2015年5月23日(土)午前7時52分 愛知県豊橋市・豊橋駅
飯田線の発車案内は緑色の濃いLEDを採用していることから、かなり新しいものとしてよいだろう。2番線のそれはほかと比べて文字も小さい。東海道本線の案内システムが更新されたため、こちらの案内も変化が生じている。
さく「なんか無理やりだね。」
日本語表記。乗る予定の列車は船町と下地を通過するためそう書かれているが、小さいところに無理を強いて表記しているようにしか見えない。放送前のチャイムは無人駅などで使われるものとなり、退化した感もある。
もも「あれ、そうだっけ?」
さく「そうだよ、今まで東海道線とかと同じようなの使ってたし。」
3番線は名鉄が使用。こちらはホームの上に発車標が設けられていない。特急の花形とされた1000系パノラマスーパーは今後リニューアルされるため、この色の車両は早いうちに押さえたほうがいいのかもしれない。それにしても名鉄は豊橋で全列車が折り返し運行されるのに、全列車が"当駅止まり"と案内される。正直、違和感しか感じない。
そして乗車する213系が入ってきた。発車標には英語の"Train Approaching"もあわせて、下段にゆっくりと点滅して表記される。
なぎ「タイミングが合わなかったってか?」
めぐ「合わないよ。」
2.豊橋8:10発→天竜峡12:10着 普通511M/天竜峡行き クモハ213-5011
かつて165系の置き換えとして、関西線などに投入された片側2扉車両。ワンマン運転に対応しておらず、トイレもなかったことで活躍の場は限られていた。その後119系ワンマン非対応車両の置き換えとして、213系はトイレ設置などの改造を受け飯田線に転用された。
もも「…本当、座れりゃいいんだもん。」
さく「そりゃ座るよ、4時間乗るんだもん。」
登山用具と思しき大荷物を持った客など、車内は豊橋を出た時点で結構な混雑模様。最初の2駅は通過する。豊川までは1年半前のB-1豊川グランプリで往路だけ、復路を合わせると3年前に東北旅行のラストとして乗っている。その日のダイヤ改正をもって、これまで飯田線の主として君臨した119系が引退した。
めぐ「…こっちかな?個人的には119より。」
なぎ「あのボックスな…。」
ICカードが直接使えるのは豊川まで。ここからは単線となる。
もも「本番はここからって言いたいんじゃなくって?」
さく「…それ先言っちゃうかな?」
三河一宮は有人駅だったはずが、いつしか無人化されている。相対式ホームを持つ無人駅の長山で、折り返す列車も朝の1本だけある。次の江島は単式ホームしかない駅。線形も悪く、列車速度は遅い。
建物も少なくなり、すっかり田舎の風景。
さく「こういうの好きなんでしょ?」
なぎ「まあ…、そうなんだけどな。」
新城で反対列車を待つためそこそこ長めに停車。ここまではある程度本数がある。次の東新町は単式ホームながら窓口のあるような駅であった。ここから単式ホームが多くなる。
もも「そういやさっきから全然黙っちゃってさ。」
めぐ「…え?」
さく「写真撮ってるんだし、別に無理しなくたって…。」
もも「そういうもんなの?」
飯田線の茶臼山は『茶臼山高原』とまったく別の場所にある。辺りは家々が立ち並ぶ。
さく「名前だけちゃっかりもらおうだなんてさ、どこの横浜とか東京とかってないのかな?」
もも「やめなさいって。」
さく「景気のいいリッチピープルめ。」
もも「私も茶臼山なんとかというのも全然リッチじゃありません。」
なぎ「わからんぞ?中には金持ちだっているかもしれんし。」
道の駅『もっくる新城』。以前通りがかったときはオープンしたばかりであったためか混雑しており、スルーしている。今日は見たところ、駐車場に余裕が見られる様子。
さく「あ、行ったの?」
めぐ「まあ…、親と一緒に用事のついでと言うか…。」
なぎ「それで入れなかったから、パスしたと?」
もも「…原付買ってさ、自分で行ったら?」
当時、鋭意建設中だった新東名高速道路。当初予定では2015年の3月には開通していたものであった。それが諸事情あって1年ほど工事期間が延びており、2016年2月に開通した。インターは道の駅に隣接する形で設けられる。
めぐ「ま、どうせ原付じゃ高速通れないし。」
もも「…来る気ね。勝手にすりゃいいけど。」
新東名高速道路は従来より高規格に設計され、先に開通した静岡県内では出入口の"ランプウェイ"も立派な構造をなしていた。飯田線から見える高速の、本線はこっちだったか…。
めぐ「…これタイミング合わないね。」
もも「何もこう撮らなくたっていいのにさ。」
三河東郷、大海と幅の狭い島式ホームが続く。大海は実質的には相対式として機能している。入ってきたのは、1日1本しかないワンマン快速。だいぶ山間に入ってきた。
さく「何か話ない?」
なぎ「あ、一応あるんだけどいいか?」
(つづく)