めぐ「今回からは2017年の夏休み、埼玉の西武所沢です。元々野球と、赤いユニフォームが目的だったわけですけど。なんだったら東京の地下鉄をもうちょっととか…、それこそ東京の銭湯も気になってたっていう話です。それでは時間を2017年の終戦記念日に戻しましょうか。」

2017年8月15日(火)午後2時33分 名古屋市中村区・名古屋駅広小路口

 いつもの場所で、今回は午後からスタート…?
もも「まさか全員遅刻するとはね…。」
さく「えっと、それは…。」
めぐ「色々ごめん、ちょっと無理しすぎたかも。」
もも「まあいいけど…、風船は?」
めぐ「あるよ。」
なぎ「チケットは?」
もも「それは最初からセットでもらってるわよ。」


15.名古屋14:47発→豊橋15:38着 新快速2338F/豊橋行き モハ313-5014
 新快速はいつもと変わらない、全席転換式クロスシート車両。座ったら寝るだけである。何せここから長丁場である。豊橋の乗り継ぎが不可能とはならないものの、条件が悪化するのは避けられない。

 豊橋では3分しかないのに、ホームを階段移動しての乗り継ぎとなる。古くは直通とか、乗り継ぎでも同じホーム上というのが多かった気がする。近年は直通しない場合、階段を介して乗り換えなくてはならないパターンが目立っている。要因が車両数の削減であれば、それなりに遺憾の意を示したい。
さく「…余裕なくしすぎだって。」
めぐ「だから足りなくなっちゃう。」
もも「はいはい、変な話は後にして。」


16.豊橋15:41発→浜松16:15着 普通964M/浜松行き サハ313-5
 不親切な乗り継ぎの末に実質は快速2本分、概ね12両程度の乗客を4両に押し込むという所業である。そんなこんなでは空席など狙えないばかりか、立ち客も多い。
さく「まあ、今日は誰のせいでもあるし。」
めぐ「正直、ちょっと理解されなかったっぽくて。」
もも「そりゃ、膳所だっけ?そこから名古屋に一旦帰って、当日中にまた出て東京なんて。」

 状況が悪くなると、総じて不満のぶつけ先を探りたくなるもの。以下、ほぼ愚痴である。
さく「スーツとか、そういう格好でスーツケース持ってさ…。集団で18きっぷ使って長距離移動するもんじゃないよね。」
もも「本当、そういう素人の考え?こういう時はおとなしく新幹線とか、なんなら中央線の特急乗り継ぎとかもあるんだし。」
さく「いやいや、どうせ座れないでしょ。前もって指定とるぐらいしようよ。」

 そのまま静岡県へと入っていく、旅行班と313系。
もも「言ってるそばから勝手に座ってんじゃないわよ。」
めぐ「いや…、ごめん。座りたかったし、ついやっちゃった。」

 さて313系5000番台は大垣に17本。しかし2017年8月当時は事故で1本が使用不可能な状況であったことから、その分だけ余裕がないこととなっている。そのため、313系1100番台1本を神領から"拝借"。
なぎ「ってか…、313って万能だな。」
めぐ「そうかもだけど、もうちょっと余裕持たせてくれたっていいのに。」
なぎ「…金、持ってないだろ。」
めぐ「一応、何かあっていいように持ってるけど。」

 2019年末までに事故車両の代替新造が行われ、編成復帰に至ったことからひとまず編成不足も解消。神領から"拝借"していた313系1100番台1本は返還された。

 浜松は同じホーム上で乗り換えられる。到着したタイミングで入ったのは、5両とも211系。オールロングシート以上に、トイレがないという問題を抱えている。


17.浜松16:21発→沼津18:35着 普通452M/熱海行き クモハ211-5616
 とりあえず、どこまで持つか試しがてら進もう。幸いなのは前方車両を選んだためか、さほど混雑を見せていないこと。
さく「本当…、結構重要なとこなのに金かけてないんだもん。」
もも「あのさ…、アンタらは低予算でいいの。」
さく「そうじゃなくって、JR東海って結構金持ちなのにここ手抜きしちゃて。」

 勝手な考えはこのあたりにしておこう。あとはこのまま沼津まで席が空けば移動しつつ、基本はできるだけ壁際で寝る。過去に何度も通っており、敢えて見るまでもないからこその判断である。
もも「…熱海でいいんじゃなくって?」
めぐ「わかってるくせに。」
もも「だーかーら、私じゃなくって読者。」
めぐ「そりゃ、せっかくだから沼津からアレ乗ってみたいじゃん?」
なぎ「行先、何て書いてあるか。」
さく「これさ…、東京経由って抜けてない?」

 全体的な流れとして、乗客は度々入れ替わる格好。特に静岡では大きく入れ替わる。クロスシートがあるに越したことはないだろうが、オールロングシートもある程度は座りがいい。
もも「…随分黙り込んじゃって。」
さく「…何が?」

 浜松から134分、当初予定していた沼津までオールロングシート(トイレなし)のまま結局進んでしまった。この段階で当初計画からの遅れ幅を42分に縮めている。
なぎ「すっかり暗くなっちゃって…。」
さく「今日結構ペースってか、カットしてるからね。」

 とりあえず外に出よう。雨が割と強く降っているところに、何やら動輪らしいものが保存されている。
もも「これで出ようったってね…、傘とか。」
めぐ「買ってよかったでしょ。」

 近づいて見れば前頭部の扉に、C58の230とあった。後で調べると、由来は国鉄が沼津に機関区を置いていたことらしい。

 お約束の駅舎を忘れない。沼津がスクールアイドルアニメの"聖地"というものの、ジャンル自体しっくり来ない。とりあえず時間も余裕があるので、何か食べるものでも探そうか。
さく「そうだよ、低予算なら割引とか狙ってさ。」
なぎ「…何か仕組むだろ。」

 沼津駅ビル『アントレ』はちょうど夕方のタイムセールとなる。ここで夕食を軽めに調達し、沼津からの"上野東京ライン"はボックスシートを狙う。


18.沼津19:04発→大船20:26着 普通336M/東京経由小金井行き モハE230-3509
 来たのは小山のE231系。前方にあたる9号車と10号車はオールロングシートであるため、確実にボックスシートを狙うなら1号車と2号車になる。沼津へ乗り入れるのは10両編成だけ。当初計画からの遅れ幅は56分へと一旦拡大した。
もも「そんな慌てんだっていいのに。」
さく「いや、結構大きいよ?」

 三島までの乗客が結構多い。この2駅はそれなりに都会的な印象があるので、間違っていない。三島から熱海の乗客は比較的少なく、車内に余裕が感じられる。では、買ったものをいただこう。

(つづく)