2016年1月8日(金)午後5時41分 北海道函館市・函館駅
一般路線用と高速路線用の折衷となっているような、函館バスの中型車両。これをもって、今日は元町ベイエリア周遊号としての運行を終えたことになる。
もも「最後までよくわかんないバスだったこと…。」
めぐ「…これも乗り直しになっちゃうのかな?」
さあ、暗くなってどうするか。ロープウェイに乗ろうとするならば、シャトルバスの運行があるとかないとかで…。このバスも共通1日乗車券で利用できるとある。
めぐ「…終わり!」
もも「…いや、ちょっと待って。じゃあ…、なに?散々調べたのに、それ全部パスするってこと?」
なぎ「まだ元取ってないんだろ?」
さく「ビールまだだよ?」
することはただ、コインロッカーから荷物を取り出すことだけ。そもそもは13:42到着から、最終で組んだ北斗17号の19:14発車までを観光に充てる計画としていた旅行班。ところが相変わらず観光の仕方を知らず、無計画なままに終わる。
もも「その…、靴底じゃなくって?」
めぐ「…こんなに早く接着なくなるなんて思わないし。」
色々と手間取って函館駅前を出発したのも午後3時前であり、この時点で1時間ものロスが発生。そしてこれから各所を回ろうとしたところで、北斗17号の発車に間に合わなくなるかもしれないのだ。
なぎ「まあ、全部なくなるよりはよかったろ。」
このままでは函館での1時間が何もなく過ぎるだけ。そこで考えたのが、函館の発車を繰り上げて北斗15号で札幌へ向かおうというもの。発車は18:16となる。いずれにせよ時間の都合上、往路は"スーパー"の付かない特急だ。
もも「…そういうことはしっかり調べられるんだもの。」
めぐ「乗りたいのばっかりあるんだもん…。」
コインロッカーから荷物を取り出し、この日4度目となる組み立てとなるキャリーカート。準備万端となったところで…。
さく「靴底どう?」
めぐ「…ちょっと厳しいけど、あと今日は乗るだけだし。」
改札は列車の発車時間が近づいてから行われることとなる。自動改札の場合、そのまま好きなタイミングで『北海道全線フリーきっぷ』の"かえり券"を投入すればよい。ところで、通路の発車案内にある"試験"というのは何だろう?
もも「…調べれば?」
なぎ「これは出ないんじゃないか?」
改めて、ホームに出ると相変わらずの寒さ。札幌行きの『北斗』は7番線から発車、"スーパー"が付かない列車の自由席は4号車と5号車になる。
さく「…来たとき見ちゃったけど、4号車ってグレードアップのだったりするんだよね。」
もも「…グレードアップ?」
さく「指定席の座席って言うか、新しいのかな?」
もも「まあ、誰がそういったのか知らないけどさ。こうなったら座れりゃいいの。」
6番線にいるのは、北海道新幹線開業をもって役目を終えるJR東日本485系。リニューアルされているとはいえ、くたびれている感は否めない。この白鳥96号が仙台への最終であり、東京へは既に乗り継げない。
もも「で、どれだけ待てばいいのかわかんないけどさ?」
めぐ「…座りたいじゃん?」
入ってきたキハ183系は、後期型の5両編成。普通鋼製で気動車向け車体傾斜等の装置は考案すらされておらず、JR設計の車両と比べて見劣りは否めない。しかし指定席と自由席を隔てるようにある、3号車のグリーン車はハイデッカー構造。
なぎ「あれ…、意外と早い。」
11.函館18:16発→東室蘭(20:34)20:40着 特急北斗15号/札幌行き キハ182-508
4号車は自由席でありながら、指定席用のグレードアップ座席。新型新幹線車両と同じく頭部分に可動式枕を備えているものの、方式がやや異なり勝手が違う。窓枠はFRPでできているもの。乗ってくる客はそこそこ多く、やはり荷物が大きい。
めぐ「…手間が省けた。」
もも「省けてないわよ、また荷物分けてカート畳んでさ?それで棚上上げてだもん。」
さく「そうじゃなくって、この座席座れたからスーパーとかちとかで指定取らなくたっていいとか?」
なぎ「指定は別にいるんだよな、この切符。」
車両そのものは国鉄末期の製造であるため、棚や天井周りなどが185系電車に近いモノだろうかと。そこは旧来のままなので、アンバランスな印象は否めない。そして何より、この手の車両でありながら789系と同じ自動放送が流れるのだ。発車するとすぐ、スーパー白鳥が通過した五稜郭に停車。
なぎ「…寝ようか?」
もも「…いいんじゃない?どうせアンタら揃って寝てないんだし。」
めぐ「…眠くなってきちゃってて。」
さく「…じゃあ、次どこで会うかわかんないけど。おやすみ。」
どうせ外の景色も見られないからと、眠りについた旅行班。目が覚めたのは、森に着くぐらいの頃だったり…。北斗15号は大沼公園が通過とあるため、五稜郭から30分以上無停車で進んだ計算になる。さらにもうひと眠りするかしないかで、函館から1時間ほどかけて八雲。
さく「…あれ?」
めぐ「…結構寝たはずなんだけど。」
トイレに行きたくなったからと、こっそり向かうリーダー。4号車前方には荷物置き場が設けられていたので、場合によっては"分解"せずして荷物を置けたことになる。肝心のトイレは真空式の洋式便器になっていた。
なぎ「…トイレか?」
めぐ「…トイレだけど。」
なぎ「…じゃあ次。」
さく「結局行くんだ…。」
今回は北海道内で特急列車の自由席が利用可能であるため、移動力向上と共に目玉としていた。しかし東室蘭で特急列車を乗り捨て、普通列車で札幌へ向かうことに…。そして今回、北海道旅行にあたって思うことがあった。
(つづく)