2016年1月13日(水)午前5時41分 愛知県豊田市・新豊田駅

 新豊田駅までのルートもよくわからなかった。ここまででも随分乗客が降りており、旅行班以外に乗務員含めて誰も乗り通さなかった中央ライナーなごや4号のことを考えてしまう。


48.東京駅八重洲口23:00発→名古屋駅新幹線口(7:59)7:37着 夜行ドリームとよた1号/名古屋駅行き 744-04991
 新豊田から通る国道155号は感じた限り、エアロキングにとって狭苦しい印象。その途中、八草駅にも停車。


 6時21分、尾張瀬戸駅に隣接するパルティせと。ここでは誰も降りずにそのまま通過。思えば4年前、知多シーガル4号に乗る日の午前。瀬戸やきそばを食べに来たものである。ここからの国道155号はさらに狭苦しい。


 6時29分、瀬戸市駅に来ると空が明るくなり始めた。他に乗客が残っていないかと思いきや、少数いるようだ。国道155号から外れ、ここからは名鉄瀬戸線に沿って進んでいく。


 6時38分。夜が明け、新しい住宅地を朝日が照らし始める。家々はほぼ2階建てで、高層建築物は全くと言っていいほど見られない。


 6時41分、尾張旭でも降りる客はいない。新興住宅地の最寄駅らしい、大きすぎない橋上駅とロータリー。そのまま元の道へ戻るわけではなく、踏切を通っていたドリームとよた1号。


 6時46分、名古屋まで14km。ここからは瀬戸街道を進み、最後の走りを見せていくエアロキング。


 6時51分、そろそろ人々が動き出す時間。マンションの灯りが、どことなく安心させてくれる印場駅付近。印場は正面のロータリーに入り、降りる客もないまま発車。次は終点、名古屋駅新幹線口…。


 6時58分、国道302号との交差に合わせて日の出を迎えた。名古屋市に入ったとはいえ、周辺はまだまだ住宅地。時折みられる中高層建築物も、ほぼ全てが集合住宅。


 6時59分。なだらかに下るような住宅地を見つつ、踏切をまたぐ。名鉄瀬戸線との交差は、これで3回目か。
なぎ「……?」
さく「…おはようさん。」
なぎ「…どれぐらいだ?」
さく「…名古屋市入ったぐらい?」


 7時6分。瓢箪山付近は古くからの住宅地なのか、生活道路が狭くなっている。県道番号は、61から15と推移してきている。もっとも、県道61号は重複したまま起終点を迎えるという。
もも「…なんかこそこそ変なこと。」
さく「…起きてた?」
もも「そりゃ…、あんな遅くに突っかかったりとかできないもん。シートベルトしっ放しだし。」
めぐ「景色見たいもん。」
もも「ほら…、結局それ。」


 7時8分、矢田川を渡る。緑化した堤防を見ると、どことなく落ち着くのはなぜだろう?角度によって、ナゴヤドームを入れることができる…。
もも「…せっかく札幌ドームも見たんだし、入れりゃいいのに。」


 7時12分、大曽根駅の前を通過。このあたりから道が広くなり、オフィスビルなどが見られることもあって都会の様相となる。さあ、いよいよラストスパート!


 国道19号に入るエアロキング。片側4車線のコンクリート舗装と、沿線の高層マンション。交通量も多くなってくる時間。
めぐ「…終わるんだよね。」
もも「あんなに気合入れて考えたのにね…。」
さく「…あっという間だったよ。」
なぎ「…終わるのか。」
さく「…寂しいんだ?」
なぎ「そりゃあな…、いろいろあったもんな。」


 7時19分、外堀通へ進路を変える。この通りは最初、中央ライナーなごや4号で交差した道。このまま直進し続けると、あま市を経て愛西市へとたどり着く道。都会の中を、通勤ラッシュの始まる市バスに交じって走る2階建てバスはなかなかシュール。


 7時22分、久屋大通公園まで来た。このペースで行くと、到着時間が結構早まりそう。思えばIC改札の入場ミスに始まるなど、出発段階からトラブルの連続だった今回の北海道旅行。


 7時27分、国道22号と交差。頭上は名古屋高速都心環状線が通っており、右は名古屋城外堀。3日目には防寒用具として貴重な戦力となるはずだった、ネックウォーマーを紛失。さらには無用心に持ち歩いた目覚まし時計も、5日目までに機能しなくなってしまう。


 7時31分、則武新町で名駅通と交差。東室蘭から函館まで座席にありつけず、デッキで過ごさざるを得なかったスーパー北斗。それでも、荷物と共に"無事に帰る"と約束した旅行班。ゴールまであと少し…。


 最後に、ドリームとよた1号の車内を改めて…。なかなか快適だった3列シートと、天井の低い2階席。乗り通した客は、ごく少数ながら他にもいた。ここまで利用したバスやJRと共に、ありがとうと…。


 午前7時37分。予定より22分早く、最初に出発した名古屋駅新幹線口に帰ってきた。同時刻に東京を発ったドリームなごや1号が定時であれば、それより88分遅い到着となる。

 なお2022年現在は夜行便の再編がなされ、経由地や座席を問わず原則として『ドリームなごや』に統一。かつての一般路線と同経路だったという『ドリームとよた』は廃止され、今回の経路は完全に消失している。
さく「…終わっちゃった。」
もも「本当、バカみたいに楽しいことは早く終わっちゃう。」
なぎ「じゃあ…。」
めぐ「…もうちょっとだけ。」

 小樽のホテルを出発したのが前日の朝8時。過去最大規模となった北海道旅行から、事故もなく帰ってきた。これを基準としても、到着が早まったことでまだ24時間経過していないのだ。そこで"壊れた目覚まし時計"の話…。
めぐ「…なきゃ困るんだよね。」
もも「…そういや景色見ながらこそこそやってたけど、店探してたってわけね?」

(つづく)