2016年1月10日(日)午後3時41分 札幌市豊平区・札幌ドーム

 ドームの内側に戻ろう。展望台にある扉からは、点検用の通路が天井へ向かって伸びている。点検作業員は展望台よりも、さらに高い位置に上がることとなる。
なぎ「…無理。」
めぐ「…私も。」


 眼下に広がるスタンドとグラウンド。そして突き出し、吊り下げられるように楕円柱の展望台。
もも「考えたらよく出来てるわよね…、コレ。」
さく「結構コワいよ。」


 2002年サッカーワールドカップの会場となって以降、日本代表の試合でも何試合か用いられている。代表選手のサインが入ったユニフォームとボールが、2012年と2014年に分けて展望台に飾られている。
めぐ「代表戦どころかサッカーが疎遠だし。」
もも「身もフタもないこと言わないでちょうだい。」


 反対側は野球の展示。2013年オールスターゲーム出場選手のサインボールは、ポジション別に並べられている。
めぐ「…これぐらいかな?」
さく「もう帰るの?」
めぐ「他に見たいとこっていうか…。」


 展望台からの"帰り"も、空中エスカレーターを乗り継ぐこととなる。上りエスカレーターとはやや離れるようで、その姿を見ながら下っている。
なぎ「見えないってか?」
もも「別に?」


 これもまた天井と壁がガラス張りになっており、さらに青い照明が近未来的な雰囲気を出す。遠くから見た限りでは下りのほうが急に見えたものの、見る角度の違いでしかなかったのだろうか。
さく「さあ…、どうかな?」
なぎ「聞くな。」


 最後のエスカレーターは天井や壁がないもの。下りきったところで展望台見学は終わり。


 通路の"切れ間"から、下の階にあるコンコースを見ることができた。見たところ人が見当たらないことから、今日は開放されていなかったのだろう。
なぎ「…落とすなよ?」
めぐ「落とさないよ?」
もも「何、この意味のない場面。」


 スコアボートとして機能する映像装置を、裏側から見ることができる。レフト側の装置は2015年に設置されたもので、ライト側にあったものも同時に更新されている。裏側から見れば無機質で殺風景な銀色の物体でしかない。
さく「…裏から見ても面白くなかったと。」
もも「裏から見るのだって…、ここぐらいじゃない?」


 札幌ドームの外…。
めぐ「…ごめん、もう1回。」


 改めて、札幌ドームの外にあるサッカー用フィールド。本体と隣接するようにステージがあり、"サッカーモード"に転換する際は天然芝のフィールドを運び入れるというもの。冬の時期は雪をかぶっているため、使われない。
さく「…これも単独で使えたりとか?」
なぎ「…できるのか?」
さく「わかんないけど。」


 その先はキッズパークとなっており、イベントのない日は子供が無料で遊べるようになっている。その横にあるエレベーターが使えるかわからないので、ここで引き返そう。
めぐ「あんまり変なとこ見られてもアレだし。」
もも「変なことしてばっかよ、この面子と10年ぐらい。」


 最後に、もう一度全景を眺めてみる。スタンドの一般席はナゴヤドーム内野席と同じタイプで統一され、カラーリングもダークグレー1色。ただ、せっかく来た以上は座ってみたかった。
さく「…別によかったんじゃなくって?」
もも「いいんじゃないの?欲望より人の目線気にしたってんだし。」


 こうして3階からエレベーターで直接、1階の総合案内所におりてきた旅行班。そのまま外に出ると、やはり寒かった…。
さく「あ、そうだった。」
なぎ「中暖かかったからな…。」


 敷地内には美術作品がいくつかある。これは…?
めぐ「…なんだっけ?」
もも「わかんないならさっさと…。」


 

 

 ということで、札幌ドームを後にした旅行班。やはり"クリア"とみなすには、試合観戦したいものだと改めてわかったと実感。その後2023年から新球場へ移転すると発表も、札幌ドームで"1試合でも行うのか"という処遇が発表されていない。そのため、2022年に行かねばならなくなってしまった。


 帰りは左側の歩道を下る形となる。日も傾いてきており、暗くなる中で寒くなってきた。
さく「…自動ドア多いよね。」
なぎ「…多いな。」
さく「やっぱり寒いから外だと…。」
なぎ「…わかってることを。」
さく「だって自動ドア多いもん。それこそ南千歳から…。」
なぎ「あったなホームに。」

 駅への"復路"も同様、歩道には滑り止め用と思しき砂が撒かれている。雪に混じった黒胡椒粒のような砂は、効果を保持し続けているのかわからない。
めぐ「なんか、雪っぽさが汚くなっちゃったっていうかな…?」
もも「その、アンタの靴底。接着剤なくて痛い目…。」
さく「いいじゃん、結果論。」


 15分ほど歩いて福住駅に戻ってきた。往路と同じ3番出入口で、ファイターズとコンサドーレの応援を感謝される。
もも「アウェーなのに…。」
めぐ「本当…、不思議と手薄で。」

 混雑とは無縁なこの日、帰りの乗車券は帰るときに買っても大丈夫。そもそも旅行班が持っているのは、1日乗車フリーとなる『ドニチカキップ』。7分間隔ということで、余裕を持って乗り込もう。



24.福住16:27発→大通16:38着 栄町行き 7215
 来たのは古いタイプ。座席はバケット化されていないようだ。車端部に仕切り扉はなく、六角形状の開口がある。同じく専用席が青系モケットで区別され、座席上に荷物棚はない。加えてこのタイプ。壁面が薄青いばかりか、北海道らしい模様が入っていた。
さく「…眠くなりそう。」
もも「…寝れないわよ?」

(つづく)