2022年5月21日(土)午後0時24分 北海道虻田郡倶知安町・倶知安駅

 お目当ての長万部行きは折り返しでなく、回送されて入ってきた。往路と同じくH100系の1両で、何が目的なのか接続する普通から多く乗るようだ。


25.倶知安12:35発→長万部14:11着 普通2940D/長万部行き H100-8
 さらに乗車位置は表記があるものの、1両で運行する際の案内はなされない。結果として位置を見誤っており、ボックスシートは1席単位で確保するもかなり強引な形になってしまった。(※窓側の席を譲っていただいた方、この場を借りて御礼したい。)


 1両では混雑する程度の乗車となって発車。倶知安のホームにある『むかい鐘』は、小樽で使われていたものを模した"ミニチュア"らしい。


 再度、進行方向左側の景色を見よう。倶知安からの別れ際、もう一度羊蹄山(蝦夷富士)を収めておきたい。


 民宿として泊まれる無人駅、比羅夫。調べたところ付近にバス路線と停留所自体はあり、ひとまず廃業しない限りはたどり着けることだろう。


 眼下に川が流れており、水深も結構ありそうだ。雪深そうな冬はもちろん、雪のない夏場でも冷たいに違いないはず。


 2020年まで外国人客が多く訪れるなど、リゾート地として栄えていたニセコ。現在は無人駅とほぼ同等の扱いとなっており、窓口部分にはニセコリゾート観光協会が入っている。ここでそこそこ下車客はあれど、また乗ってきた。


 発車して近くにあった転車台と、保存されているSL機関車はタイミングが合わず。少しすると三角屋根を持つ、レンガ造りの倉庫らしき建物が見られた。


 左側といえど視界が開けるタイミングはつかめず、いい景色を眺められるものの細かな木々に遮られることも多く。なかなか写真ともなれば貴重かもしれない。


 昆布には温泉があるようで、下車客が見られた。無人駅にして山小屋風の待合所を有するほか、ホームと駅前広場に段差は見られない。反対側にある温泉施設へは歩道橋を渡って向かうこととなる。


 蘭越の近くでまたも周囲が開け、今度はよくわからない集合建築体の姿も入っただろうか。


 蘭越は朝に1本ある札幌行きが始発となっており、その1本こそ快速『ニセコライナー』である。丸太を組んだようなデザインの駅名標は路線共通であれど、駅の周辺はあまりしっくりこないと…。


 蘭越を出ると、左の景色がまた開けている。道路と線路は並走するも、他に建物はなく山林を眺める程度。


 目名はかつて交換可能な設備を有していたのだろう。ホームの痕跡は現在も入り濃く残っており、草が生い茂っている。


 水田の広がる風景となってきた。北海道でも名の知れたブランド米がいくつかあるものの、道内で米作りの盛んなところまではよく知られなかったり。山間を通っていく沿線には、雪も少しばかり溶け残っていた。


 ただでさえ人の住んでいそうな気配がしない山林地帯。こんなところで谷底に落ちようものなら、助からないことも覚悟しなくてはならなくなる。


 木々に阻まれつつも、高速道路らしき構造が見られた。この"山線"に並行する高速道路(後志自動車道等)は通行無料となり、2022年時点で未開通区間も多く残している。


 熱郛には『熱郛ホール』なる、三角屋根の小洒落た建物がある。実質は駅舎となっており、無人駅であることから実質は待合所だろう。駅の周囲は開けている。


 北海道の人里離れたところには、細い未舗装路が通っている印象が深い。この"山線"でもそれは例外でなかったりするのだ。


 黒松内は側線を有するなど、沿線の駅では大きいほうといえよう。ところでこの時間に反対方向から待つとなれば、往路でちょうど乗っていた時間だろう。


 そんな黒松内のホームにあるのが『北限ブナの木』であり、現物は国の天然記念物に指定されているという。ブナは黒松内町の木となっており、モニュメントとして駅ホームに佇んでいるという…。


 北海道らしい風景は何かというと、なかなか1つに絞ることはできないだろう。この区間だけでも人工物がほとんど見られず、景色につかみどころがない。


 むしろ幅を問わず未舗装だったり、矢羽根が路側から延びる道路の風景が北海道らしいのだろう。さて二股で列車から降りないとなれば、長万部まで乗りとおすということだ。



 室蘭本線が合流すると、長万部に到着する。路線としてはここまで乗ってきた"山線"に主導権があるものの、実態としては特急も海沿いに進むことから室蘭本線が実権を握っている。
(つづく)


舞「ちょっと今回はここまでにしておきますね。ひとまず今回メインとしていました、函館本線の"山線"は往復とも乗車しました。これで思い残すことなく、北海道新幹線を通していくことができそうです。この続きは近日公開ということで…、一旦失礼します。」