2016年1月8日(金)午前8時49分 埼玉県久喜市・久喜白岡ジャンクション付近
6.大宮8:44発→新青森11:19着 新幹線はやぶさ5号/新青森行き E526-101
大宮を出ると仙台まで停車しない。その途中、宇都宮までは最高速度275km/hで運転する。従来の最高速度は240km/hであり、『はやぶさ』『こまち』以外は従来の速度で運転。外に見える景色は圏央道と東北自動車道の分岐点。
なぎ「…320って想像つかん。」
さく「みんなそうだよ。せいぜい130?」
もも「アンタら…、私もだけど。新幹線乗ってるんじゃないの?」
めぐ「…285が最高だっけ?」
小山を経て、宇都宮を過ぎると景色が山めいてくる。2013年からはE5系単独運転を行う『はやぶさ』の最高速度が320km/hに引き上げられ、翌年からはE6系『こまち』と併結運転する『はやぶさ』の最高速度も320km/hに引き上げられた。あっという間に那須塩原まで来ていた。
さく「やっぱりすごいね、320出すって。」
もも「…これはなかったわね。」
参考までに、旅行班が経験している最高速度は285km/hと考えられる。これは山陽新幹線700系、ひかりレールスターの最高速度である。車両そのものはN700系(乗車したのは本州用16両編成)の300km/hだが、博多から小倉の間に出したかどうかがわからないのである。
なぎ「乗っただけで満足した昔話な。」
めぐ「それもあるし…。」
この『はやぶさ』、そして前身となった『はやて』では仙台まで速達性に特化している。そのため郡山から福島にかけ、福島県内をノンストップで通過。都会らしくとも、山形へのルートが分かれようとも関係ない。
もも「…これ前も無視してさ、いい加減怒られない?」
めぐ「帰りはちゃんと考えてるもん。」
なぎ「ああ、帰り4枚5枚あったんだったな。」
さく「それにだよ?最初このみんなでキャンプって言うか、ホテル泊まったのって郡山だったし。」
もも「ああ…、そういえばそうだったわね。あの時はちゃんと宿とってさ。」
めぐ「今回もホテルあるけど。」
なぎ「…ネットカフェとかないからか?」
さく「ネットカフェだけじゃダメでしょ1週間も。」
仙台が近づき、降りる準備をする客が多く見られる車内。速達列車として、やはり首都圏~仙台間のビジネス需要が大きいのだろう。
さく「なんかしばらく都会らしい街って、見たことなかったよね?」
なぎ「あ、そういえばな。」
仙台に着くE5系。やはりここで結構な数の客が降りていった。一方で仙台から乗る客は思ったほどではなく、車内にゆとりが生まれる。この列車は最速列車であるため、ここから新青森までの途中停車駅は盛岡だけ。
もも「…何、どうしたのよ?」
めぐ「最初、行き帰りがセットじゃないのも考えてて。」
もも「18きっぷないからバス乗ってやろうって考えたんでしょ。」
めぐ「…わかっちゃった?」
もも「わかるわよ、今の顔だもん。」
さく「でも、バスってどれだけかかる?」
もも「…名古屋から東京まで新東名使うぐらい?」
そして再び最高速度320km/hで、北へ向けて走り抜けるはやぶさ5号。辺りに雪はまだ見られない。
さく「…それスピード感出てる?」
めぐ「…どうかな?」
なぎ「メイクアップ機能なしで1回…、どうだ?」
メイクアップ機能をオフにして1枚。
めぐ「…これ帰るまでわかんないかも。」
さく「でもいい感じに…、なってるんじゃない?」
なぎ「…1回トイレとかいいか?」
もも「いいけど、どうせまた交代なるんなら一緒に行っといたら?」
ということで、後方のデッキへ。車両番号を見ると末尾が01となっていたので、おそらくは量産に先駆けて製造された編成なのだろうと。そのため、このデッキはこの編成にしかないタイプである。
もも「…違い見せてよ。」
めぐ「さすがに今はちょっと…。」
そのデッキから、携帯カメラで外を見てみる。山間の風景と共に、幾度となく東北本線と交差する東北新幹線。
さく「すごいよね320出すって。それで揺れたりとかあんまり…。」
めぐ「揺れるってより、ちょっとしたアップダウンって言うかな?」
なぎ「それはちょっとある。」
もも「それにしちゃずいぶん長いトイレよね…?」
E5にはN700と同様の車体傾斜装置があるため、カーブでも高速走行が可能となっている。さて1月初旬の東北新幹線、岩手県に入っても雪が見られない…?
もも「アンタら欲張りすぎ。」
めぐ「いいもん、これから雪たっぷり見れるし。」
すると外はいきなりの雪化粧。岩手県に入って変化があるかのように思わせるも、一瞬で雪が見られなくなる。
めぐ「…何かな?」
もも「…調べれば?」
さく「別に狙ったわけじゃないんだよね?」
そういえば2012年の東北旅行では、青春18きっぷをメインとしながらも新幹線に乗車した区間がある。3月14日には"ミニ新幹線"として、田沢湖線の盛岡から田沢湖まで。翌3月15日は"フル規格"で、一ノ関から仙台まで利用。
なぎ「中途半端で悪かったな。」
めぐ「いや、おまけみたいなモンだったし。」
4年近く空けて、今回の乗車により一ノ関から田沢湖(同一区間を走行する普通列車を含める場合は大曲、さらには秋田)まで乗車済みとなる。そして最高速度320km/hの新幹線は、さすがに速かった。
さく「ま、帰りで全部乗っちゃうんだけどね。」
もも「それ言っちゃダメよ。」
(つづく)