2015年11月3日(火)午前7時19分 岐阜県多治見市・多治見駅

 太多線の岐阜行きとなるキハ75が、4両で入線。武豊線の電化と同時に美濃太田へ転入したものであり、国鉄気動車やキハ11が置き換えられた。高校生らしき客が多く乗るようだ。ドアは利用客がボタンを押して開閉させる方式。
淳「…これが目当てで回ったとか?」
めぐ「…これと、その次の。」


 特急しなの1号は6両で、普通車はなかなかの乗車ぶり。対して、グリーン車にはほとんど客が乗っていない。見た目だけでは豪華に見えるグリーン車の座席も、結局は普通車と同じ2列2列の4列。振り子式では難しいのだろうけど、やはり3列にしたほうがいいのかも。


2.多治見7:25発→美濃太田7:57着 普通3605D/岐阜行き キハ75-3307
 座席も埋まり、立ち客もそこそこ出たぐらいで発車。キハ75は美濃太田へ転用される際、雪の多い山岳区間へ対応するため各種工事がなされたという。このうちワンマン運転を行うものは、元の車両番号に3000が加えられている。こちらはもともとワンマン運転に対応していないグループ。
めぐ「この席って前のより柔らかいっていうのかな…?」
もも「何言ってんのよ?」
めぐ「前、快速みえ乗ったのって硬かったことない?」

 小泉ではまとまった数の、高校生らしき客が下車。
淳「結構降りたな…。」
めぐ「降りたっていうより…。私、昔ここから1回乗ったことあって…。」
淳「ああ、それで…。」
めぐ「下りだったから楽だったんだけどね。」
もも「アンタがそういうなら1回ぐらいはね…。」


 片面ホームながらも、有人駅となっている根本。多治見で立ち込めていた霧が、いつしか晴れてきている。周囲の路面が濡れていることから、昨日の雨がある程度関係しているのかもしれない。
めぐ「朝に霧だと晴れるって…。」
さく「合っててよかったじゃん。」


 下切から可児にかけ、見たことがあるような風景の中を進む。太多線ではキハ75らしい性能を発揮するもことなく、あまり速度を上げない。
もも「アンタらにとっちゃ地元みたいなもんでしょ。」
なぎ「いや、…ここまではあんまり来たことなかったりするんだよな。」
淳「ここがあんまりっていうなら…、じゃあ?」
めぐ「美濃太田の駅前とか…、そっちのほうが近かったし。」
もも「1回あったわね…、アンタが何か拠点にしてたって。」

 美濃川合を過ぎると、右側は車両区となる。ビニールにかぶさった車両がいくつかあり、金城ふ頭の『リニア・鉄道館』に行かなかった一部だろうかと。程なく美濃太田の駅に着く。
めぐ「見たかったのに。」
もも「そりゃアンタが悪い。次あったら、…わかってる?」


 ここで後ろの2両を切り離し、岐阜行きは前の2両となる。編成間を行き来するためのホロを外し、切り離す編成のドアが閉まる。ワンマン運転は2両でのみ可能となる。
淳「で…、下呂行きは?」
さく「ここだけど…。」
なぎ「…前乗った時もそうじゃなかったか?」


 キハ75は元々1両単位での増解結が可能となっており、美濃太田へ来てからそのような運用が実際に行われるようになった。雪の多い山岳区間へ対応するため各種工事がなされた車両のうち、ワンマン運転を行わないものは元の車両番号に1000が加えられている。


 連結器同士が離れ、2編成が完全に分かれた。進行方向前方の編成が岐阜行きとなり、残った編成はどうなるかというと…?


 切り離されたほうが乗る予定の、下呂行きになるということ。今回のお目当てとした1つでもある。
めぐ「この1本しかなくって…。」
淳「それでわざわざ多治見回って…。」



3.美濃太田8:07発→下呂9:41着 普通4713C/下呂行き キハ75-3406
 キハ75が用いられる下呂行きはこの1本しか設定されなかった。こちらは転用前からワンマン運転に対応していたグループで、武豊線時代と異なり整理券発行機は片側しか使われない。そのため進行方向右側は、"単なる箱"が置かれているようなものとなっている。左側の"箱"も識別のためにオレンジ色となり、どうもシールで貼り付けられているようだ。


 運賃表もキハ25や313系後期型と同じ、液晶画面のそれに交換された。従来は武豊線内でしかワンマン運転を行っていなかったため、スペースの無駄が多かった。後期車両の座席は313系と同じタイプで、座りがなんとなく柔らかい。

 かつてはキハ40系列が幅を利かせていた高山本線。思えば国鉄車両は完成形だったりするもの。現在主流のボックスシートは、国鉄より背もたれが急角度だったりもする。キハ75はそれ以上の設備を誇りながら運行範囲が限られ、結構根に持っていたり。

 乗客があまり乗らないまま発車。
めぐ「本当、もったいないよ。」
なぎ「わかったから落ち着け。」


 美濃加茂市に隣接する川辺町、中川辺でほとんどの乗客が降りてしまった。ここまでは比較的平坦で、家なども少なからずある風景。少々長めの停車時間に、反対側を特急が通過していく。

 美濃太田から先、国道41号と並行する高山本線。下呂までは63kmと、結構な距離を有している。
もも「…案外あるわね。」

(つづく)