2021年11月20日(土)午後0時30分 神戸市兵庫区・新開地駅に到着
甲子園から新開地までは28分の乗車となった。阪急もここまで乗り入れており、両社の共演も見ものかもしれない。
そして古い案内表示も残っていた。このような案内は重要なものであり、早めに更新されるのが基本。まさにここだけ、時間が止まっている。神戸電鉄へ乗り換えるには、前方のエスカレーターを上がっていけばよかったんだっけ…?
1つ階を上がり、案内に従えば段差なく神戸電鉄のホームへ。こちらは線路幅が阪急や阪神(・山陽・近鉄)と異なることもあり、独立していることから頭端式となる。
当然ながらこちらは神戸電鉄の車両で統一されており、いたのは白ベースに赤帯の入る塗装模様が目立つ5000系。正面のガラス窓面が大きく、近代的な印象を覚える。
8.新開地12:39発→谷上13:05着 普通/(西)三田行き 5107
車内は阪急の影響を受けているようで、薄い木目の壁面と窓のアルミ鎧戸を備えていた。モケットは緑色ではあるものの、色合いや材質は全く異なるものとなる。
発車して1駅目の湊川までは地下を通っており、こちらもかつて神戸高速鉄道の路線だったことに由来する『神戸高速線』。そのまま有馬線に進むと地上へ出て、山を上がっていく様相だ。
この路線は勾配がきついことで、速度をあまり上げずに進んでいく。景色を見るならば、進行方向左側に座ったほうがよかったか。
鵯越(ひよどりごえ)は初見で書くことはできないだろう。同じく初見で読むことも難しい。加えて最寄となる放送が"歌っているようで"、耳に妙な残り方をしている。そこで調べれば、関西地区で墓地や墓石の販売を行う"フォーエバーコミュニケーション"『加登』という。
さらに山間の途中、廃止された菊水山の駅がある。以前より利用客が少ないことから停車本数が少なかったようで、末期は休止されて全便が通過となっていた。
鈴蘭台では西鈴蘭台行きに接続しており、そちらはステンレス車体となる。乗り換える客もそこそこ多く、先に発車していく。
高台だけあって、視界が開ければ周囲の眺めはいい。標高は着実に上がっており、木々も色づきよく見せてくれる。
その名も『山の街』…、確かに山間を開発したまちだ。こちらも後で調べれば、1935年に駅として開業した当初から名乗っていたらしい。上り一辺倒から転じるようで、ここからはやや下っていく様相。
港町から山間まで、神戸市は多種多様な顔を見せている。日本三古湯の1つに数えられる有馬温泉も神戸市内にあり、神戸電鉄で結ばれているのならばいずれ…。
新開地から26分で谷上へ。標高は244mとあり、北神急行電鉄の"市営化"で地下鉄の駅ともなる。これにより仙台市地下鉄東西線の八木山動物公園を上回り、標高(244m)の日本一高い地下鉄駅となった。
9.谷上13:11発→新神戸13:19着 西神中央行き 6329
その地下鉄は同じホームで乗り換えられ、いきなり新車が現れた。アルミ素地そのままの銀色に青みがかった緑色の帯が巻かれ、側面の窓も大きく美しい。神戸電鉄とは線路幅が異なるため、両者の直通はできない。
深緑色の座席はなかなかカタく、座面もやや高いようだ。袖仕切りは木目模様にして、こちらはやや薄く造られている。車端部の壁面は濃い目の茶色となり、貫通扉は全面がガラス窓となって開放的だ。
有馬口、三田方向からの接続をとって発車。北神急行電鉄から転換した区間は新神戸までであり、ちょうど乗車する1区間が該当する。全長7.5kmのほぼ全てを山岳トンネルが占めているのも特徴。
新神戸まで8分の間、景色は一切見られずに終わる。この区間は勾配も全国屈指のモノを有していた。さあ、ここから…。
改札を出られない!
(現)阪神・神戸電鉄・神戸市営地下鉄運賃:甲子園→新開地→谷上→新神戸 合計1140円
改札内でつながっているとはいえ、そもそもはかなり大掛かりな経路をたどっている。実際には新開地を経て、谷上までは運賃を通算。区切ったうえで、神戸市営地下鉄の分を加算する形という。ICカードでの入場は取り消し処理を施された。
(つづく)