「相変わらず考え事に断えません。ということで今月もやります。」
(1)185系改造『国土交通省ガイドライン準拠用在来線車椅子席モックアップ』
新幹線に続いて在来線の特急列車でも車いす用のスペースを大幅に増やすよう、国土交通省は基準を見直すこととした。
先に基準を見直した新幹線では、窓側を含めたまとまった区画が車いす席として確保。在来線でもこれが概ね準拠されるという。もっとも座席数や各種設備面で制約も配慮されると…。
そこで廃車予定となる185系電車を活用し、新しいガイドラインに準拠した在来線特急用の"モックアップ"を用意してくれればと。新規製造される在来線特急車両は、特に普通車両の客室設備で"お手本"となろう。
こうして改造される185系。車椅子席や荷物置場など、大まかな配置はガイドラインに準拠。一方で"モックアップ"に徹するため、座席配置や各種諸設備はそのままとしよう。防犯カメラのみ、改造設置例として取り付けてもよい。
ところがどういうわけかペイント3Dにて白く全面塗装され、特急マークやヘッドマーク類も撤去している。これにはもう1つ、隠された目的があったりするのだ…。
(つづく)
(2)185系改造『Moonlight Express 銀河Jr.』
首都圏地方で特急列車として活躍した185系電車。現在でこそリクライニングシートに換装されたものの、登場当初は転換式クロスシートを搭載。当時の実態は関西地区で『新快速』向けに登場した、117系電車とほぼ変わらなかったりする。
それこそ、片開きドアとデッキを有するキハ48。両開きドアを有してデッキを有さないキハ47、この違いでしかなかったり。以降の経緯は割愛するとして、185系の定期運用は2021年3月改正で終了。一方で117系は現在も定期運用を持つ。
それだけでない。2020年からは6両編成1本が大改造され、長距離列車『WEST EXPRESS 銀河』として爆誕。京都や大阪から、出雲市,下関,新宮へと足を延ばす。運行時期によって運行区間、夜行や昼行など運用を変えているのも特徴だ。
そして…、悪戯心が働いた。
首都圏で廃車となる185系をも活用し、兄弟姉妹に仕立て上げようと企てる。前述のとおり117系とほぼ変わらない形状であり、事実185系は117系をベースに開発されたという。登場そのものは117系が先だ。
117系と異なり、コンセプトは『古き良き長距離列車』。前述の"国土交通省ガイドライン準拠用在来線車椅子席モックアップ"を活用し、改造内容を最小限にとどめて工期も短縮。走行機器類を共通化する目的…、部品取りも含めて可能な限り"強奪"。
そのため座席は185系のリクライニングシートそのものとなる。車内のWi-fiは設置していいだろうが、個別電源コンセントは難しい。
運行区間は117系『WEST EXPRESS 銀河』と共通。京都や大阪から、出雲市,下関,新宮へと足を延ばす。運行時期によって運行区間、夜行や昼行など運用を変えるの同様だ。117系が運行されない時期に、同一ダイヤで設定区間を走行させるとよさそう。
種別は『特急』となり、原則として特急券類は旅行商品として扱われることだろう。それこそ『WEST EXPRESS 銀河』と同じく、沿線の方々が出迎えてくれると嬉しい。
今後の夜行移動手段として、選択肢に加えられるか…?
(おわり)