2016年1月12日(火)午後5時46分 岩手県盛岡市・盛岡駅
ここまで乗ってきたE5が、口を開けてスタンバイ。駅の外はすっかり夜の街で、夕食会や飲み会で賑わってくる頃合いか。青森にあった雪はすっかり見られない。
さく「…今回切符が悪いよ。外出てじゃじゃ麺とかもできないし。」
なぎ「じゃじゃ麺な…、あれ1回じゃどういうのが好みかわからんもんな。」
こまち28号として、E6が入ってきた。連結に備えて、同じく口を開けている。ここまでの在来線区間で雪が降っていたためか、赤色の車体に雪がかかっている。E6は停止を繰り返し、ゆっくりとE5に接近。
連結方式としては、"ホロ"がないことを除けば基本的に在来線と変わりない。こまち28号が乗降可能となるのは、連結終了後となる。ここからは連結した状態で、最高速度320km/hを出すこととなる。
さく「…考えたらすごいよね、2つくっつけて320出すんだもん。」
改めて、旅行班が乗り込む4本中の2本目となるこまち28号。秋田新幹線用のE6は、北陸新幹線用のE7と同じくフェラーリのデザイナーが手掛けたもの。東北新幹線内での高速運転向けとしてやはり先頭部が長くなっており、在来線区間では異彩を放つ。同区間を走る701系が平面顔とあれば尚更か。
もも「いいから、早く乗ったら?」
在来線規格とあって車体が小さく、車内は2列2列の座席が並ぶ。実った稲穂を連想させる黄色の座席はE5やE7と同じく可動式枕を備え、座席そのものもそれらよりも造りがしっかりしているような。そして日本家屋を連想させるように、壁面も濃いめの木目となっている。
なぎ「何号車だっけ?」
もも「…13号車だけど。」
さく「…もう1つ後ろじゃん。」
めぐ「…あ。」
45.盛岡17:50発→仙台18:29着 新幹線こまち28号/東京行き E625-9
13号車が指定されていたにもかかわらず、見誤って12号車の車内を撮影してしまったリーダー。在来線規格の車両がフル規格の車両と連結する場合、東京から見て常に前寄りとなるように連結される。このため、在来線規格の車両は11号車から割り振られている。その11号車はグリーン車。普通車は長くなった先頭部によって1両あたりの定員が減少したため、従来のE3より1両多い17号車までとなっている。
もも「これでまた楽しむ時間短くしちゃって…。」
めぐ「ごめんって。」
指定されたのは左側の座席。座った感じでは、リクライニングと共に座面がスライドするのはE5と同じ。頭部の張り出しといった造りはE5に勝るものの、在来線規格であることから座席間隔が狭くなっている。
めぐ「…こっちのほうがいいかも。」
なぎ「いいけど、ちょっと乗って降りるからな。」
座席下のコンセントはE5と同じ。照明は白色で、普通車でも電球色だったE5とは雰囲気を変えている。車内が比較的空いていること、1区間のみであることからキャリーカートは畳まない。
さすがに最高速度320km/hは速い。カメラで夜景を収めようとも、全く役に立たないようなもの。盛岡からは仙台まで停車しない。
もも「…この短いので本当、いいの?」
さく「いいでしょうよ、せっかく乗りたいって選んだんだし。」
めぐ「私がね…。」
なぎ「…案外生きるかもな。」
4年前、はやて96号としてE2に乗車した一ノ関も今日は通過。その前日には盛岡から田沢湖まで、こまち95号としてE3に乗車。いずれも現在は一線を退きつつあり、今日はまさしく"後継者にして進化系"に乗っている。
めぐ「あの時乗っててよかったよ、E2とか。」
さく「E2で…、次のだっけ?」
なぎ「時刻表…、グランクラスってないだろ?」
もも「あら、本当。」
4年前、実は2日違いでE5を逃していた。今回はE5に2度(しかも往路はほぼ全区間)乗っているので、足し合わせるとちょうどよくなったということ。E2も段階的に東北新幹線から撤退しており、代わりとして上越新幹線に進出している。秋田新幹線用のE3も、東北新幹線での運用を少数残すのみ。(最終的に全撤退は2020年となった。)
めぐ「アレ結局どうするんだろうね?」
もも「さあ…?」
車両基地を見てしばらくすると、仙台に着く。デッキは民家の廊下のようであり、まさしく和モダンな雰囲気。もう少しE6に乗っていたかったものの、指定の関係等からなくなく区切る形となった。
もも「アンタらがね…。」
なぎ「いいだろうよ、これから乗りたいとかあるってんだし。」
それから3年半が経ち、今度こそはとじっくり乗車。特に『やまびこ』『なすの』では該当する普通車が6両とも自由席となるため、ハードルが相対的に下がっているのだ。
さて仙台では旅行班と同じく降りる客が多いようで、もちろん仙台からの乗客もいる。そのまま乗り続けた場合、次に停車するのは大宮。往路共々、首都圏まであっという間である。
さく「さ、次はと…。」
次に乗り込むやまびこ156号は、かつて『はやて』として最速列車を担っていたE2。ここでは名実ともに、列車そのものを乗り換えという形となる。今回の復路では、ある2つのルールを適用させている。
もも「ま、そういうのは後でじっくり話しましょ。」
ここまで乗車したはやぶさ28号とこまち28号。連結しているE5とE6が発車。
めぐ「…やっぱタイミング合わないね。」
4本中の3本目として、指定を受けた8号車へ。この車両は改良型の1000番台で、ごく一般的だった3色LED。惜しくもE5に採用されるようなフルカラーLEDではなかった。
さく「別にそれぐらいいいでしょ。」
(つづく)