンクションで実質の三角形状となる。鉄道としての競合路線にJR東日本の東海道本線があり、そちらは海沿いを通っている。
鶴巻温泉を通過。駅の周囲を見る限り、温泉地というよりはこれまた明らかに住宅地だ。
秦野まで来ると、地形が明らかに険しくなってきた。左を見れば斜面まで住宅がびっしりと建ち並びつつ、右は山々も望むような景色となっている。
この特急『ふじさん』は秦野から先、小田急としての停車駅は設けられていない。さてこの60000系は新幹線N700のようなドアチャイムを有し、ドア開放中も新幹線N700みたく"誘導鈴"が鳴っている。
とうとう山間部の景色になってしまった。首都圏の大手私鉄ながら小田急の範囲が広いこと、このようなところにまで4ドアロングシートの通勤車両が10両編成で乗り入れること。なかなかギャップを感じてしまう。
新松田の手前で小田急から分かれて、JRとの連絡線を低速で通過する。JR東海の御殿場線は、小田急の線路を上からまたいでいるようだ。
JRの線路と合流し、松田の駅ホームは特急専用で分けられて設置。運賃計算上では小田急の新松田と同一として扱われ、駅そのものも隣接している。ここでは乗務員交代を挟んで7分の停車となった。
松田から遠目にズームアップすれば、列車名の『ふじさん』に偽りなく富士山が現れた。特急は反対から来るワンマン普通を待避しており、その発着を待ってから発車となる。
ここからはJR東海の路線となっており、幾分か雰囲気も変わってくる。鉄道開業時はこちらが東海道本線のルートとなっており、現在の熱海ルート開通後は御殿場線となる。戦時中に単線化されたまま、現在に至るのだ。
以前は東京から国府津を経て、御殿場線の山北まで直通する普通があった。付近にはD52の70号機が静かに余生を過ごしているようだが、タイミングはいまひとつ合ってくれない。
戦前まで複線だった痕跡は、山岳を縫う険しい御殿場線に現在も残っている。付近の道路もなかなか高規格なようで、気にさせてくれるか。
そのまま静岡県に入っており、停車した駿河小山は無人駅らしい。ここにもかつて使われたであろうホームの痕跡が残っており、現在は駐車場となっているようだ。
残すは通過1駅と停車1駅。山間部に流れる川は清らかな音を立てることだろう…。
さあ、そろそろ御殿場。台地にあるように、周囲が開けてきた。
小田急の新宿から104分。3都県を走破し、JR東海の御殿場に到着。ここまで乗ってきた60000系はそのまま車内整備に入った。
隣からは沼津行き普通がすぐに発車となる。JR東海の313系であり、オールロングシートで発電ブレーキを搭載する3両編成の2600番台だ。小田急ロマンスカーと並ぶのも、御殿場から少々の区間しかない。
ここまでの乗車券と特急券は以上になる。やはりエリアをまたいだICカード利用はできないようで、小田急からICカード利用の場合は窓口精算が必要とあった。乗車券と特急券はまとめて改札機へ投入できるところ、少々反応がよろしくなかったり。
例によって、御殿場駅の写真を収めよう。富士山口がメインとなっているようで、市街地もこちら側に形成されている。御殿場線は過去2回ほど乗車しており、いずれも御殿場はスルー。最後に乗ったも2010年となる。
バス乗り場からは『富士山口』という名称に偽りなく、正面から富士山の大きな姿をとらえられる。須走口五合目や御殿場口新五合目はここからバスが出ているところ、4月中旬となればまだ営業時期に入っていない。
(つづく)