旅する前に、昔の旅を振り返るのは…。

もも「はい。始まりました、鉄旅リターンズプラス。」
さく「今回はね…、2015年の大阪。鷹の祭典を。」
もも「ああ、なんだか言ってたわよね。野球の夏フェスだとかじゃないけど。」
さく「で、色々ユニフォーム集めてるじゃん?その最初がコレ。」

 2004年にユニフォームを来場者全員に配布して始まり、2006年からは専用ユニフォームが用意され。元祖にして今やプロ野球界で最大規模を誇るといわれる"野球夏フェス"、それが『鷹の祭典』だ。
もも「これ本当、最初黄色ばっかりで圧巻だったのよ。」
さく「そうそう。そこから…、一気に趣味も広がった。」
もも「で、気良くしちゃってさ?行けるとこ行こうだなんて。」


 そして今回は青春18きっぷのシーズンを外して、遠方まで足を延ばそうと考えたのである。ならばと取った選択は…?
さく「ま、始めようか。」


2015年7月9日(木)午後0時41分 愛知県愛西市

 いつもと異なるスタート方式。
さく「…何か問題ある?」
もも「そりゃ…、言いたいことは山ほどあるわよ。…まだシーズン始まってないのよね?」
さく「始まってないよ。」
もも「でも行くんでしょ?」
さく「行くけど。」
めぐ「渡してなかった?」
もも「あるけどさ…、わざわざ私に"完全アウェー"だとか付け加えなくたってさ?」
さく「だってそうじゃん。」
もも「アンタこそよ。ご丁寧に熱くと言われて燃えてるとか…」
さく「はいはい、いいから始めましょ。」

 今回の目的地は『京セラドーム大阪』。しかしながら、青春18きっぷはまだ利用できない。こんな時期に、何が目的なのか?
なぎ「…わかるか?」
もも「…そういや誰か去年抜け駆けして、赤いのもらってきたんじゃなかったっけ?」
めぐ「だから今年はそういうのやめようって。」
もも「アンタがそれを促したようなもんよ。」

 昨年から大阪でも1試合開催されるようになった『鷹の祭典』。購入に踏み切ったのは2015年時点で、いつもよりかなり早い6月13日のこと。この段階で唯一空きがあったのが大阪であり、前日に"残りわずか"と発表があった。
なぎ「去年一応…、空きがちょっとあったような感じで。」
もも「それでわざわざこんな日にこの時間から行こうって?」
なぎ「こ、こんな日とは失礼な!」

 2014年は大阪のみ8月に執り行われたため、青春18きっぷを用いたプランニングが可能であった。だが2015年は、18きっぷシーズンが始まっていない7月9日…。(後の話を加えるならば、シーズン中の2017年は8月14日…。)
もも「…あれ、永和じゃなくって?」
さく「せっかくだし、18きっぷでできないようなことしようかって。」

 シーズンから外れた以上、いつもとは違う旅をしようと考えた旅行班。往路は普段あまり縁のない近鉄とし、復路はJRながら普段あまり縁のない長距離片道普通乗車券を使用する計画だ。

 


 ということで、富吉まで歩いてきた。駅前は宅地向けと思しき区画が完成している。
さく「…まあこれから乗るんだけど。」
もも「途中で区切ることなく行こうって?」

 券売機で購入できる連絡乗車券は名鉄だけ。そもそも、愛知県内で阪神電車との連絡運賃が表示されること自体がおかしな話。それでも、自社線内である大阪難波までの運賃は2250円としっかり出ているのはさすが。

 


 車両基地が近く、急行の停車しない2面4線式の駅。四日市方面行きは毎時3本と、これだけを見れば決して本数は多くない。実際はというと通過が多く、普通の1本が富吉止まりとなる。
さく「…何かある?」
なぎ「いきなりか…。」

 


 パンの自動販売機がある。米を食べたい気分なので、見て終わるだけ…。



1.富吉13:20発→近鉄四日市13:52着 準急4321/近鉄四日市行き 2447
 ここから各駅に停車していくという準急は3両。方向幕が独立し、丸みを帯びた形状をなした車両が古いという近鉄電車。車内はなんてことはないオールロングシート。
めぐ「近鉄って形式とかよくわかんないし。」
もも「形式ね…。」
めぐ「下の…、最後の桁まで分かれてるのあって。」

 


 長島から桑名にかけ、JRと同じく長良川と揖斐川を渡る。近鉄の傾向として、古い車両ながら連続窓調の下降窓となっている。ドアの窓も大きい。マイナーチェンジごとに別形式とされることが多いようで、単に形式を見るならば…。
もも「わかんないならわかんないでスルーしなさいっての。」

 桑名からが本番。JRと異なり、途中に駅が多い。
さく「寝る?」
もも「…まあ誰かと違って乗ることにそんな考えとかないし。」

 川越富洲原は急行が停車しないながらも2面4線式という立派な駅。これは急行の停車する近鉄富田が実質的に対向式ホームとなっているためだろう。

 近鉄の四日市までは32分と、そこそこ長い。ここからそのまま伊勢中川行きの普通になるというが、多くは隣に来る急行へ乗り換えるのだろう。かく言う旅行班も乗り換える。発車案内は交換されないままの反転フラップ式。ここまで液晶画面が主流でLEDによるものがないことから、ここでも交換の際は液晶画面となるのだろう。
さく「…駅多いね。」



2.近鉄四日市13:55発→伊勢中川14:38着 急行1331/宇治山田行き 5157
 6両中、前の4両は急行用3ドア車両。思いのほか混んでいるも、ところどころ座れそうな…。
さく「…適当でいい?」

 そして、先頭車両にはモーターがなかったという。塩浜はJR貨物の駅と隣接し、タンク車が見られる。

 伊勢若松で通過待ち。ここも発車案内が反転フラップ式。周囲は稲作地帯となっている。
めぐ「…撮れてないんだけど。」
もも「いいんじゃない?」

 白子辺りからは住宅が多い。折り返し列車の多い白塚には車両基地があり、団体用の『あおぞらII』が待機中。普通はここまでの駅数だけでも多く、運転に時間を多く要する。

 江戸橋の次は津。乗客も段々と少なくなってきている。
めぐ「…さっきの撮り逃した。」
もも「…別にまた乗りゃいいじゃない。」

 


 津はJRと駅を共有している。JRの駅から、亀山行きのキハ40系列が発車。2015年6月末をもって美濃太田で引退した一部が伊勢へ流れ、現役を続けていた。最終的にキハ25の投入完了をもって全車両が引退し、ミャンマー国鉄からの要請で輸出されることとなった。

 津新町で3駅連続の停車となる。JRは単線の非電化路線ながら、線形がいいため速い。ここからしばらくはJRと離れたところを走行していく。急行が次に停車する久居はJRと競合しない駅だが、高速のインター以外に何も思いつかない…。

 富吉から伊勢中川まで、合わせて78分。これだけでも意外と長い。なお現在は普通の本数が削減された関係で、急行も津新町から伊勢中川まで各駅に停車するようになっている。

(つづく)