2016年1月8日(金)午後10時5分 北海道千歳市・南千歳駅到着の車内
12.東室蘭(20:40)20:43発→南千歳22:07着 普通2849D/札幌行き キハ143-156
降りる前に、客車改造車両の車内を写真にしておこう。元々は国鉄後期に登場した50系客車で、10年ほどで役目を追われて大量の余剰が発生。JR北海道では青函連絡快速用と、キハ143のように気動車へ改造に分けられた。
もも「あれ、また変な話始めるの?」
めぐ「乗ってるついでだし…。」
前者は東北新幹線八戸開業で789系の特急に置き換えられ、後者もキハ40などと比べると使い勝手や耐久性に劣っていた。札沼線の一部電化に伴い多くは役目を終え、再改造を経て(日本国内で)現役続行となった車両はあまり多くない。
さく「考えたら、あんまり計画性ないんだよね。」
もも「アンタらにそのまま返させてもらうわ、その言葉。」
変わったところでは、JR東日本においてSL用客車への改造がある。釜石線の勾配に対応するため、エンジンを補助動力としてそのまま活用しているのだ。そちらも2023年春をもって引退となるという。
なぎ「…着くけどいいな?」
南千歳で下車した旅行班。相変わらず、本州の人間にとっては慣れないほどの寒さ。
もも「ちょっと、外ばっかりじゃなくってさ。」
なぎ「…入るか?」
階段にも寒さよけのドアが設けられている南千歳。自動販売機もドアの内側にあったので、ここで温かいドリンクを買っておこうか。
さく「…あれ、みんなしてミルクセーキ?」
めぐ「気になっちゃった。」
ホットドリンクは熱く、すぐには飲めない。そこでしばらくは"手持ち暖房"としての役割に徹してもらい、外で待つ旅行班。意外なのか、雪があまり多く見られないようだ。
めぐ「なんか標識きれいかも。」
もも「あ…、なんか光り方そうかもね。」
この日、最後に乗る快速エアポート。旭川へ特急として直通するもの以外は、かつて必ず721系が使われてきた。ところが列車の性質上、どうしても荷物の置き場所が増えて混雑しやすくなっていたもの。
もも「いや、その話は乗ってからでいいっての。」
そこで新たにオールロングシート車両である733系が投入され、専用の6両編成は共通で用いられる。このタイミングで乗車しない指定席『uシート』は、特急車両を含む全ての快速エアポートにある。当時の料金は310円で、感覚としては名鉄の特急特別車みたいなものだろうかと。
さく「本当、近所でいいつながりあったよ。」
なお2016年3月からは快速の指定席料金が520円となっており、さらに消費増税を経て2022年3月からは840円となる。
13.南千歳22:17発→札幌22:53着 快速エアポート223号/手稲行き モハ721-5201
入ってきたのは、従来から用いられている721系。乗ってみて、車内にデッキがないことから後期形だとわかる。混雑して空席がなく座れない。そして快速エアポートは、特急と同じような自動放送が流れる。
もも「…アンタやっぱり計画甘い。」
めぐ「そんなことわかんないもん。」
それでも、停車駅ごとに乗客が降りていく。この車両はデッキがない代わりに"エアカーテン"なるものがあり、実体としては名鉄3700系などにあるタイプの送風機に似ている。ドアが開いていると装置が作動し、閉まると音が止むことから装置も止まるとわかる。
なぎ「意味…、そこまでないよな。」
北広島で先ほどまで乗車したキハ143を追い抜き、それと前後するぐらいで適当ながら座れるようになる。キャリーカートは解体せず、通路に置くぐらいか…。
そして座ってわかったのが、721系後期型の座面は1人ずつ分かれているということ。313系8000番台のような有料列車向けならともかく、料金不要を前提としたクロスシート車両では珍しいのではないだろうか?
さく「…よくわかんないけど?」
めぐ「2人座ったとこ、よく見てよ。」
南千歳から36分ほどと、札幌までは意外と距離があるものであった。北斗15号を東室蘭で降りず乗り続け、遅れがなかった場合より56分遅く着いたことになる。手稲行きはここから普通として扱われ、『uシート』が自由席として扱われる。
さく「…千歳から札幌も遠いもんだね。」
もも「あのさ…、今日どこからここまで来たってのよ?」
さく「そりゃあさ…、東京なんて言ってたらきりないよ。」
その横には、翌日乗車予定となるキハ261系がいる。方向幕の"試運転"や"回送"は、意外なことに国鉄スタイルを採用していた。721系の方向幕はJR北海道のスタイルで、"普通・手稲"となっている。
めぐ「今日はこれで終わり!」
なぎ「待て、まだ最後キャンプ地まであるだろ。」
(現)牛乳とたまごでつくった濃厚ミルクセーキ(ダイドードリンコ) 130円
札幌駅では例によって駅の写真。そして程よく冷めてきたミルクセーキをここで飲んでおこう。
さく「…味はわかるんだけど、変に冷めちゃったから微妙に。」
もも「…いいけど本当、寒いから早くしてさ。」
札幌駅からは地下街が通っており、この時間は店舗が開いていないながらも通行可能となっている。
なぎ「早いとこトイレ入っとくか?」
めぐ「…じゃあ。」
さく「またこれ一緒でさ…。」
地下鉄の駅は、JRと区別するためか『さっぽろ』と平仮名で付けられている。今日は地下鉄に乗らず、そのまま地下を歩き続けよう。夜11時過ぎという時間にして、地下を通り抜ける人は多い。
もも「なんかまだアンタのキャリーカートが不安っていうか…。」
めぐ「カートなしでこの荷物より楽だし。」
そして3日目、いよいよ日本最北端の地へ。そしてそこで起こった出来事やいかに…!?
(アラウンド・ザ・北海道2016 つづく)
めぐ「とりあえず長い道のりを経て札幌までたどり着きましたので、ここで区切りましょう。北海道新幹線開業後も『北海道全線フリーきっぷ』が販売継続となっていれば、新幹線相当の負担増と引き換えに函館の滞在時間が長くなっていたのでしょうけど…。」
もも「まあ、アンタと違ってさ。普通の人ならもっと有意義に回るでしょうよ。」
めぐ「さて当時は車両が使い分けられていたため、古い車両に"スーパー"がついていませんでした。復路に"スーパー"の付く特急に乗ることとなり、これがどのような結果を生むのでしょうか…?」
もも「まあ、逆に今思ったら乗れてよかったでしょ。」
めぐ「皆様も空路だけでなく、時間をかけて鉄路で北海道へ向かわれてはいかがでしょうか。距離感もわかります。それではまた、鉄旅リターンズプラスをお楽しみに。」
もも「じゃあ、帰ったら前の残り。」
めぐ「はいはい、そちらもいずれね。」
もも「…ってかさ、あの時の決意とやらは何だったのよ!?」