2022年5月19日(木)午後1時16分 北海道山越郡長万部町・長万部駅
ここからは函館本線の"山線"へ乗車すると同時に、噂の最新車両も登場。電気式気動車『H100系』であり、2020年改正で大胆にもほぼ統一してしまっている。しかし2022年になって、北海道新幹線延伸開業を待たず路線廃止が示唆。導入1号路線が廃止とはこれいかに。
8.長万部13:29発→倶知安15:02着 普通2943D/倶知安行き H100-13
そしてこれが意外にも今回、JRで最初に乗る一般車両となる。途中にあるニセコは2020年まで外国人客が増加しており、観光しないまでも座席を確保しておきたかった。
空席が多いままゆっくり過ごせると考えたが、実際そうでもなかったらしい。とりあえず左側の景色を見ようと、ロングシート部分に座るとした。
発車して室蘭本線と分かれ、山へと分け入っていく。この電気式気動車は電車らしい音を交えつつ、やはりエンジン音を立てることで気動車らしい。
二股といえば温泉だろうか。ここから何か通じているようには見えず、そもそも駅の周囲といえど人里離れてしまっている。
このルートが"山線"といえるように、山林の中を進んでいく函館本線。どうやら少しながら晴れてきたようだ。
黒松内は側線を有するなど、沿線の駅では大きいほうといえよう。
左の景色は山林ばかりで、線形も悪く揺れることもあって眠くなってきた。右に座ったほうが当たりだっただろうか?
一瞬だけいい感じに視界が開け、遠目には雪の残る山々も眺められ。本州より寒冷なところだと実感できる。
目名はログハウスの待合所を有しており、なかなか画になる風景に…。
時折視界が開けていい景色を眺められるものの、細かな木々に遮られることも多くタイミングがつかめない。蘭越の近くで、今度は山の姿も入っただろうか。
見れば眼下に川が流れている。雪深そうな冬はもちろん、雪のない夏場でも冷たそうだ。この川はしばらく並走する。
昆布には温泉があるようで、線路を挟んだ駅の反対側にもなかなか立派な建物が構えている。
ニセコはリゾート地として栄え、2020年までは外国人客が多く訪れていた。全国的にも珍しくカタカナの地名であり、カタカナの駅名共々存在が目立つ。
比羅夫が近づき、また雪山が近づいてきた。
比羅夫の駅に泊まれることは有名で、最近でもテレビドラマの舞台になっている。2022年時点でバスなどは乗り入れておらず、訪れるには鉄道しかなさそうだ。
長万部から93分。この"山線"は原則として、倶知安での乗り換えが必要となる。ここは新幹線の工事によって線路配線など、大きく変化が生じている。
仮設ホームとなった在来線駅は1面2線式であり、小樽からの折り返し便は行き止まりとなる線路へ入る。
9.倶知安15:17発→小樽16:27着 普通1945D/小樽行き H100-8
同じく電気式のH100系であり、今度は2両連なっている。乗り通す客以外にも乗車があったことで、またも左側のロングシート部分へ。車内にデッキはなくドアもボタン開閉式となるうえ、今度は客室窓も内側に折れるよう開いていた。
小樽に向けて本数が多くなるといえど、まだまだ沿線人口の少ない山間のローカル線。おまけに雨もまた降ってきているようだ。
気づかぬ間に雨はやんでおり、然別まで来ている。付近に見えたのは、マンションらしい構造をした平屋建ての集合住宅か…。
郊外らしい景色となったところで余市に停車。ウイスキーの蒸溜所が有名で、多くの観光客が訪れることから乗ってくる客も多い。やはり観光せず、座席を確保しておきたい欲望が優先される。
まだまだ山間を分け入っていくH100系。そして外はまたしても雨模様となってきた。
建物が多くなり、もうすぐ小樽。今回の計画を組んだうえで、本数の少なさから"柱"とした"山線"も一区切りを迎える。
かくして長万部から2本を乗り継ぎ、間を合わせて178分。小樽に到着したところで、今回乗車したH100系の車内を収めておこう。座席からしてJR東日本の電車と同じタイプとなっており、1列2列のボックス席をはじめモケットは733系電車と同じ青緑系。車内はトイレと共に機器類が大きく占める。
(つづく)