2016年1月12日(火)午後6時34分 仙台市青葉区・仙台駅
46.仙台18:44発→福島19:10着 新幹線やまびこ156号/東京行き E226-1407
E2の車内はどことなく前時代的で、ビジネスライクな感じ。デッキ仕切り扉上にあるLED表示機は小さく、壁面などは木目調なものの仕切り扉はグレー1色。普通車の照明も無機質な白色。座席はひたすら3列と2列が並ぶ。
なぎ「…空きまくりでいいんだよな?」
旅行班が指定されたのは右側。座席に可動式枕といったものはなく、リクライニングと座面スライドは別々のボタンによって動かす方式。E5に勝る点としては窓が大きく、景色を見るのには適していることか。
もも「あと、肘掛とかよくない?」
さく「そういえばそうだよね、しっかりしてる。」
新幹線新青森開業に合わせて投入された車両では、後にE5へ応用される座席下コンセントやドア上の大型フルカラーLED表示機が採用されている。さてこちらは、乗車時間が短いのでキャリーカートを畳むか畳まないか。
めぐ「…これ畳まなくていい?」
さく「いいと思うよ?乗ってこなければ。」
指定席で空席を多く残したまま発車。最高速度は275km/hで、気のせいかE5より揺れも大きい。そして車内の騒音も大きくなっている。
もも「…なんかさっきより速いかも。」
なぎ「…そうかもな。」
では先ほどの続きとして、今回適用させた2つのルールについて。
もも「まあね…、ひょっとしたら今回が初見の方だっていらっしゃるだろうし。」
めぐ「わかってるって。」
1つが『同一方向において改札を出ないで指定席を乗り継ぐ場合、1本の列車として料金を計算』というもの。新青森から東京まではやぶさ28号に乗り続けた場合、盛岡でこまち28号に移動してそのまま東京まで乗り続けた場合。さらにこの2パターンから、仙台ではやぶさ30号に乗り換える場合も料金は同一。全区間ではやぶさ料金が適用され、通常期は7200円となる。
さく「行きは直行だったから帰り工夫しようって。」
なぎ「らしいな。」
もう1つが『同一方向において改札を出ないではやぶさ・こまちとそれ以外の列車を乗り継ぐ場合、利用区間に応じて料金を加算』というもの。盛岡ではやぶさ28号からやまびこ54号に乗り換えたまま東京まで向く場合、さらに仙台でやまびこ220号に乗り換える場合。この2パターンははやぶさ乗車区間が新青森から盛岡となるため、通常期6690円となる。
もも「弁当1つ買えるわね。」
なぎ「やめろ。」
仙台ではやぶさ28号からやまびこ156号に乗り換える場合、はやぶさ乗車区間が新青森から仙台となるため通常期6900円となる。今回のように盛岡から仙台までこまち28号、福島からつばさ156号に移動しても料金は同じ。自由席区間が含まれても同様となる。
もも「それでわざわざ全部別々に指定とったわけね?」
めぐ「だって、そのままじゃ面白くないもん。」
白石蔵王に停車するE2。2面3線に通過線という、なかなかの規模を誇る駅。東北新幹線で需要が大きいのは首都圏と仙台の間であり、その多くも速達性を重んじるため途中駅の需要は小さい。乗らなかったのは納得といったところか。
さく「…狙ったよね?」
めぐ「ちょっと狙ってた。」
ともあれ、やはりE5は進化した車両であったということ。同じ日にE2へ乗車したことで、より強調される結果となった。
もも「それでまたもう1本と…。」
なぎ「次が最後だよな?」
デッキもメタリックやグレーといった配色で、ビジネスライクな印象は否めない。登場時は実用性重視で、雰囲気は後回しだったのだろう。それでも、やはり東北新幹線で高速運転を始めた立役者。敬意を表さねば。
さく「ま、ここはつなぎのようなもんだったし。」
福島では下り線の、最も外側にある線路に入る。やまびこ156号はここで6分停車し、山形から来るつばさ156号の連結を待つ。旅行班は乗り換えという形でつばさ156号の指定としたものの、盛岡と同じく正式には座席移動という形となる。
もも「…また見るの?」
めぐ「そりゃあね、せっかく見れるんだし。」
ここまで乗ってきたE2が、口を開けてスタンバイ。夜7時を回り、夕食が何になるか気になってくる頃合いか。
さく「…夜本当、何にしよう?」
なぎ「…東京に色々あるんだろ?」
つばさ156号として、E3が入ってきた。連結に備えて、同じく口を開けている。紫の目立つ車体E3は停止を繰り返し、ゆっくりとE2に接近。かつては濃淡2色のシルバーメタリックと、間に緑色の線が入っていたカラーリングを纏っていた。
連結方式は基本的に盛岡でのそれと変わりない。つばさ156号が乗降可能となるのは、連結終了後となる。ここからは連結した状態で、最高速度275km/hを出すこととなる。
さく「…前のほうが似合ってたんじゃないかな?」
めぐ「合わせてたんだよ、E2に。」
2面4線式に加えて、通過線のある福島。連結作業の間にも、320km/hになろうかというスピードで通過していく列車がある。あまりのスピードで間に合わない。
改めて、旅行班が乗り込む4本中の4本目となるつばさ156号。山形新幹線用のE3は、塗装変更の際にフェラーリのデザイナーが手掛けたもの。改良型の2000番台で、側面にもフルカラーLEDが採用されている。車体が在来線規格であるため、E6もそうだが隙間解消のためドア部分にステップが出てくる。
(つづく)