アラウンド・ザ・北海道2016

 2016年当時は北海道内に限らず、各所で外国人旅行客の姿があったもの。外国人向けガイドブックには日本人から見て"素っ頓狂な"場所が紹介されていたりと…、個人的に思った次第だ。そういう場所でこそ、"お・も・て・な・し"が行き届いているのだろう。


 東京駅で『北海道全線フリーきっぷ』を購入し、翌日からの5日間で北海道を周遊。そして実質の最終日、小樽から列車7本を乗り継いで東京駅に戻ることができた。


 フリー初日は大宮から新幹線に乗り、青函トンネルを経て函館市電。そのまま札幌へ向かって翌日、一気に日本最北端まで到達した。3日目は旭川から富良野を経て札幌観光。4日目は新千歳空港から釧路を越えて塘路、そのまま一気に戻って小樽へ。そして最終日の大移動となる。


 今回ここまで使用した『北海道全線フリーきっぷ』は、北海道新幹線開業と同時に廃止と。切符と共に北海道を回った、2016年1月の思い出。記録と共に永遠のモノ…。


 そこで今回は"おまけの回"。最終日に東京から名古屋まで、史実では予算の都合もあってバスで朝帰りとなっている。だが新幹線だったならば、当日中の帰還は可能ではないだろうか?当時の時刻表をもとに検証しよう。



A44.新青森16:38発→東京20:04着 新幹線はやぶさ28号/東京行き
 史実では盛岡から継投策を取ったところ、直接はやぶさのE5で帰ったらどうだったか。E2と異なる高級感ある内装と、可動式枕を備えた座席。最高320km/hで一気に南下し、雪多き新青森から3時間26分。東京には44分早く到着していた。

A45.東京21:23発→名古屋22:57着 新幹線のぞみ265号/新大阪行き
 東海道新幹線は『のぞみ』を中心に本数が多くも、夜間帯ともなれば本数も少ない。21時台が限界だろうが、それでも夕食会を開く余裕はあった。名古屋には23時前に到着し、そのまま解散とすれば大丈夫だったか。


44~47.新青森16:38発→東京20:48着 ※東北新幹線4本乗り継ぎ
 もっとも史実でも、東京着の差は44分。最終の東海道新幹線には十分間に合ってしまう。東京駅で夕食会を開けずとも、買い込んで新幹線車内で開けば十分だろう。

B48.東京22:00発→名古屋23:49着 新幹線ひかり539号/名古屋行き
 なお"真の最終"は東京駅を22時となる。この時間になってしまえば停車駅が多くとも、途中駅で『のぞみ』の待避をすることがない。名古屋駅を出る最終の各路線は、概ねこの新幹線最終便から接続するように組まれている。


 ということで結論、2016年1月時点で小樽から名古屋へ当日移動は可能だった。その後3月に新幹線が新函館北斗へ到達し、北海道内のダイヤはそれ以降も変化を続けている。では2022年3月改正以降、これを実行するならどうなるだろうか?(※以下、災害等による影響は考慮しない。)



C40.小樽8:18発→札幌8:57着 快速ニセコライナー3925D/札幌行き
 当時と同じ『ニセコライナー』でスタートしよう。小樽発は2分早まっており、札幌着が1分早く。合計では所要時間が1分増加している。ついでに蘭越始発であり、この間含む"山線"は廃止が取り沙汰されている。H100は他線区へ転用するとしても、このキハ201はどうなるだろうか?


C41.札幌9:38発→新函館北斗13:19着 特急北斗6号/函館行き
 該当する時間に『すずらん』がなかったため、直接『北斗』に乗り込むこととなる。乗り継ぎ時間は41分あるので何か買うなりするとして、札幌から乗ると3時間41分という長丁場。ここを逃すと大騒動は免れない。

 ついでに当時7両編成だったところ、現在は5両編成が基本。いくら自由席2両が変わらず、外国人観光客がおらずとも不安はぬぐえない。キハ261になれば座席が変わらないので、指定席を確保して乗るべきだろうか?



C42.新函館北斗13:39発→東京18:04着 新幹線はやぶさ32号/東京行き
 新幹線への乗り継ぎも20分しかない。こちらは全席指定なので、逆にスムーズといえばスムーズだろうかと。こちらも東京まで4時間25分という長丁場となる。仙台で"継投策"に出てもいいんだろうが、そもそも仙台を出てしまうと次はもう大宮だし。

 まあ札幌から稚内まで5時間越えを乗り切ったのだから、対処を間違えなければたぶん大丈夫。そのためにも札幌でしっかり食料と飲料を確保せねば。



C43.東京19:21発→名古屋20:56着 新幹線のぞみ105号/岡山行き
 東京まで来てしまえば、あとはもう本数の多い東海道新幹線。しっかり買い込むか、東京駅で(できるだけ量的に)豪勢な夕食会としよう。とりあえず2021年11月乗車分をあてはめてみた。


 それはそうとこの改正で『のぞみ』の運行順序も変わったらしく、新大阪行きだったところ岡山行きとなっている。もっとも乗ってしまえばN700Sか、これまでと同様のN700Aかぐらいの違いだけ。



「今回利用した『北海道全線フリーきっぷ』は新幹線開業で販売を終了し、後継商品の話も残念ながらありません。過去最大となる7日間の北海道旅行。今回こそ最終回となります。ここまでご覧頂きまして、ありがとうございました。」
(おわり)