2016年1月9日(土)午後0時56分 北海道稚内市・稚内駅

 ここまで乗車してきたキハ261系。キハ283系のような振り子装置ではなく、比較して簡易的な名鉄ミュースカイのような空気バネ式装置を採用。スピードアップ効果と費用面を両立し、宗谷本線での特急運用に見合ったものとなっていた。実際は札幌から名寄まで最高速度130km/hのところを120km/hに引き下げられ、引き下げと同時に車体傾斜装置も使用停止となっている。ドア部分に入っている黄色がアクセント。
さく「…何ていうか。」
めぐ「こういうのは帰ってから改めて見て、それからだと思うの。」



(現)コインロッカー・大 500円
 新しくなった稚内駅で、まずは大きな荷物を預けることになる。コインロッカーは荷物の"分解"を経て、中ロッカーに入らないことから大きいものへ入れる。
もも「場所覚えてよ?」
なぎ「いや、忘れないようにしてるんだろ。」


 中からも、先ほどまで乗車したキハ261系を見る。窓が角ばって見えるのは、登場後に窓を強化するために上からポリカーボネート板を設けたため。スーパー宗谷1号として到着後はそのまま折り返すのではなく、一旦南稚内まで回送されるという。



(現)宗谷バス天北宗谷岬線:稚内駅前~宗谷岬 往復2500円
 続いて、稚内駅と同じ建物に入っているバスターミナルの窓口へ。ここで往復きっぷを買うと通常片道1390円のところ、1割引となる。日本最北端への到達記念となる"台紙"から、片道ずつ切り離す方式。他、宗谷岬を発着するバスの時刻表が付く。
もも「…ここ預ければよかったじゃないの。」
なぎ「コインロッカーも400円って。」
めぐ「わかんなかったし…。」


 まだ時間があるので、とりあえずは外に出てみる。
めぐ「…思ったほど寒くないのかも。」
さく「まあ、結構中で着込んだからね。」


 実質的に"北海道限定"のコンビニとなっているセイコーマートもある。ところがこの店は24時間営業でない上、売りの1つである『ホットシェフ』の取り扱いがない。
さく「まあ、見て戻ってからだよね。」
めぐ「…他、あるかな?」


 駅が"入居"するこの施設の名前は『キタカラ』で、実は映画館もあるという。宗谷岬から戻ってからでも時間が多くあるので、後でじっくり見ればいいのだろう。


 改めて『稚内駅』の正面から1枚。線路は駅前にまで少し続いているようで、モニュメントとされている。
もも「いつものごとく。」
めぐ「せっかく来たんだもん。」


 やはり寒いのでもう一度だけ中へ入って、最北端の線路を見てみる。埼玉県大宮を出発してから、函館観光と札幌での"キャンプ"を挟んで28時間半、思えば遠くへ来たもんだ…。
なぎ「…出るか。」


 まさしく"ロシアはすぐそこ"といった稚内市。付近の標識には英語だけでなく、ロシア語の表記も見られる。停止線が雪に埋もれるため、『停止線』の標識も欠かせない。
さく「ノシャップ岬ってどうよ?」
めぐ「それもだけど…、納沙布岬ってどこだったっけ?」


 ここから、最北端へ向かう最後の道のりが始まる…。



15.稚内駅13:20発→宗谷岬14:10着 路線バス天北宗谷岬線/浜頓別高校行き 宗谷バス598
 バス乗り場へ来たのは、ごく一般的な日野製の中型車両。まあまあな数の客が一緒に乗り込み、やはり宗谷岬へ向かうようだ。目的地はバスの終点ではないので注意したい。
めぐ「…ドアのチャイム?」
もも「何がよ?」
さく「閉まる時の?」
めぐ「あそこ、なんかついてて。そこから鳴ってて。」


 終点から進む国道40号と、起点から進む国道232号。バスは雪で覆われた、国道の重複区間を進む。途中で1人乗車しており、南駅前で2人乗車。大黒4丁目で4人、営業所を兼ねて待合所のある潮見5丁目で2人乗車。宗谷バスの車内にはドアチャイムの装置が取り付けられており、これは一昨年の京成バスにあって名鉄バスになかったものである。
めぐ「セイコーマートあるし、ホットシェフあるけどどうしよう?」
なぎ「いや、そういうのは帰ってから考えろよ。」


 国道238号に入り、はまなす団地で1人降りる。昨日の函館市内から見ているように、中央分離帯の標識には"中央分離帯"と表記された補助標識もある。本州では中央分離帯に補助標識がなく、北海道の道路で特徴と言えるものであろうか…。
めぐ「やっとわかった。」
もも「今まで何だと思ってたのよ?」


 声問局前で1人下車。暖房のきいた車内と寒い屋外との温度差、やや湿りがちな天候とあって窓が曇ってきた。この辺りで一旦国道から外れ、狭い道にそれる。


 声問では1人乗車し、右左折を経て広い国道に戻る。その客は自動車学校前で下車していった。経路的に海沿いにそれたという道は、国道238号の旧道と思われる。


 カーブらしいカーブもないまま進んでいくと、やがて片側1車線になる。右は何の基地なのかと思い、後で調べたところ稚内空港の敷地であった。この付近、建物は他に見られない。
めぐ「…何かな?」
もも「後で調べたって入れとけば?」


 海に面した国道に沿うように建物が見られるようになり、富磯小学校前で1人下車。家など建物の多くは扉が2重になっており、冬の寒さがいかに厳しいものかわかる。


 カーブも多くなり、陸地側は丘陵地帯となってくる。途中にある『宗谷』で降りてはいけない。
さく「…もうちょっとぐらい?」
めぐ「どうかな?」

(つづく)