2022年5月19日(木)午前11時2分 北海道北斗市・新函館北斗駅

7.新函館北斗11:05発→長万部12:14着 特急北斗9号/札幌行き キハ260-1211
 来たのはすっかり汎用車両と化したキハ261。当時と異なりキハ281以降の"スーパー"で統一された特急だが、日中にアジア系来日客ばかり乗車し自由席が空いてなかった"悪夢"もよぎったのも懐かしい。後々時刻表を見れば、この便は261系(キハ、1000番台)との記載があった。


 グレードアップ座席に統一された普通車であり、6両中2両ある自由席は空席が多く目立っていた。ここから新幹線が開業すると、発車した在来線はどうなるだろうか?

 そして新幹線に乗り続けた反動なのか、ここから非電化でディーゼル特急であることを危うく忘れていた。エンジン音でかき消されるのか、車内放送のスピーカーも音質がよろしくない。


 国定公園となっている大沼を見ながら、新函館北斗を経由しない別ルートと合流。6年半弱前は新幹線が接続しなかったため、特急はこちらのルートで短絡して経由していた。さらに大沼からは特急の経由しない別ルートが分岐していく。


 今回の経路は国道5号とほぼ並走している。特急と高速道路は室蘭本線ルートへ回り込んでおり、一方で開業が期待される新幹線は今回のルートと概ね一致。実のところ、室蘭本線ルートのほうが遠回りだ。


 広大な農地の広がる風景は、まさに雄大な北海道らしいもの。そのまま森に停車し、次の停車駅は八雲。


 八雲まで20km。前回(逆方向で立ちながら)見ていなかったからと左側の景色を見るべく、座ってはみたものの特にめぼしい景色も思い当たらない。やはり右側は海沿いで、見どころがあったのだろう。


 八雲に停車。気付けば駅番号も新函館北斗のH70から、廃止駅を含めてH54まで進んできている。


 長万部までは国道5号で20km。霧のかかった山も幻想感があり、なかなかいい景色ではないだろうか?

 途中で牛のいる農場に差し掛かるも、タイミングが合わない。


 新函館北斗から長万部まで69分。乗り継ぎ割引が適用されたこともあるが、特急料金570円にして乗車時間も距離も十分なものであった。ここからは6年半弱前に乗っていないルートを選んだため、下車することとなる。ホームに降り立てば結構寒い。

 長万部に自動改札はなく、途中下車の際に窓口で印をもらう形式だ。これがなかなか旅行気分を引き立ててくれる。


 ということで外へ出よう。駅舎は平屋建てとなっており、観光案内所や物産店を併設している。この駅は新幹線の駅となる予定なようで、昔ながらの姿を見られるのはあとどれぐらいかと…。


 駅前の"まち"には何かあるだろうか。予定を組んだ際にある程度目を通してはいたものの、飲食のみならず店々は多くないようだ。


 とりあえず駅前のそば店が開いていたので、そこで昼食としよう。店内は地元の方々が多く来ていた。



(現)親子丼セット・もりそば(そばの合田) 800円
 とりあえず浅漬けらしい漬物からいただいたとして、どちらを本体とすべきだろうか。温かい親子丼と冷たいそば、どちらもハーフサイズである。親子丼は鶏肉の形がしっかりしており、食感が絶妙にいい。

 冷たいそばは薬味としてネギとワサビ、天かすが添えられている。そばつゆも自ら加減を整えるようだ。こちらもそばの歯ごたえがいい。長年日本そばを食べてきて、ようやくそば粉主体のそばが何かをわかったような気がする。


 そば湯が出てきたので、そばをつけ終わった後のつゆで割って飲んでみる。こんな締めくくりも"らしく"ていい。長年地元の方に親しまれた、そのお味をご馳走様。レジは現金しか対応しておらず、昔ながらの雰囲気が最後まで色濃く残っていた。


 せっかくなので、少しだけ周囲を見ていくこととしよう。駅前から続く道を進むと程なくして国道5・230号にぶつかり、そこからは海となる。


 すると雨が降ってきた。次に乗る列車も時間も迫ってきているので、駅へ引き返そう。


 改札から再度中へ入り、跨線橋を上がってホームへ向かう。特急の停車する1・2番線には乗車位置案内を表示すべく、大型の液晶画面端末が配備されている。普通は3・4番線から発車だ。

(つづく)