2016年1月8日(金)午後0時8分 青森県青森市

7.新青森11:30発→函館(13:42)13:46着 特急スーパー白鳥5号/函館行き モハ788-106
 雪原の向こうに見える、新幹線の線路。3月には新青森から新函館北斗まで開通し、東京から最速4時間2分で結ぶという。その最速列車こそ、先ほど乗車したはやぶさ5号である。
さく「…これだけど、そのまま乗れてたらずいぶん楽だったかもよ。」
もも「いいけど、飽きない?」


 もうしばらく進むと、雪が強く降ってきた。青森でこうなるのであれば、北海道でどうなるか…。
もも「ほら、雪たっぷり。」
めぐ「わかってるよ…。」


 青森を出て最初の停車駅、蟹田で乗務員が東日本から北海道へ交代。いよいよ、フリーエリアへ入ることとなった旅行班。津軽線と分かれてから10本目のトンネルが、青函トンネルである。
さく「…さあさあ。」
なぎ「落ち着け。」


 中小国を過ぎた先の信号場で津軽線と分かれ、海峡線へ入る789系。ここからは名実ともにJR北海道の路線となる。ここまででおよそ8分遅れており、座席背面テーブルに記載のある青函トンネル通過時刻に影響する。
めぐ「こういうのは加えればよくって。」
もも「そんなわかってること…。」


 新幹線となる線路と合流し、3線軌条となる海峡線。奥津軽いまべつでは新幹線のホームがあるため、在来線の線路が左へ移る形となる。通過速度はさほど速くない。


 新幹線開業後、在来線貨物列車が待避する線路。在来線の津軽今別は既に全列車が通過扱いとなっており、最終期に仮設構造となっていたホームも撤去済み。隣接する津軽線の津軽二股は、新幹線開業後も連絡駅として機能するという。
なぎ「そりゃそうだろ、左よけたんなら。」
さく「…そうかな?前は直線だったし、飛ばせるなら飛ばしたかと。」


 そしていよいよ、長さ53.85kmの青函トンネルへ。内部の最高速度は140km/hであり、新幹線でもこの最高速度となる。
もも「…本州終わり?」
さく「もう、出たら北海道。」

 午後0時45分、竜飛定点を通過。かつては見学施設が駅として存在し、新幹線開業後も避難施設として使われることからそれらしき明かりも見られる。ここから23.2kmに及ぶ海底区間へ…。


(標高差2545m)

  • 青函トンネル最深部 標高-240m
  • 富士山吉田口五合目 標高2305m

 海底区間の最深部を通過しているスーパー白鳥。一応これをもって、旅行班史上最も標高の低いところを訪れたものとしようか…。
もも「…最高は富士山5合目?」
なぎ「まあそうなるよな。」
さく「一応まだ行くことないんだろうけど、…室堂とかは?」
もも「室堂って…、アルペンルートの?」
さく「そこ5合目より高くて。」
めぐ「別に富士山に登ろうなんてないし。」
もも「あのアニメ見て登る気なくした人に言われたくない。」
さく「なくす前にお金ないよ。」
なぎ「結構かかるよな。」


 午後0時55分、吉岡定点を通過。ここから先、地上に上がると北海道となる。このタイミングで取り上げるのもどうかと思われるが、789系はデンマーク国鉄との共同制作。車内の雰囲気も、どことなく北欧のものが感じられる。
めぐ「この…、ドアのとこあるじゃん?」
なぎ「アレできてるよな、トンネル。」
めぐ「それもだし、黒い部分とLED?なんか一体になってるとこ、いいよね。」


 午後1時3分、ついに地上へ。これで名実ともに北海道上陸を果たした旅行班。外は相変わらずの雪模様。そしてまたもやトンネル区間へ…。
さく「これは行き帰りで同じと…。」
もも「…アンタら下調べも何もないでしょ、いつもだけど。」
さく「いつもみたいなのがよかったりとか…、ある?」
めぐ「…あるかも。」
もも「アンタが一番いけないのよ。」


 いつしか線路が分かれ、新たに完成した高架線路を通っていく新幹線。木古内の新幹線ホームには、雪よけを兼ねた頑丈な屋根が架かっている。
なぎ「やーねー、ってか?」


 一方、在来線の線路は3月をもってJRから分離。ここからは『道南いさりび鉄道』となる江差線を通ることとなる。かつては江差方向へ延びていたものだが、利用客が少ないため2014年に廃止されている。北海道では、ホーム柱にある国鉄らしい駅名表記が特徴。
なぎ「……。」
さく「…何かない?」
もも「…アンタらこそ。することなくて黙っちゃって。」
めぐ「荷物おろして組み立てる。」
なぎ「あ…、わかった。」


 在来線らしい雪景色と、その中にたたずむ高架。右側は海が見られる。車内には『見えるラジオ』と称し、FM北海道(AIR-G’)の電波を受信してニュースが流れるようになる。
もも「こっちにしたのは誰よ?」
めぐ「…よくわかんないもん。」


 函館本線と合流し、いよいよ函館の駅へ。チャイムが鉄道唱歌となっており、終点であることが強調される。
なぎ「もう着くのか…。」
もも「早いっちゃ早いし…、どうなのよ?」


 大宮から列車2本で5時間2分、函館には遅れ幅を4分に縮めて到着した。789系はJR北海道の特急用気動車と同様に、運転台が高く設けられている。先頭部は黄緑色となっており、存在感を示している。外はさすがの寒さで、ホームにも雪が多くある。
もも「やっぱり違うわね…。」
めぐ「キハ183って自由席もグレードアップ…?」
もも「…アンタ何言ってんの?」

(つづく)