2016年1月12日(火)午前8時53分 札幌市西区・琴似駅
40.小樽8:20発→札幌8:58着 快速ニセコライナー3925D/札幌行き キハ201-302
琴似に停車すると少し降りて、また車内に乗ってくる。発車して少し走ると桑園を通過し、札沼線(学園都市線)と並走して札幌駅に到着。
めぐ「…最後まで本気じゃなかった。」
もも「アンタがこれ乗りたいって言ったんじゃないのよ。」
次に乗るのは、室蘭行きの特急すずらん。スーパーカムイと同じ電車特急で、これも785系か789系1000番台で運転される。階段を介する乗り換えとなり、自由席に座りたい以上は急いで乗り換えたい。
もも「そんな慌てなくたっていいんじゃない?」
なぎ「座れるだろ?」
41.札幌9:18発→東室蘭10:46着 特急すずらん2号/室蘭行き サハ788-1003
前日に南千歳で"ニアミス"した785系を狙うも、いたのは共通運用を組んでいた789系1000番台。念のため今回用いた『北海道全線フリーきっぷ』について、フリーエリア内で特急列車の普通車自由席に乗ることができる。慌てずとも、自由席には余裕があった。
めぐ「…あれ?」
なぎ「どうした?」
めぐ「間違ってサハ選んじゃったかも。」
もも「だから言ったでしょうに、慌てなくたっていいって。」
さく「まだ大丈夫じゃない?」
なぎ「言うそばから荷物片付けてるだろ。」
結局そのまま、乗客も増えることなく発車。北海道日本ハムファイターズ室内練習場や苗穂車両基地を横に見つつ、札幌を後にする旅行班…。
もも「逃してばっかり。」
めぐ「タイミングわかんないんだって。」
白石を通過した先までは函館本線と千歳線が平行し、複々線の様相を見せていた。ここから千歳線へと進むすずらん2号。函館へ向かう特急も、厳密に考えればここまで函館本線を逆向きに進んでいる。
さく「これ行きに話したかな?」
もも「行きって…、スーパーじゃない北斗よね?」
札幌から函館本線を、短区間ながら函館から遠ざかる形となる特急列車。白石から長万部まで、千歳線と室蘭本線を経由している。駅番号もこのルートで通し番号となる。
もも「…そうよ、アンタらと東室蘭で降りたのよ。」
函館本線は山岳地帯を進むため、距離が短いながらも所要時間を要する。一方で海沿いを進む室蘭本線と千歳線は、距離の長さに反して所要時間が短い。線形や地形の都合とはいえ、不思議なものである。
もも「ま、選んだのが誰か知らないけどさ…。」
めぐ「…はいはい。」
新札幌までは概ね都市部の路線とあり、周囲は市街地や住宅地。しかし札幌市を抜けると、景色は一転して原野のそれ。見る限りでは住宅など、人の営みは感じられない。ここから、景色が幾多の変化を遂げていく…。
さく「…かーらーの?」
なぎ「黙れ。」
北広島駅に近づくと、郊外らしい景色を見下ろす形となった。
めぐ「こういうのなんだよ。北海道って、人がいるかいないかで景色も全然違っちゃったりとか。」
もも「本当、こういうのは詳しいんだもの。」
サッポロビール庭園の周囲に人家は見当たらない。駅名の由来としてサッポロビール北海道工場があり、ビールと共にジンギスカンを味わえるレストランもあるという。座った位置からは反対側であった。
さく「ってかさ、ビールとか飲むのカットした?」
めぐ「私、あんまり飲まないもん。」
千歳、南千歳と停車していく789系1000番台。空港行き線路と石勝線がそれぞれ分かれ、こちらは建物が少なくなり農地の広がる景色となる。
なぎ「…そういえばだけど、ジンギスカンはどうなんだ?」
もも「どうせアレでしょ、予算オーバーだとかなにかとつけてさ。」
沼ノ端で、岩見沢から追分を経た室蘭本線と合流。港が近いことから、貨物倉庫や工場が多く見られるようになる。苫小牧駅の手前では日高本線も並走。途中で寸断状態にあるため、鵡川でバスに乗り換えなくてはならない。
めぐ「…なさそうかな?」
さく「そうあきらめなさんな。」
苫小牧で普通に乗り換える予定を組み込んだのは、客車改造車両であるキハ143を狙うためであった。実際は往路で既に乗ってしまったので、わざわざ乗り換える必要もない。そして車両も、キハ40の単行運転であった。
もも「ホットシェフとか言わなかったっけ?」
めぐ「東室蘭のセイコーマートにあるっぽくって。」
青葉から糸井にかけ、少々変わった長屋らしき建物が並んでいる。平屋建てが多く、所々2階建てが見られるもの。これはどういった用途があったのだろうか?
さく「パス。」
もも「パス。」
なぎ「…わからん。」
そこから海沿いの国道36号と共に、直線を並走する形で進む。最高速度はやはり120km/h。雪が少なくなってきており、この変化も魅力というのか…?
なぎ「…予算投じた消費だからって、あんまり無理するなよ。」
白老を前にして国道は左にカーブしていく。そして牧場らしきところに、馬が現れた。後で調べると『白老ファーム』という、競走馬の生産牧場とのこと。前日に追分付近で見た『追分ファーム』ともつながりがあるという。
めぐ「…右もいい?」
もも「いいんじゃない?どうせ乗ってこないんだし。」
右側の景色も見てみよう。周囲には雪が見られないながらも、遠くに連なる山々が雪をかぶっているのははっきりとわかる。標高が高く雲隠れの様相というと、雪が降っているということか…。
さく「どう?うまく写った?」
めぐ「たぶん大丈夫。」
(つづく)