2015年5月23日(土)午前11時53分 長野県下伊那郡泰阜村
16.中部天竜10:44発→天竜峡12:10着 普通511M/天竜峡行き クモハ213-5011
中部天竜から天竜峡までは飯田線で特にトンネルの多い区間。
めぐ「トンネルっていくつ通った?」
さく「110とかなかったっけ?」
もも「もっとあるんじゃない?」
唐傘でそこそこ乗客がある一方、ここで1人降りる客がいる。
さく「さっきの景色見ないでタブレット見てた人だ。」
もも「慣れてるっていうか、この辺の人とかじゃない?荷物も大きかったし。」
金野からは遠くの山々が見渡せる。ここも生活利用がないためか、次の千代と共に通過する普通がある。
なぎ「あと少し…。」
もも「聞くけど大丈夫なわけ?」
なぎ「そっちこそ。」
さく「中部天竜で時間あったし大丈夫でしょ。」
豊橋からちょうど4時間、天竜川下りの最寄駅でもある天竜峡に到着。
もも「ちょっと、勝手に閉めないでよ!」
天竜ライン下りの最寄とあって、ホームにもモニュメントとして展示のある天竜峡。2面3線式というのは飯田線において、それが機能している駅の中では新城以来となる。構内踏切は中部天竜と異なり、スロープで下ってから渡る形になる。次に乗る普通まで24分あるため、ここも少し見ておこう。
まずは例によって駅の写真。中部天竜以来久々の有人駅である。平屋建ての小洒落た駅舎は決して大きくない。
さく「まあせっかくだし。」
もも「いいけど、前みたいに駅前出て終わりなんて風にならないようにね。」
なぎ「駅の前にすら出てないのが1つあったけどな。」
めぐ「それはもう…、ごめん。」
では周辺を散策と参ろうか。観光案内所横のスペースでは天竜川下りの紹介など、展示がある。結構流れが激しいタイプなようで、夏にもなれば水しぶきを直接受けることになり気持ちも良いのだろう。
中部天竜とはまったく違う天竜川の景色。これもまた都会では味わえない、心地よい空気と音が癒しを与えてくれる。
ライン下りの船乗り場。今回は予約もなく、時間もないので乗船することはない。
めぐ「あとお金も。」
もも「お金ぐらいね…。」
さく「リッチピープルめ。」
もも「違うって言ってるでしょ。」
近くには『りんご足湯』なるものも。入るには協力金として100円が必要となっている。
もも「…それこそ変な想像してないわよね?」
さく「そんな時間ないもん。」
天竜川をはさんで駅を眺めてみよう。ここから水面までは結構な高さこそあるものの、ひょっとしたら水しぶきが飛んでくるのではないかという感覚さえある。時間なので駅に戻ろうか。
天竜峡周辺を散策するための遊歩道が整備されている。時間と装備があれば歩きというのも悪くはないのかもしれない。
さく「どうよ?小幡緑地とか。」
めぐ「たぶん全然違う。」
ここから谷を縫うように流れる川を下っていく。夏はさぞかし涼しげな感が得られるのだろう。天竜峡の散策はこれまで。
もも「アンタがお土産なんて珍しいこと。」
なぎ「とりあえず手の出せそうなの選んどくかみたいな?」
めぐ「…まだ早いかな?」
戻ってきた。次に乗るのも213系。豊橋から乗ってきた車両であることから、到着後に引き上げて隣に移動したものであろう。
17.天竜峡12:34発→飯田(13:03)13:06着 普通225M/茅野行き クモハ213-5011
後ろの、窓の大きいロング部に座ろうか。特急伊那路1号を先に発車させるとこちらも発車。ここからは列車本数が少し多くなり、以前よりワンマン運転を行っていた区間となる。
もも「これワンマンじゃないでしょ。」
さく「ワンマンじゃないし、ワンマンにできない。」
景色はこれまでと一変し、川沿いの開けた盆地となる。住宅地として造られたであろう区画はまだまだ空地が多い。パトカーが来ており、外でなにやらトラブルでもあったのだろうかと考える。
213系は制御装置も1世代は前のものが使われており、運転台も2ハンドル式。行先などもダイヤル操作らしく、やはり313系と比べると古さが否めない。相対式ホームを持つ時又で反対列車を待つが、少々遅れているとのこと。
もも「…景色見放題じゃないのよ。」
めぐ「まあ、この辺からの景色が好きだったり…?」
反対列車は313系1700番台の3両。上諏訪から豊橋まで、208.7kmもの距離をおよそ7時間かけて走破する兵だ。飯田行き特急の時刻は2007年当時から変わっており、現在は飯田から折り返すことができなくなった。こちらも3分ほど遅れる形で発車する。
伊那八幡も相対式ホームを持つ。このあたりに住んでいるのであれば特になんてことはないであろう景色も、低地に住む旅行班にとっては魅力的なもの。
下山村からは坂を上がるように回り込む。後ろを見渡すような眺めがいい。ある"予定"のため、この景色を見るのは往路だけになりそう…。
もうすぐ飯田。斜面と共にする住宅が多くなってきた。
さく「どうよ?こういうとこで…。」
めぐ「配るのはちょっと…、ってのあるけど。」
なぎ「坂道慣れしてないからダメってか?」
めぐ「まあ、こういう坂は気楽に上がるか下がるかで…。」
左側は山々が迫る。右側は崖から見下ろす形になっているのだが、木々などに阻まれると景色がよく見えなくなってしまう。
ほぼ各駅停車で4時間56分、飯田に到着。距離は129.3kmながら、線形が悪い分時間がかかっている。特急が乗り入れてくるのもここまでとなる。青空フリーの範囲もここまで。列車はそのまま茅野へ向かい、終着は16:32となる。豊橋から天竜峡をはさんで実に8時間22分同じ車両となる。
その213系。新規投入される315系が4両編成ないし8両編成なことから、3両以下で運用される飯田線へ315系を直接投入することはなさそう。おそらくは置き換えられた3両以下の313系によって、213系を置き換えるのだろう。
さて2007年に訪れた際は乗りたい列車を選んだことから、特に何かするわけでもなくそのまま引き返している。今回は何をしただろうか?
(つづく)