2016年1月9日(土)午前9時30分頃 北海道旭川市・永山駅付近
14.札幌7:48発→稚内(12:53)12:55着 特急スーパー宗谷1号/稚内行き キハ260-102
キハ261系の2号車にあるトイレは、個室が決して広くはない洋式便器。そしてこれも同じほどの広さとなっている個室に、洗面所の組み合わせ。JR北海道の特急列車は、大体このような構成となっているのだろう。
もも「それにしちゃアンタ、ずいぶん長かったこと…。」
めぐ「なんだろう…、あんまりいえないけど。」
和寒に停車するとまた吹雪いており、駅名に偽りなく寒そうだ。
さく「…ここで降りろとか言わないよね?」
なぎ「言わない。」
気づけば、旭川から66kmも走ってきている。晴れない中で雪ばかりというのは遠くも見渡せず、飽きるというのか…?
なぎ「…早いな。」
めぐ「飽きたわけじゃないのに。」
もも「それとアンタ昨日寝た?」
さく「昨日は着いてから日付変わるまで時間なかったでしょ。」
札幌から147分で宗谷本線の"重要拠点駅"、名寄まで来た。ここからは線路が改良されていないようで、あまり速度を上げずに走ることになる。視界が悪くなっていたため、少々遅れている様子。
めぐ「ある意味、ここからが本番だよ。」
もも「本番って言うけどさ…?」
美深付近では高速道路と交差する。この区間は札幌からの路線と現時点で直結しておらず、交通量も限られてくるため通行無料となっている。
もも「バスとか道路とか…、そういうのってブログに要らないんじゃない?」
めぐ「要らなくない!」
さく「そうじゃなかたら、バスで東京とか言わなかったんだよね?」
美深の次、音威子府まで25km。吹雪く中にある木と、眼下を流れる川がいかにも冷たそう。
さく「…マリオ泳がせて体力減るヤツあったね。」
もも「それで上がっても回復しないやつね。」
さく「アレどういう原理なんだろ?」
もも「…リアルにやると、容量足りないとかじゃない?」
音威子府ではカメラのタイミングが合わず、名物のそばも時間の都合でパス。仮に旭川を早朝出発するパターンとしていれば、名物のそばを頂く時間はそれなりにあったであろう。
さく「そば食べて、…他は?」
めぐ「…他がないからパスになっちゃったのかな?」
もも「本当…。それでとりあえず見てみようって、気づいたらいいとこだったからまた見たいって…。」
音威子府の次は天塩中川。吹雪いているのか、列車が雪を巻き上げながら走っているのか…。
さく「…見えなくない?」
もも「…見えないよね?」
趣きある駅舎を持つ天塩中川は無人駅であり、他線区の非ワンマン列車と同じように車掌が切符を回収する。反対側には除雪車両がおり…。
なぎ「…また逃したんだな?」
めぐ「両方なんか簡単にできないよ?」
雪がやんだようで、薄雲の中から日が照らしてくる。視界もよくなり、美しい雪山が車窓にうつる。FM北海道(AIR-G’)の電波が届かないのか、いつの間にかニュースが流れなくなった。
幌延でキハ54とすれ違う。稚内へ普通列車として乗り入れる唯一の形式であり、ステンレス車体が特徴。ステンレス車体は古さもあまり感じさせず、腐食耐久性にも優れている。
めぐ「これをちょっと乗りたくって。」
なぎ「…また特急じゃなくていいのか?」
めぐ「一応、旭川をちょっと遅く着くように予約入れてる。」
雪原が広がってきた。外は晴れており、気温が想像つかない。
もも「アンタらの装備で最北端から生きて帰ってこれるか。」
なぎ「お前こそわからんぞ、帰ってこられるかな。」
豊富も無人駅のようなもので、"壁"として機能している雪除け用フェンスには看板が掲げられている。日本最北の温泉郷である豊富温泉と、"気分爽快"と銘打たれたサロベツ。この『サロベツ』は原野であり、周囲に何もない道を颯爽と車やバイクで走らせることができる。
もも「そりゃ夏ならいいわよ。なんだったらアンタが買ったとかいう原付だって…。」
めぐ「ここまで持ってこれないから多分ダメ。」
南稚内まで25km。もう1度雪原を眺めてみよう。
めぐ「…これって、帰りは反対座ったほうがいいのかな?」
もも「さあ、アンタらのさじ加減次第じゃない?」
降車に備えて荷物を降ろし、キャリーカートを組み立てよう。抜海を過ぎ、左には海が見えるという…。
さく「まだ早いでしょ。」
めぐ「でもいつかわかんないし。」
ここまで5時間にわたって乗車してきた、キハ261系の車内。天井部分は白色蛍光灯に電球色スポットライト、特徴的な青色の空調カバー。床の模様といい、789系と同じくデンマーク国鉄との共同デザインだとか。外の雪景色と相まって、北欧の列車らしい雰囲気。
南稚内まで5km…。
めぐ「…ダメ。」
さく「景色ないの?」
めぐ「景色とタイミング合わなすぎじゃない?」
もも「いや、それはアンタ…。」
めぐ「そんなの調べてないもん。」
左にあった海と利尻島の景色を撮り逃し、そのまま南稚内まで来た。ここで降りる客が結構多かったりする。次がいよいよ稚内となり、最後の1駅間は完全なる単線。
もも「本当、どこへ行ってもやることだけは変わりない。」
さく「別にいいんじゃない?…らしくてさ。」
かくして札幌から396.2km、要した時間は5時間7分。宗谷本線での遅れ幅を2分に縮め、日本最北端の駅である稚内へとたどり着いた旅行班。駅そのものは近年新しく完成したものであり、出入り口には自動ドアも備わっている。
(つづく)