2014年5月6日(火)午前11時 長野県塩尻市・中山道奈良井宿
6月に行われる漆器祭と宿場祭。今回は臨時列車に乗るため、予備日を"行楽の谷間であろう"6月8日に設定していた。どうりで7,8の2日だけ臨時があるわけだ。なお2020年と2021年は開催されず、2021年10月に秋の木曽漆器祭『漆芸の10月』が開催されている。
まき「6は平日ですし…、7は?」
めぐみ「もう予定入ってる。」
さくら「でも今日でよかったかもね、混みすぎてもアレだし。」
ももか「人がいないってのもアレでしょうに。平日の夕方で台風も来るとかじゃ…。」
なぎさ「もうやめてやれよ。」
めぐみ「…忘れそうになったらまた行きたいかも。」
宿場町で長年、生活を共にしてきた水場。
ももか「でもこれ…、飲んじゃアレよね?」
さくら「これって使うものじゃない?野菜とか洗ったりとか。」
なぎさ「神聖なものだったりして。」
もっと歩く。やはり観光地とあって土産物屋があり、漆塗り製品を見かける。いいものはあるのだが…。
たかし「金は?」
めぐみ「あんまりない。」
さくら「まあ、それより買っても今のをどうするかってことでしょ。」
ももか「…それで?」
めぐみ「…私いいけど。」
ももか「……。」
たかし「…俺が出せってか?」
勾配のある宿場町を歩く。今も住んでいる人はいる…。
ももか「そりゃそうでしょうよ、無人でやっていけるはずないもの。」
まき「というより…、観光客との共存じゃないですか?」
行燈の形も特徴的。夜になればやんわりと照らしてくれるだろう…。
線路に近い側に抜ける道がある。宿場町から少し外れると、山の景色がいい。
さくら「どう?なんか食べたそうだけど…。」
めぐみ「まだ早いかな?今日の朝、ご飯だったし。」
なぎさ「米だと"バッテリー"の持ちいいんだっけな。」
めぐみ「でもなんか…、こういうとこのって気になっちゃうのよ。」
ももか「それで…、なんか食べたいの?」
メインならまだしも、小物ならいいだろう。長野県の木曽地域は五平餅やおやきといったものが有名で、奈良井宿も観光客に向けてそういった店が見られる。
そして旅行班は…?
さくら「…ここにしようか。」
ももか「…なんか変なこと考えてない?」
たかし「いや…。」
中にはテレビのロケ(旅番組)で訪れた時の写真が飾られている。
さくら「しかしまあ結構名の知れたとこ当たるもの…。」
ももか「アンタらは単なる手抜きよ。」
(現)五平もち・みそ(てずから) 250円
2~3種類ある中から味噌味を選択。平べったい小判型で、手作りに偽りない優しい味わい。安心して美味しくいただいた。お茶は自由に飲んでいいらしいが…。
めぐみ「熱…。」
たかし「…いらないのか?」
めぐみ「いらないわけじゃないけど…、動いてきて熱いのよりは冷たいの欲しいかなって…。」
ももか「…単なる猫舌でしょうに。」
再び歩を進めると、やがて門らしきものが見えてきた。
なぎさ「そろそろトイレとか…。」
まき「入っときましょうよ。」
そして入ったのが、その名に偽りないヒノキ造りの『檜乃厠』。中に入るといい香りが漂っており、これも名産の木曽ヒノキで建てられたものだと思わせる。
郵便局はこの付近にあるという。周囲もなかなかの雰囲気を見せてくれる。少し遅く春の訪れを告げるように…。
さあ再び足を進めよう。宿場町には今も宿屋が軒を連ねる。
ももか「ネットカフェとかじゃなくって、たまにはこういうのとかあってもいいんじゃない?」
さくら「いいけど…、予約とかは?」
めぐみ「予約…、まあ今のところはいいかな?」
建物の色合いといい…。
ももか「…何もないなら別にスルーしてさ、ブログの容量だって抑えりゃそれでいいじゃないの。」
めぐみ「でもそういうわけにも…。」
たかし「写真ぐらい許してやれよ。」
やがてクランク状に折れる箇所に差し掛かる。『鍵の手』と呼ばれるものであり、犬山にもあったような…。
まき「見たんじゃないんですか?」
さくら「そこは一昨年見てない。」
めぐみ「6年ぐらい前…?」
犬山は城下町であるため、『鍵の手』があることで敵の侵入を妨げていた。旅行班はそのまま進み、特徴的な軒先が連なる街並みをまだまだ歩く。
木造建築が並ぶ中で1軒だけある石造りの建物。周りが木造建築で占められる中では浮いた感がどうしてもあるのだが、これも歴史を感じさせる。そういえばこの辺りって…?
めぐみ「…なんだっけ?」
路地も見ておこう。メインから1歩外れると趣がありながらも、静かで落ち着いた雰囲気。これもまた好きな風景である。
その先で宿場町から抜ける…?
さくら「終わるっぽい?」
めぐみ「境目とか…、どうなんだろうね。」
ももか「どうなんだろうねじゃないけど、わかんないなら…。」
なぎさ「そこから山道になるから、わかるはずだけどな…。」
視界が開けるので線路方向を見ると、結構駅から上ってきたことがわかる。奈良井宿はここまでとなり、ここから次の宿場まで山道を歩くことになる。
ももか「そんな気ないでしょ。」
めぐみ「そんな気ないけど。」
側溝を流れる水は不思議と透明感があり、流れる音もいい。
ももか「落ちないでよ?」
めぐみ「わかってるって。」
これまで歩いた道のりを高い位置から望む。標高は1000m近い…?
なぎさ「すっかり晴れてきたよな…。」
(つづく)