2015年11月3日(火)午前8時23分 岐阜県加茂郡川辺町

3.美濃太田8:07発→下呂9:41着 普通4713C/下呂行き キハ75-3406
 国道41号のバイパスが完成し、名古屋市からの道のりがわかりやすくなったような…。ランプウェイは逆光でよく見えない。
めぐ「…わかった。」
なぎ「何が?」
めぐ「美濃太田から近いのに本数少なくて、どうやって来てたのか。」
淳「普通に車とかでよくないか?」
めぐ「そうなのよ。駐車場とかあんまりよくわかんなかったけど、やっぱり車なのかなって。」
さく「それか自転車とかは?」
もも「いいじゃない。アンタみたいのとかだってどっかにはいるんだし。」


 上麻生を過ぎてしばらくすると、飛騨川沿いの名所であり難所でもあった飛水峡に差し掛かる。
淳「また逆光で…。」
めぐ「いつもこう、タイミング合わないのよ。」


 駅数の割に、距離の長い高山本線。切り立った峡谷の景色を見るポイントで、都合よく信号場があるのが不思議。この普通は、そんな信号場をそのまま通過していく。
さく「絶対今、期待してた。」
もも「…アンタらに超能力者交じってない?」


 飛騨川にある発電用ダム。晴れの特異日ともされる11月3日、文化の日。標高が高ければちょうどよいかと考えたものの、紅葉はまだだった2015年秋の青空フリーパス。

 白川口でしばらく停車する。特急のごく一部が停車するこの駅も、扱いとしては無人駅に近いもの。このため、後部車両のドアは開かない。
さく「ここも結構いいとこだったりするんだよね…。」
めぐ「そうなんだよね…。」
もも「…いいわよね、こんな朝っぱらから日向ぼっこするみたいな感じで眠くなっちゃうなんて。」


 特急の通過を待つため、しばらく停車しているキハ75。辺りの風景に心惹かれても、11分足らずではあまり見られなかっただろう。


 白川口を出ると、これまで右側を流れていた飛騨川を渡る。ここからはトンネルも多くなるようで、本格的に山岳路線の様相を見せる。速度はあまり上がらない様子。


 道の駅『美濃白川』は、"ピアチェーレ"の名前もある。この付近も信号場となっており、反対列車を待つ。
淳「…これも気になったりとか?」
めぐ「昔に1回来たことあって…、免許ないから行けないけど。」
淳「別に原付買えばいいじゃん。」
さく「そうだよ。買っちゃいなよ。」
めぐ「…そうは言っても、他にまだやりたいこととかもあるし。」

 反対側を通過した列車はキハ25のオールロングシート車両であった。キハ75はここから川渡りを繰り返す。付近は白川茶の産地となっている。
なぎ「さっきからどうした?」
めぐ「…なんか落ち着かないのよ。」
なぎ「…充電切れ?」
めぐ「朝5時前ぐらいにパン食だったし。」
さく「今、絶対考えたでしょ。」
なぎ「何がだよ?」
さく「バッテリーとか燃料とか、他にないかって。」

 下呂までキハ75が乗り入れることとなり、下油井ではホームのかさ上げがなされた。ここでも少々長めに停車。
さく「…これ時間かかるやつじゃない?」
もも「さあ?時刻表見ればわかるんじゃないの?」

 反対側の列車はまたしてもキハ85で、この路線は特急が多いことがわかる。次の飛騨金山は"美濃路と飛騨路の境目"となっており、ここもごく一部の特急が停車しながら無人駅と同等の扱い。ワンマン運転では後部車両のドアが開かない。
さく「大事なことだから繰り返したんだよね?」


 焼石から下呂の間も、10分以上かかるなど距離が長い。終点を前にして視界が開けるも、まだ駅ではなく信号場。この普通はそのまま通過した。


 さあ、もうすぐ下呂に着く。色づいた並木と飛騨川、そして川の向こうにある街並み。
淳「もう着くのか…。」
めぐ「考えたら結構あっという間なっちゃうのよね。」


 青空フリー、高山本線における北限の駅。94分という乗車時間は、キハ75ならちょうどいいぐらいか。むしろこの先もホーム高さを何とかして、高山まではキハ75を乗り入れてもらいたいところ。こうでなければせっかくの"雪山装備"や、2基エンジンがあまり役立たないまま終わってしまう。
なぎ「ってか、快速みえなんだろ?」
めぐ「…そういうのやってほしい。」


 何はともあれ、下呂温泉へとやってきた。ここで116~150分もの時間を、散策などに充てる予定としている。
淳「…あれ、2つあるけど?」
さく「これ一応普通狙いで、遅れたら特急乗るだけ。」
もも「いいけど、どっちにしたってじっくりコースじゃないんだし。」


 まずはお約束となった駅舎を、珍しい形をした車と押さえておく。車には宿らしき名前が入っていることから、おそらく利用客の送迎用だろう。


 白鷺が見つけた温泉。駅前には言い伝えの記された石碑と、手湯がある。
なぎ「あ…、お湯だ。」
めぐ「これでもういいかも…。」
もも「そんなわけにはいかないでしょうに。」


 そしてバス乗り場がある。ここから鉄道とは別に高山へ向かう路線もあり、どのようなルートを通るのかが気になって仕方がない。
もも「そればっかりだもん。」
淳「…別に今から乗るわけじゃないんだろ?」
めぐ「バスは乗らないよ。」


 観光案内所でガイドマップ類をもらっておこう。では地下道をくぐって、温泉街へ向かおうか。
さく「それさ…、1回見ただけで後ほったらかしだよね?」
なぎ「…お前こそ。」

(つづく)