2017年8月16日(水)午前9時56分 東京都大田区・西馬込駅

 この3000系が、京成グループ共通の新型車体となっている。日本車輌製造らしい構造からしてなんとなく親近感を覚えた、名鉄沿線の住民たち。
さく「ああ、最近のステンレスってこんなんだよね。」
めぐ「それから赤1本だけだったのが、上にもう1本入って…。」
なぎ「…何の話してんだ?」


29.西馬込9:56発→大門10:13着 浅草線快速/京成佐倉行き 3030-3
 名鉄のステンレス車両と同じく日本車輌らしいブロック工法を採用した構造だが、もちろん相違点はあるもの。名鉄では備えなくなった日除けを、こちらは省略せず装備しているのが一例。
さく「名鉄もだけど、鶴舞線でしょ。」
めぐ「わかってるよ?」
なぎ「いや、鶴舞線3ドアじゃないだろ。」

 ドア上に名鉄4000系と同等(15インチ,4:3サイズ)の液晶画面式案内装置がある反面、名鉄5000系のように自動放送は流れない京成3000系。三田線と同様に直通運転先の種別で表記されるのは、おそらく都営地下鉄のスタンス。(※2017年当時)
もも「…別にいいんじゃない?どうせ地下鉄で通過しないんだったら、変にイキられるよりはさ。」
さく「まあそうなるね。」
なぎ「どこからその話なった?」

 往路より1駅多く、17分で大門に到着。これで都営の路線は、大江戸線の光が丘を残すだけ…。
さく「ここからまた長いんだよね。」
もも「…乗り換えがってこと?」
さく「いや、両方。」

 まずは長い下りのエスカレーターが待ち構える。大理石調の光沢ある壁面が、どことなく高級感を与えるとか与えないとか。

 大理石と御影石の違いはさておき、もっとエスカレーターを下っていく。大江戸線は後発路線であることから、地下深くに掘られて通っている。
なぎ「近未来的だとかそういうのはいらない。」
もも「…誰も今、そんなこと言ってないわよ?」


30.大門10:17発→光が丘10:58着 大江戸線外回り/光が丘行き 12-666
 4分で乗り換えられたところ、数少ない新車が登場!従来車両と同様のアルミ無塗装ながら、帯色が広く取られているのが特徴。行先表示のLEDもフルカラー対応となっている。
さく「すげえタイミングだこと…。」

 ひとまずは環状線のように外回り方向へ。大門から都庁前までは2009年に乗車済みであり、向きを問わなければ2014年までに環状線区間…。
もも「だーかーら、もうちょっとまとまってからにしなさい。」
めぐ「まあ…、ごめん。回るのは乗ったってこと。」

 すでに都心部たる、環状区間は乗車済みとしている旅行班。次第に乗客は降りていく流れにある。
さく「景色見えないし、寝るだけっぽいかも。」
なぎ「…寝ろ。」

 大江戸線は"の"の字を成しており、環状区間が過ぎてもそのまま回らずに進んでいく。乗車実績がないのは中野坂上から先。
めぐ「…あれ?」
もも「…まだでしょ?」


 どうやら寝ていたらしい。各種制約の大きい小断面地下鉄らしく、大まかな造作は従来車両とあまり変わらない。車内にLED照明を採用するのは最近の傾向。ドア上には小型の液晶画面が設けられ、案内装置として用いられている。ドア横の液晶画面は広告などを流すもの。大江戸線は相対的に長大な路線となるも、地上には一切出ることがない。

 大門から20.7km、41分で到着。これにて思いのほか流れよく、一気に都営地下鉄全線の乗車を達成!
さく「まあ、厳密に言うとね…。」
もも「はいはい、そんな細かいこと気にしなくていいの。」

 当然ながら、来た以上は地上に出たい旅行班。西馬込から一転して、結構な雨が降っている練馬区光が丘。地下駅と駅ビルは一体化しており、複合型商業施設となっている。
なぎ「あんま濡れんうちにな。」
めぐ「わかってるって。」

 周辺は集合住宅が多く群がっている。ここも西馬込と同じく、都心部まで1本で向かうことができる始発駅。可能ならば座りたいと考えるなら、西馬込と同じく有利な場所。

 まとまって形成された団地だけでなく、新しいタワー型建物も見られる。駅前を通る道路は広めに取られており、街路樹が景観に潤いを与えている。都心部に近いため、西高島平のような"最果て"感はほとんどない。
めぐ「…ごめん、またトイレ。」
もも「あ…、じゃあそうしましょ。濡れるんじゃ先持たないもの。」

 折り返す前に、もう1度トイレに入っておこう…。


31.光が丘11:18発→豊島園11:22着 大江戸線内回り 12-287
 さすがに少数派な新車が連続で来ることはない。気づけば当初計画より1時間半も早まっていた。
めぐ「せっかくだし、豊島園もちょっと押さえとく?」
もも「まあ、アンタが言うことかはわかんないけどね。」

 4分で豊島園へ。降りたら先ずは、駅と位置の関係を確認したい。
さく「そうそう、これ大事。」
なぎ「わざわざわかりきったこと言うな。」

 A1の出口から外へ出た旅行班。まだ結構な雨が降っている。
さく「でも本当いいよね、買った傘あれば雨よけられるか晴れるかで。」
めぐ「…そう?」
もも「そりゃあ…、アンタのさし方が悪い。」

 神社か寺院か、勝手に参道を通るわけにもいかない。ならばどこを進めばいいのだろうか?
さく「調べてよ。」
もも「…だってよ?」
なぎ「いや、たまには自分で調べろ。」

(つづく)