「2021年最新作、11月20日から21日の旅行記。第2回目となる今回からは"骨組みのみの暫定系"として、細切れになるかと思いますけどベーシック仕様で流していきたいと思います。まずは2か月連続となるようで、やや異なる近鉄特急からどうぞ。」

2021年11月20日(土)午前6時44分 名古屋市中村区・近鉄名古屋駅

(M)近鉄ひのとり特急券:近鉄名古屋→大阪難波 2160円
 名古屋からは先月に続いて近鉄で出発する。目的となる新型特急『ひのとり』はこの時間(7:00発)が1本目であり、この時点でプレミアムシートは全て。レギュラー席も窓側がすべて埋まるなど、土曜日らしく盛況の様子。ともあれ指定が取れたことで、全てが動き出す。


(A)BOSSザ・エスプレッソ微糖260g(サントリー) 118円※軽減適用
 今朝はパン食で量も多くないことから、追加用の米類をモーニングコーヒーと共に仕入れておこう。5番線には先に出る賢島行きの"サニーカー"が入っており、座席はモケットが青色系へ交換されただけで原形のままとわかる。


 さあ、主役たる80000系『ひのとり』のお出ましだ。6両編成の両端はプレミアムカーで、ハイデッカー構造と大きな窓が目を引く形状。車体も高級感ある深き赤で塗られ、メタリックでなくとも美しく輝きを見せる。



2.近鉄名古屋7:00発→大阪難波9:09着 特急ひのとり57/大阪難波行き 80403
 通常より200円高い料金を支払って乗り込む車内は、一転してモノトーン系の色調をしている。座席のひじ掛けにはテーブルと電源コンセントが備えられ、窓枠のあたりにモノを置けないことをカバーしている。スペースそのものは従来より大きくとられているようだ。他、フットレストも備わった。


 地下から顔を出し、朝の日差しを浴びる近鉄特急。名古屋市のビル群から抜け出し、いざ西へ…!


 改めて車内を見渡そう。壁面や棚は木目模様となり、無機質な印象はない。棚下の照明や天井の間接照明があり、レギュラーシートでは白色となっていた。棚には23000系と同様の指定席用のランプが設けられ、緑色で示された席が指定済みであることを意味している。

 最大の特徴が座席背面の固定式バックシェルで、前後を気にすることなく背面テーブルやリクライニング機能を使用できる。座席は回転させないように案内されており、機能を生かしたいならばむしろ有利だったり。


(A)直巻和風ツナマヨネーズ(ファミリーマート) 118円※軽減適用
 起床が早くとも眠くなるわけでもなく、1個目のおにぎりに手を付ける。手巻きでないツナマヨおにぎりはご飯にツナが入っているか、あるいは入っていない醤油飯だったかと。定番中の定番なので特にいうこともなし。


 デッキに出れば木目模様のほか、大理石調も交えた壁面。客室との扉は模様入りの擦りガラスとなる。自動販売機と喫煙室が設けられ、考えようによってはセットにもなりえる組み合わせ。ロッカーはICカードをカギとして使用し、無料で利用可能とあった。


 津で座席がほぼ全て埋まったようだ。気分転換ついでにトイレへ入りたくなり、3号車にトイレがないため4号車へ。こちらには車いす対応のトイレが設けられ、円筒状でなかなか大きい。通路の窓も大きく開放的だ。


 トイレが空いたので中へ入ろう。内部もなかなか広く、ベビーチェアのみならずオムツ交換台。着替え用と思しき鏡と台座まで備わっていた。洋式便器には温水洗浄機能が搭載され、壁面の操作ボタンは市販品より大きいもの。


 こちらも壁面が下部分のみ木目模様となる。カギをかけていない際は音声が流れ、出入口のボタンが緑に光れば開けられる。開いているとボタンが赤く光り、ドアを閉められる仕組み。手洗い場には泡石鹸(サラヤ製)が完備されているのでありがたい。


 出入口扉を挟んで、洗面台と男子用の小トイレもあった。手洗いで考えるならば、やはり洗面台のほうが大きく使いやすいもの。乾燥機能は当面の措置として停止されている。近鉄特急の伝統でおしぼりが取り出せるようになっており、最新車両でも1人1本までで健在だった。


(A)ごちむすび・やわらか豚角煮(ファミリーマート) 218円※軽減適用
 自席へ戻ったところで、2個目のおにぎりを投入しよう。豚の角煮を握り寿司みたく、1切れ載せるように海苔で巻かれている。そんなおにぎりの中にも細かく角煮が入っており、まさしく2段階で味わえる。温めればよりおいしいんだろうけど、今回はそんな余裕なし。

 気付けば名張,赤目口,三本松と通過。これにて三重県から奈良県へ入ったこととなり、愛知,岐阜,三重から2年ぶりに外へ出たこととなる。榛原のあたりで景色を見れば、まだ山間部らしい雰囲気が続いていたり。このあたりでようやく眠くなってきた。

 するとまたトイレへ入りたくなる。洋式便器に搭載される温水洗浄機能の操作パネルを見れば、TOTO製の『ウォシュレット』で間違いない。


 そんなこんなで、あっという間に鶴橋まで来てしまった。ここで下車する客はそれなりにいるとして、ここからわざわざ追加料金込みで短く乗る客はいないだろう。難波へは奈良線に合流してから地下へ進む形態をとるため、喫煙室も利用できなくなる。



 ここまで案内してきた、客室扉上にある液晶2画面の案内装置。これがなかなか多機能であり、停車駅が近づくと乗り換え案内を方向別に駅番号込みで表示。さらに時折、前面展望の様子が映し出されていた。

 さて今回触れなかった設備として、プレミアム車両のデッキにある『カフェスポット』がある。これは車内販売を行わない代わりとなるもので、コーヒーメーカーや菓子類の自動販売機で無人販売を行うもの。こちらはレギュラー席の客も利用可能だ。


 近鉄名古屋から129分、名残惜しくも新型特急から降りなくてはならない。しかも大阪難波では配線の都合上、途中駅のような降り方を強いられる。外装の深い赤色は、やはりメタリック塗料を使用していたらしい。

(つづく)