今回のリターンズプラスは2013年のお話です。
名古屋駅前の象徴であった大名古屋ビル。2013年2月当時の建て替え現場。解体工事は工事用の覆いで囲われた中で行われていたようで、特徴的な旧ビルの形がはっきりと…。そして2015年に超高層ビルへと建て替わり、低層部は旧ビルの特徴的な形が継承された。
こちらはついにJR東海の電車では国鉄最後の生き残りとなった、211系0番台の車内。211系本来のボックスシートが味わえるのも、とうとうここだけになってしまっていた。そして2022年3月に引退し、JR東海から国鉄車両がいなくなったのだ。
2013年2月15日(金)午後4時19分 愛知県海部郡蟹江町・富吉駅
永和駅(JR)のほうから、駅ビルのように見える富吉駅(近鉄)まで歩いてきた。これは集合団地であり、入居者申込中の幕が上に掲げられている。奥に階段があり、上がるとようやく駅となる。ICカード乗車券の共通利用は2012年3月からとなっており、当時は共通利用できなかった。
(現)近鉄乗車券:富吉→近鉄名古屋 290円
この場に西日本のICは持ち合わせていないので、現金で切符を購入し乗車しよう。名古屋まで当時290円となっており、JR永和より少々お高め。行先を案内する液晶画面もなかなか美しい。
車庫があるため、側線が賑やかとなっている。特急用の"ニューエース"である22600系が、古参たる『スナックカー』こと12200系と連結していいのだろうかと。2020年に12200系が撤退し、2023年現在の特急車両最古参は12400系となる。
1.富吉16:29発→近鉄蟹江16:32着 普通/近鉄名古屋行き 2852
3両のオールロングである普通に乗り込もう。近鉄でこの手の車両はリニューアルの有無以外、形式も複雑でよくわからない。
普通のみでは時間が多くかかるため、蟹江で急行に乗り換えよう。ここは古来のパタパタ回る、名鉄栄生と同じやり方のモノが当時も残っていた。現在は液晶画面式のモノに交換済み。
2.近鉄蟹江16:36発→近鉄名古屋16:45着 急行/近鉄名古屋行き 5258
近鉄名古屋線の急行は6両で運転され、後ろに連結される4両編成が3ドア転換クロスシート車両となる。座席が埋まっており、立ち客もいる様子。こちらもリニューアルがなされていた。
ここから名古屋までノンストップ。名古屋市に入り国道302号をまたぎ、新川を渡って庄内川を渡る。景色はJRと大きく違わない。大きな川のある中川区の程よい郊外らしさは結構好き。
富吉から16分。単純比較はできないが全線通じて複線な分、JR永和よりは短い時間で着くことができた。なお液晶画面式の発車案内は後に日本語と英語が交互表示になり、駅番号も記されるようになった。では名鉄に乗り換えて、久々にあの場所へと足を運ぼうか…。
3.名鉄名古屋16:56発→大江17:06着 急行/河和行き 6307
名鉄の急行は6両で運転される。こちらは線路規格等の制約が大きいため、1両の長さが短く乗車定員も相応に少ない。この急行にはさほど乗らなかったようだ。
大江までは10分乗るだけ。次に乗るのがお目当ての、8年弱ぶりとなる名鉄築港線。東名古屋港まで1駅だけであり、"工場向け"であってか昼間は運転しない。東名古屋港の改札も大江にあり、これはJR和田岬の改札がある兵庫駅と同じ。
8年弱の間を経て、5000系がワンマン運転するようになった築港線。種別がフルカラーLED式になった常滑線の案内表示と違い、1駅間の往復専用の5番線はワンパターンもので十分間に合ってしまう。
4.大江17:20発→東名古屋港17:23着 普通/東名古屋港行き 5064
ワンマンとは言いつつも、1駅なので自動放送もない。この時間に東名古屋港まで乗る人はほとんどいなかった。車内LEDは"普通"と出されたまま。大江からしばらくそこそこ出したものの、距離そのものがそれほど長くない。景色は工業地帯と空きスペースぐらいか…。
やがて減速し、名物の垂直平面交差が待ち構える。名鉄の新車は笠寺から名古屋臨海鉄道を経て、ここ(名電築港)へ運ばれてくるのだ。乗ることほんの3分で、築港線の"乗り鉄旅"は終わる。
ホームには多くの客が待っており、大江行きの4両はいっぱいになった。この時間は15分おきに来るので、1本見送って次の列車を待つとしよう。行き先表示は車両側に装備されておらず、『大江⇔東名古屋港』と表記された専用の板を使用する。
このとおり東名古屋港には改札も券売機もなく、それら主要設備は大江に集約されている。では歩道橋を上がろう。
景色はまさしく工業地帯のそれ。市バスの『大江町』バス停が隣にあり、利用客は目的地に応じて電車かバスかを使い分けることとなる。バスは輸送力が小さいのか、昼間も動いているようだ。
反対側は名古屋高速4号が建設され、この年の11月に全線開通となった。駅の先に続く線路は国外輸出用であるため、通常はほとんど使われない。
遮断機のないこの踏切も、警報機が鳴ることはほとんどないのだろう。実際使われる際は係員によって、手動で交通規制をかける形になるらしい。では他の客も来たので、このあたりで失礼して戻ろうか。
5.東名古屋港17:39発→大江17:42着 普通/大江行き 5064
同じ車両の往復なので、帰りも同じ編成。4両にはこれまたドアまでいっぱいいっぱいの様子だ。名物の垂直平面交差はその様子を見られずとも、大きな音と振動ですぐに判別できる。
そして3分で戻るだけ。階段を上がるのにも詰まっており、先に進まない。
6.大江17:48発→神宮前17:54着 普通/金山行き 3351
先に出る急行はまたもドアまでいっぱいなので乗らず、隣の普通に乗る。こちらもそこそこ乗っている。
7.神宮前17:55発→木田18:24着 普通/佐屋行き 5051
神宮前でほぼ同時に着いた津島線の電車に乗り換え、そのまま流れで"リベンジ系のネタ"を終えた。
(おわり そして10年後…)