2016年1月9日(土)午後6時25分 北海道天塩郡幌延町・幌延駅
自動販売機で、北海道限定ドリンクを購入。車内は暖房が効いているので、冷たいものでもおいしく…。
もも「いや、だから?」
めぐ「飲んだ感想?」
(現)い・ろ・は・す・ハスカップ(コカ・コーラ) 130円
物産展でも見かけた"ハスカップ"味。飲んでみるとぶどうの味に似ているようだが、ぶどうではない。結局、その実態はよくわからないまま終わる。
めぐ「まあ、見かけたら買ってみるってとこかな?」
さく「アレだよ、後で調べたらっていう…。」
(現)ジョージア北海道ミルクコーヒー(コカ・コーラ) 140円
牛乳が濃く感じられ、甘みが強い。まさしく"ミルクコーヒー"だ。
もも「アンタ、ブラックダメなの?」
めぐ「ブラックあんまり飲まない。」
なぎ「…ふふ。」
さく「好きなんだ?」
なぎ「悪いか。」
17-1.稚内17:08発→幌延18:15着 普通4336D/名寄行き キハ54 506
17-2.幌延18:39発→名寄(20:58)21:15着 普通4338D/名寄行き キハ54 506
この普通は幌延での停車時間をはさんで、列車番号も変わる。他に1人乗り込んだところで発車時間となり、幌延を発車。外は寒さ厳しく、中は程寂しく。キハ54は南に進んでいく。
なぎ「さっき寒かったよな?」
めぐ「寒かったけど…。」
各駅に停車していた普通は幌延を出ると一転し、快速と称していいほど停車駅が少なくなる。途中駅での利用が本当に少ないためだ。乗り込んだ客は問寒別で降りていった。
さく「…アレもう1回探してみたら?」
もも「あ、そういや。ネックウォーマーないって、さっき言ってたじゃないの。」
今回、寒さに備えて準備していたはずのネックウォーマー。フードの上から着ける事で、本格的な防寒着でなくともある程度耐えられると考えていたのだ。
めぐ「…入ってない。」
さく「大きいのは?」
もも「ひょっとしたら、そっちあるかもしれないじゃない。」
とりあえずキャリーカートは折りたたまず、荷物を"分解"してみるとする。黒いバッグと、赤いボストンバッグ…。
めぐ「…やっぱり、ない。」
もも「…ってか、重ね履きの靴下あるのにどうしてないのよ?」
なくした場所に心当たりがなかったわけではない。荷物を一度整理した、札幌のネットカフェである。場合によっては、東京の銭湯にある休憩室かもしれない。
さく「どういったのを持って?」
めぐ「まあ…、グレーの。モコモコしすぎてなくて…。」
ネックウォーマー自体は確かに安価なものかもしれない。それでも触り心地といい、手にしたときは上質に思えるほど気に入ったものであった。
もも「別にさ?」
なぎ「…待て。」
めぐ「思い出…。いっぱい…、作ろうって…。」
旅先で思い出を作り、旅行先から無事に帰る。それは旅行班だけでなく、持参した手荷物も本来同じなはず。ところがその1つ、ネックウォーマーは役目を果たすことなく消えてしまったのだ。
めぐ「…みんな、ごめん。」
さく「大丈夫だって、残ったもので…。」
もも「だからって泣くほどのこと?」
なぎ「いや、他にもあるからなんだろ…?」
もちろんなくした張本人であり、自らに非があることを認めている。これまでの行動からしてもリーダーの器に値しなかったことは、誰よりわかっていた。結局失ったものが安価な防寒用具であり、ある意味教訓になったと捉えるのが正論だろう…。
もも「…ま、今回だって考えたりとか。予約とかもやってくれたんだし。」
さく「そうだよね?それに…。」
めぐ「わかってるもん…、貴重品とかじゃなくってよかったとか。」
なぎ「…キャラメル食べるか?」
宗谷岬で購入した『北海道十勝牛乳キャラメル』。食べてみると、確かに牛乳の風味が濃い。
めぐ「おいしいよ…、すっごく。」
なぎ「それはよかった…。」
もも「何、アンタまで…?」
そんなこんなで、ほぼ旅行班が占有していたキハ54。問寒別で1人いた乗客が降りて以降、天塩中川で1人が乗車した程度である。これでは途中の小さな駅々に細かく停車しても、需要は尚更ないだろう。ついでに、客室内用の防犯カメラもあった。
音威子府で4分停車。とりあえず、往路で逃した駅舎の写真をホーム越しに捉えることはできた。仮に停車時間が十分にあったとしても、この時間ではそば屋も閉店。そのまま発車を迎える。
めぐ「…することなくなっちゃった。」
さく「…寝たら?」
名寄まで残りおよそ1時間、相変わらずほとんど車内を旅行班が占有している状態のキハ54。流れと揺れに合わせて、誘われるように眠るだけ…。
もも「昨日と同じよ…。」
目が覚めたところで、ふらりと後方デッキへ向かう。暖房の強い客室内と比べて低温であるため、気分転換には好ましい環境。美深では反対の特急(スーパー宗谷3号)が遅れていたため、6分停車するとのこと。
北海道のキハ54にあるトイレは出入口の幅が狭いながらも、特急列車並みの立派な洋式便器を備えている。水流方式は青く濁った水が勢いよく流れたことから、循環式と考えられる。
なぎ「…どうした?」
めぐ「ちょっとね…、トイレ入ってもいいけど。」
なぎ「…ああ。」
なんやかんやで、17分もの遅れが生じた名寄行き。通常であれば既に到着時刻となっており、名寄で待ち時間の使い道に困る頃合だろうかと。
さく「…パンいつ食べようか?」
もも「…ちょうど戻ってきたし。」
めぐ「…今ぐらいかな?ちょうど減ったぐらいだし。」
(つづく)