2016年1月12日(火)午後7時15分 福島県福島市・福島駅
47.福島19:16発→東京20:48着 新幹線つばさ156号/東京行き E326-2006
旅行班は12号車の指定を受けており、今度は間違うことなく乗ることができた。他に乗る客はそれなりにいるようで、車内もだいたい半分ぐらい乗っているかと言う程度。指定された右側の席に座ったら、後は東京直行…。
車内はさくらんぼを連想させる赤色の座席が2列2列に並び、デッキ仕切り扉上には大型フルカラーLED表示機が採用されている。壁面だけでなく仕切り扉も木目調。天井周りは波型と言うかビードが入ったというか、そんな造作と共に間接照明風の白色蛍光灯が入っている。座席下にコンセントもあることから、E5やE6への過渡期らしい。
さく「まあ、ここは畳もうよ。」
めぐ「そうしようかな…。」
4本に区切った中では、乗車時間が最も長くなるつばさ156号。キャリーカートの分解も、今回の旅行ではおそらく最後となりそう。最高速度は275km/hで、はやぶさの320km/h運行開始とほぼ同時期に連結相手がE2になったことによるもの。以前は連結相手がE4だったことから、最高速度が240km/hに抑えられていた。
もも「これでようやくよ…。」
さく「でも、じっくり時間かけてるからよかったことない?」
もも「まあ…、そういえばそうね。」
さく「…寝たかったら寝ていいんだよ?後はこっちでやっとくからさ。」
ところで福島では下り線の、最も外側にある14番線から出発していた。これは山形方向への連絡線が本線とつながっていないためであり、連結相手となるE2は本線を2度またぐ形を強いられる。通過列車のために待避させる形となり、構内配線をより複雑なものとしている。(2016年当時)
めぐ「…これたぶん後付なのよ。先にあったのを邪魔しちゃいけないし。」
さく「通過あったもんね。」
これに対し盛岡では本線と連絡線がつながっており、外側の2線を用いることで双方とも連結に対応することができた。本線をまたぐのは秋田から来たE6で、1度だけで済む。通過列車がないため、構内配線もシンプルなもの。
さく「これは最初、盛岡が終点だったのを延ばしたのだからさ?」
めぐ「どうだったんだろうね…、昔。」
郡山に停車するE2とE3。盛岡から南では通過列車があり、構内が広く取られて規模を大きくしている。連結運転を行うために長く取られたホームには、かつてフル規格の16両が停車していた。
さく「100系みたいな2階建てだね。」
さて、旅行班が座ったのは右側。左側には出張帰りと思しき、ビジネスマンの上司と部下が酒を片手に座っている。そして2人ともパソコンを動かすのだが、役立つはずのコンセントを使っていない。使おうとしたところで座席下に1つしかないため、互いに遠慮しているのだろうか?
やまびこ156号とつばさ156号は宇都宮に停車し、意外なほど乗客がある。ここからは最高速度が240km/hとなる。出張帰りの部下が車内販売のウイスキーをロックで注文し、上司との会話はさらにヒートアップ。耳にするうち、手持ちの携帯端末に入っている音楽も流すのを忘れてしまう。
小山を通過し、次にある新幹線の駅は大宮…。
なぎ「…どうかしたか?」
めぐ「あ、もうちょっとで大宮なのかな?」
上越新幹線や北陸新幹線との合流点である、大宮まで戻ってきた。ここから最速列車に乗り込んだ往路に対し、ゆったりしたペースのまま乗り続ける復路。合わせて島式3面6線ながら、中央の1面2線は時間外なのか使われず消灯。ここからの最高速度は110km/hで、周辺の騒音対策のため在来線と変わらない速度となる。
なぎ「さあ、もうちょっとだからな。」
さく「…なに?」
めぐ「大宮。」
もも「…もう大宮?」
初日の夜に購入し、翌日からの5日間で北海道を周遊。日本最北端へも、釧路湿原にも。旅行班と行動を共にし、ここまで頑張ってくれた『北海道全線フリーきっぷ』の"かえり券"。別れのときは着実に近づいていた。
めぐ「本当…、いろいろあったね。」
もも「アンタがなくしたものとかさ。」
さく「…やっぱり寂しいの?」
なぎ「そりゃあな…、ここまで一緒だったもんな。」
とりあえずは荷物を降ろし、キャリーカートを組み立てたい。付属のゴムロープも、損傷を2箇所負いつつここまで耐えてきた。無事に家へ帰ると約束した旅行班と、持参した荷物類。そして約束のため、ここまで役割を果たしてくれた切符類…。
めぐ「…頑張ったよ。」
上野の地下ホームに停車。もう、本当にあと少し。東北新幹線のチャイムもあと1回だけ…。
めぐ「やっぱりこれぐらい時間かけたほうが、私合ってるのよ。」
なぎ「まあな…、行きは早すぎた。」
さく「とりあえず次あったら、盛岡まではゆっくり行こうよ。」
もも「…じゃあ私もアンタらと同意見にさせてもらうわ。」
福島から92分、仙台から124分。新青森から4時間10分、函館から6時間45分。そして東室蘭から9時間の、休みない移動はひとまず区切りを迎えた。最後に、E3の車内写真を収めておこう。
めぐ「…E6とコンビ組めそう。」
もも「単にタイミング逃したんじゃなくって?」
側面のフルカラーLEDに表記されるとおり、乗ってきた列車は点検後に引き上げていく。
さく「お疲れ…。」
なぎ「とりあえずな…。」
(つづく)