(3)JR西日本版汎用特急車両

 北陸新幹線敦賀開業後、JR西日本は直流区間のみとなる。すると交直流両用の特に683系は余剰となるので、どうしようかと。直流専用化の上で289系としたように汎用性は高く、他線区への転用も十分に見込まれる。

 なお681系のうち2021年現在『しらさぎ』で運用される編成は、北陸新幹線金沢開業まで『はくたか』として160km/h運転していた編成。リニューアル施工はなく老朽化も相応なことから、転用することなく廃車となることだろう。


0番台:3両×6本,6両×6本
2000番台:3両×6本

 非貫通型のグリーン車は681系もそうだが、なかなか重厚な印象を覚えている。普通車がすべて貫通構造となったことで、特急の12両運転が可能となっている。2000番台は"出戻り組"含めて『サンダーバード』用の増結編成のみを対象とした。

4000番台:9両×12本
 グリーン車は貫通型と同じ形状となり、汎用性がより高くなっている。大所帯なのはこのタイプだ。これら『サンダーバード』用の編成は、原則としてリニューアル済み。

8000番台:3両×1本,6両×1本
 2021年現在『しらさぎ』で運用される編成のうち、9両だけ683系なので対象とした。


 さて289系に編入されている編成は、北近畿地区と紀勢本線『くろしお』に分かれている。直流専用で新規製造された287系と共に双方で活躍するも、現状は289系が交直流両用への"復帰"に含みを持たせているのか運用も分かれている。(現に、683系へ復帰した編成がある。)

 北陸新幹線敦賀開業後、交直流両用へ"復帰"させる必要もなくなることだろう。その際に改造を施し、287系や271系と併結可能となるのなら…。


 683系の転用についても考えよう。ひとまずは北陸新幹線リレー特急について、大阪地区を発着する分は継続するものとみる。直流線区向けなのに交直流両用として投入され、実際に交流電化区間へ乗り入れた521系の例もある。この分は改造を保留しよう。


 かねてから噂の絶えない伯備線『やくも』も、改造投入するには有力な候補だ。この路線は四国から借り入れた車両で、空気ばね式車体傾斜装置の試験を行っている。考えようによっては車体傾斜装置付き車両の新規製造は、展望グリーン車と同様に最小限とするかもしれない。


 そして需要動向の不透明な関西空港線『はるか』。281系も置き換え対象となっており、新規製造された271系と併結可能かどうかが問われる。もっとも本命は271系の増備であり、なにわ筋線関連もあって南海向けに投入を図ることも考えたい。

 北陸地区並行在来線へ継承させても面白い。協議の結果直通特急継続は断念ということだが、普通用の521系だけというのも味気ない。観光列車兼任で考えれば、余剰転用も十分にありうる話だ。


 究極は東海道・山陽本線向け特別運行車両。これは117系『銀河』を発展させつつ、交直流両用なことで九州乗り入れを図るというもの。それこそ東京まで乗り入れてもどうだろうが、JR東日本とJR東海がどう反応するか。

 伝説となった"九州ブルトレ"の幻影を683系改造で見る。やはり窓口では販売されず、旅行会社が主導となるか。
(おわり)