2016年1月10日(日)午前10時33分 北海道上川郡~空知郡・富良野線
19.旭川9:34発→富良野10:53着 普通727D/富良野行き キハ150-4
また、なだらかな丘が視界に入る。初夏の時期になれば、花々が美しく咲いているという風景が広がっているのだろうか…。
さく「あ、ラベンダーの?」
もも「じゃあ次あるなら、そういう時期にしてもらおうかしらね。」
上富良野では乗降客が少しずつ。ところで一昨日のキハ143から、JR北海道のワンマン気動車ではドア閉めの際に独特のチャイムが流れる。後付らしいこの音が結構大きい。
座っている側からも眺めておきたい。夏の時期に見られる風景は、今後の希望と期待ということで…。
さく「……。」
なぎ「…何さ?」
さく「…こしあんは直接食べちゃダメだよね?」
もも「…こしあんなんて、買ってないわよ?」
なぎ「いや…、前座ってる人。」
もも「…あれはない。」
冬の時期は雪原の中に建物がポツポツあるようなもの。そこへ、周囲から明らかに浮いた建物が1つ。あれはリゾートホテル?
もも「アンタらにああいうとこなんか…。」
めぐ「ないよ?」
鹿討はホーム1面だけで待合室も見当たらず、それ以前にホームの長さが足りていない。
めぐ「…なんかこういうとこネットで見たことあって。」
もも「こういうのね…。」
学田でも同じく足りていない。造りとしては国鉄時代に存在した仮乗降場のようなもので、板張りの短い単式ホームなど他駅に比べて貧相に見えてしまう。宗谷本線で昨夜普通が通過した駅は、これらを起源としているものが多いとか…。
根室本線が合流すると、もうすぐ富良野。全長54.8kmの走破に79分かかっており、長いのか短いのかわからない。
さく「いや、結構あったよ?」
なぎ「…それよりこのアウェーから解放してくれ。」
このまま乗り込む計画もあった"最長普通列車"はキハ40の2両で、専用の"サボ"が差し込まれている。
もも「…有名どころだからって、できるだけ座れるようにって考えてたでしょ。」
めぐ「そりゃあね…。」
国鉄から引き継がれてきたキハ40と、JR北海道のキハ150が並んで停車中。前者は国鉄設計とあって、やはり重厚感があって頑丈な造り。後者は軽くしつつ、できるだけ頑丈な造りにした様子。キハ150がJR世代の他形式と異なるのは、キハ40との連結運転が可能なことである。
富良野駅の待合室は駅舎にある。2面4線式のホームはいずれも駅舎と直結しておらず、エレベーター類もないため階段を使わなくてはならない。旅行班は大きな荷物を持ち歩いているため、握力も鍛えられるほどに労力を要する。
めぐ「はい、どうもすいません。」
もも「ってか、そもそもアンタ何もしてないし。」
待合室は改札の外にある。そこからもう1度"最長普通列車"を見てみよう。滝川9:36発から釧路18:03着まで、308.4kmを8時間半弱かけて走破する普通。朝出て夕方まで1日費やす中、通過駅は1つもない。
富良野駅は駅舎に面したホームがなく、そのためか1番線が欠番となっている。そこに停車しているのが、北海道内の貨物輸送に特化しているDF200ディーゼル機関車。エンジンを用いて発電する電気式とされ、インバーター制御によって大出力化が実現した。
もも「…それも?」
さく「せっかくじゃん。いつこうやって撮れるかわかんないし。」
そして歓迎の立札には、英語と共に中国語での表記もある。ここから奥へは立ち入り禁止なので、先ほどの2枚もその手前から撮影した。
さく「本当、さっきも日本人っぽくないもん。」
なぎ「…とりあえず中入るか。」
(現)富良野地区限定とうきびチョコ 16本入り648円
今回は元から富良野で観光する予定などなかったもの。待合室で何かすることがあるわけでもなく、売店で目に入った土産物をなんとなく購入。"地区限定"と入ってしまっては、手を出しても仕方がない。
もも「アンタにしちゃ珍しい、昨日に続いてお土産なんて…。」
キャリーカートに"連結"した荷物の中に貴重品は入っていないので、待合室に置いたまま外に出る。
さく「そうそう、いつものことを忘れずに。」
めぐ「それと、あの駅名標?なんかいい感じ。」
その隣を見ると、木の外壁がそそられる立派な建物があった。入口は自動ドアで仕切られ、手前の看板には『ポッポブリッジ』なる表記も…。
さく「入ってみたら?」
もも「アンタらこういうの好きそうじゃない。」
入ってみると、木の内壁が温かみを感じさせる空間。階段が回り込むようにあり、エレベーターもある。これは線路の上にかかる歩道橋だったのだ。
めぐ「なんか…、いいよね。」
さく「…いいけど、他は?」
駅前のロータリーから各地へはバスが出ているようで、周辺地域の散策などにも使うことになりそう。今日は時間がないので、見るだけで終わる旅行班。
もも「…それで?」
めぐ「…今後の期待と希望。」
なぎ「いいのか?」
もう一方の"隣"は観光案内所となっており、軽く目を通して終了。富良野での滞在時間は36分とあって、元から観光は不可能だと割り切っていたもの。実際には両列車への乗り降りと、その待ち時間でほぼ消化してしまう。
とりあえず待合室へキャリーカートを取りに戻り、そのまま待つこととなった。富良野や美瑛の観光等は、今後夏場に選択肢としておこう。
もも「…なんか嬉しそうね。」
めぐ「次乗る快速って言うかな…?」
(つづく)