2016年9月17日(土)午後3時31分 三重県いなべ市・阿下喜駅

 北勢線の中間車両は見たところ先頭車両を改造したタイプらしく、運転室の片側をつぶして冷房装置を設けている。その奥にある先頭車両が非冷房であるため、そちらに貫通扉が設けられている。これが自動で閉まるという、近年多く見られるようなものだったり。


2.阿下喜15:34発→西桑名16:27着 西桑名行き 143
 復路は西桑名側の先頭車両へ。旧来からある片開きドアであるため古い車両だと考えつつも、床置き型の冷房装置が付けられている。天井には扇風機があり、これで冷房の空気がうまく回ることとなる。往路と対になる左側へ。
もも「まあ、アンタが決めたんだものね。」


 阿下喜を出てしばらくは家なども少なく、山間の田舎といった景色が続く。この辺りでは既に稲刈りが終わっているのだろう。
めぐ「いいよね?」
なぎ「いいから落ち着け。」


 楚原からは住宅など、平野部らしい景色となる。東員までは駅間距離が比較的長い。少々傾いているのは、窓ガラスにカメラを密着させる形で撮影したため。
めぐ「……。」
もも「…何もないなら写真で終わればいいじゃないっての。」


 762mmという特殊狭軌線を走る小型車両。北勢線はカーブがきつい箇所が多く、1435mmどころか1067mmへの改軌も困難だとわかるとか。元々よく揺れるためか写真もぶれるような…。
さく「これはこれで他人の顔バレなくていいかもよ。」


 東員町は水田地帯が広がりつつ、住宅が遠めに固まっている景色。桑名市街はもちろん、名古屋駅からもさほど遠くない位置にある。
なぎ「それで通勤手段が何かってか?」


 桑名市に入る。住宅地であろうとも山が近くにあり、自然豊かといえば自然豊か。家の大きさも年季もまちまちで、庭付きの立派な邸宅はいかにして建っているか気になったりならなかったり。そういう中にも空き家はあるのかもしれない…。

 

 西桑名に近づくと、また急なカーブを曲がる。住宅が多い中において、また新たな区画が整備されつつある。
めぐ「…もういいでしょ。」
もも「アンタが最初から勝手に決めてんじゃないの。」

 

 復路もだいたい同じ乗車時間となった。北勢線を往復するのに2時間かかっているのだが、今回利用している切符ではまだ赤字。三岐線の出る近鉄富田まで、別で乗らなくてはならない。
もも「…行くしかないんじゃない?」

 

(現)近鉄電車乗車券:桑名→近鉄富田 260円
 往復乗車券は券売機で買えないので、片道だけ買っておこう。これは三岐線との乗り換え時間を、この時点で考えていないためでもある。


 発車案内は近鉄のみならず、養老鉄道も液晶画面によるものとなっていた。JRと同じ1067mmの線路を持ち、7月末から発売開始となった『JR東海&16私鉄 乗り鉄たびきっぷ』が利用可能ながら近鉄寄りだと改めて考えたり。



3.桑名16:34発→近鉄富田16:45着 準急/近鉄四日市行き 2001
 すぐに来た準急は、古いタイプの3両編成。名古屋から蟹江が無停車の後、四日市まで各駅に停車していく。ここで降りる客がそれなりにいるようで、4ドアオールロングシートの車内は適当に座れる程度。
さく「ま、ここはさらっと流しちゃって。」

 桑名から4駅目、10分ほど乗れば近鉄富田に着く。ここで三岐線へ乗り換えとなる。改めて三岐鉄道が運行する2路線は経緯などから、車体色と運行事業者以外全く別物といっていいもの。
さく「何分かわかんないからね。」
もも「…アンタらこういう時に調べなさいっての。」
めぐ「調べたきゃ調べるけど…、どうも通信量?Wi-fi使うのに更新できなくて。」
なぎ「ここWi-fi使えんだろ。」


 近鉄部分は2面2線の対向式となり、三岐鉄道三岐線は名古屋方向の隣から発着する。近鉄の発車案内が液晶画面によるものとなっており、対する三岐鉄道のそれはフルカラーLED。三岐線は1067mmであるため、直通運転が出来ない。
もも「時間は?」
さく「…17時1分ってあるけど。」


 近鉄は駅番号が導入されており、駅名標にE17と記されている。名鉄のそれと異なる点として、両隣の駅にも番号が入っていることが挙げられる。名古屋線のラインカラーは濃い青で、同一系統となる湯の山線や鈴鹿線も同じ。
もも「…まーた時間中途半端に余ってる。」


 反対側は三岐鉄道の駅であり、隣は大矢知のみが記され"三岐"が小さく併記される。駅番号は導入されていないため、駅名標に入っていない。
なぎ「…これ1回外出れたな。」


 乗るのは101系であり、かつて西武鉄道で401系として運用された車両。顔つきこそ国鉄の101系を連想させるものの、3ドア車両とあっては全くの別物。全て冷房付きとなる車内はオールロングシートで、背もたれと座面が分離した座席は意外にも造りがしっかりして座りがいい。昭和39年製造と古くとも、手入れは行き届いているようだ。


4.近鉄富田17:01発→西藤原17:47着 西藤原行き 101
(現)クリスタルガイザー500ml(大塚食品) 110円
 三岐線往路の前に、尽きていた水分を調達。進行方向左側に陣取り発車。2両編成でもこちらは車体が大きく、北勢線の3~4両分に相当する。


 この三岐線は本来、国鉄の富田から西藤原へ向かう路線であった。しかしながら近鉄との接続線が設けられてからはそちらへシフトしていき、国鉄がJRとなる前には既に旅客列車の全てが近鉄富田発着となったという。利用客はどこへ向かうのが主流だろうか?
もも「…そういやアンタ、線路つなげられるとこは全部つなげたいんだったわね。」

(つづく)