2016年1月11日(月)午前8時30分 北海道千歳市・南千歳駅

 これから乗るスーパーとかち用のキハ261系が入ってきた。JR北海道において側面のLED行先表示が乱れているのも目立つ中、この車両は乱れていないばかりか緑色が濃い…。
めぐ「…あれ、新車!?」
なぎ「慌てるな。」


 反対側、同時にキハ40(JR北海道標準色、1両)の千歳行きが入線。この普通は夕張始発らしく、本数が少ない新夕張~夕張間において貴重な1本であった。
さく「乗ってよ。」
めぐ「ちょっと、タイミング…。」



32.南千歳8:30発→帯広10:45着 特急スーパーとかち1号/帯広行き キハ261-1206
 特急の自由席は5両中の最後尾、5号車の1両だけ。12月に運転を開始したばかりの新車であり、車内はLED照明が採用されている。そればかりか自由席専用車両にも拘らず、指定席用のグレードアップ座席を搭載。中途半端に空席が見られる。
さく「適当ってわけでもないし…。」
もも「…まあ2人ずつ分かれりゃいいんじゃない?」


 石勝線に入ったキハ261系1000番台の新車。次の追分まで通過駅がないながらも、この1駅が長い。
さく「あっという間にこうだよ。」
めぐ「そうかな?南千歳って空港ぐらいしかなかったし。」

 追分で室蘭本線と接続し、運用される中には日高本線用のキハ40も見られる。ここで降りる客がいるようで、また座席が空く。
もも「はい、一緒になりました。」
なぎ「結局この面々が一番いいんだと。」


 外は次第に雪深くなる。駅や信号場などにある分岐ポイントには、雪よけのために屋根が架けられている。これは新幹線区間となる津軽今別(奥津軽いまべつ)でも見られたもの。
さく「…またタイミング?」


 そしてやはり車内はこれまでと同様の自動放送が流れる。特急列車であることから次の停車駅までの距離や、FM北海道(AIR-G’)の電波を受信して『見えるラジオ』と称したニュースが車内LEDで流れる。
めぐ「あれって馬の…、なんていうかな?」
もも「養成所とかそういうのじゃなくって?」
さく「…養成所でいいんじゃない?」
なぎ「養成所とかもだけど…、逃してばっかだな。」


 滝ノ下信号場に差し掛かるスーパーとかち1号。石勝線は駅数の少ない単線で、特急列車の本数が多いことから所々に信号場が設けられている。この周囲に人家などは見当たらない。
なぎ「…宗谷本線ってどうだったんだ?」
さく「宗谷本線は特急が3往復ぐらいだから、こういうのなくたってやっていけたんじゃないかな?」
もも「同じキハ261だから比べたくなったってわけじゃないよね?」


 30分で新夕張に着くキハ261系1000番台。ここからは普通や快速の運行がなく、特急列車しか運行されていない区間。一方で夕張へは特急列車の運行がなく、普通も運転本数が少ないまま2019年3月末に廃止された。
めぐ「ここからがね…。」
もも「いい加減さ、アンタの本番はどこからよ?」


 このため新夕張から新得までは、乗車券や青春18きっぷだけでこの区間は特急の自由席へ乗車できる。かつて炭鉱で栄えた夕張市は衰退が進み、今ではメロン以外に思い当たるものがない。
めぐ「修学旅行だとこの辺で休憩って形だったのかな?」
さく「あ、そうなんだ?」
めぐ「最後の日に札幌まで行くことになってて。」
もも「それで札幌70分しかなかったから、最後ちょっと遅れたのよね。」


 札幌方向から新得までの短絡線として建設されただけあって、単線ながら線形の良い石勝線。そのためかトンネルが多い。トンネルを抜けると、牧場のようなところへ出てきた。
さく「あの時って高速道路とか、まだ開通してなかったんだよね?」
めぐ「そうそう。それで日勝峠って通ったんだけど…。」
もも「本当…、そういうのは覚えてるんだもの。」


 占冠まで10km。道東自動車道が開通し、道東と札幌が高速道路でつながったのは2011年のこと。周囲に人家はない。
さく「今だったらもう、峠越えずに高速だけで行けるようになって。」
めぐ「…札幌観光ももうちょっとできたかなって。」
もも「無駄よ、無駄。アンタなんかどうせ計画もロクに立てないんだから、何もなしで終わったわよ。」
なぎ「わかんらんぞ?」


 占冠に停車。ここでは車内外に動きはない様子。
めぐ「…タイミング間違ったかも。」
なぎ「間違うな。」


 占冠パーキング付近。高速道路も直線が多く、線形がいい。
さく「…それでだけど、景色ってどうだった?」
めぐ「…結構よかったよ。」
もも「聞いても無駄よ。見るものったら道路ばっかりだもん。」
めぐ「道路ばっかりじゃないよ?周りの景色も見たもん、色々。」


 雪が多い極寒地の山岳路線であるため、信号所などポイントには豪華な屋根が掛けられている。大事なことなので写真を入れると共に、文言を繰り返しておいた。
もも「やーねーって言うのなし。」
さく「…別に言うつもりなかったけど。」
なぎ「…真っ暗。」


 JRの信号場にて、高速道路や一般道路とも並走する。道路はいずれも片側1車線対面通行で、路面状態も決していいとは言えない。特に冬場は路面凍結で、通行も苦しいはず。
なぎ「とりあえず、冬じゃないんだろ?」
めぐ「秋の…、ちょっと寒くなりそうなぐらい。」
もも「これ、修学旅行の話よね?」
さく「…途切れるからわかんないと思うよ。」


 トマムで多くの客が下車していった。

(つづく)