2021年10月16日(土)午後4時31分 三重県志摩市・賢島駅
この駅は地形の関係で実質、3階建てに相当する。改札からは階段を介して、駅の外へ出られるのだ。
周辺は土産物店より、特産品となる真珠を扱う店が多い。賢島の港が近く、定期船や遊覧船『賢島エスパーニャクルーズ』の切符売り場もある。遊覧船の乗り場は少し離れており、案内に従って進みたい。
あご湾を遊覧するクルーズ船『エスペランサ』。大航海時代スペインの帆船を模したとされ、見るからに厳ついて豪勢だ。今回は時間もないので、外から見るだけに終わる。
こちらはあご湾定期船。リアス式で海岸が入り組んでいることから、陸路で対岸へ渡るにも苦心するもので…。なお2021年9月末をもって、浜島航路は廃止されたようだ。
下調べもなく滞在時間を考えると、とりあえずはこのぐらいだろうかと。散策に力を入れすぎて、帰りの特急に間に合わなくなってはいけない。この時間に入れる飲食店もなさそうだし。
反対側の出入口へ出てみよう。こちらもこちらで地形の関係があり、対照的に改札から一切階段を介することなく移動できる。
駅前から出る路線バスは1日2本しかない。他はホテルや旅館などの送迎や、団体用の観光バスがほとんど。さて今回は久々に早朝からスタートし、湯の山温泉から伊賀鉄道を回って賢島へ到達。
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駅のコンビニで水分を"補充"し、あとはメモがてら休憩するとした。しかし今度は、どうも蚊が多いようで落ち着けない。
結局ブランクを経ても、定例だった"時間だけ余らせるパターン"は健在。三重県内の鉄道路線を全て制しても、肝心の人間性に進歩は見られないオチだ。
これから乗り込む23000系『伊勢志摩ライナー』が入ってきた。リニューアル前は黄色系の塗装で、リニューアル後も一部編成は黄色系。そんなイメージが強いので、赤色系の塗装はいまだに違和感が否めないのだ。
2号車は2~4人用のサロン席で、窓が縦にも大きく個別で分かれている。引き続きデラックスシートも1号車に搭載しているため、運用が他の特急車両とは異なっている。
13.賢島17:30発→近鉄名古屋19:43着 特急伊勢志摩ライナー7714/近鉄名古屋行き 23303
指定したのはいつものレギュラーシート。リニューアル前の22000系と同じ座席が搭載され、リニューアル後もモケット変更のみで継続搭載されている。対してデッキ仕切りの上にあるLED案内装置は、22600系に準じてサイズが大きくなった。
賢島を発つ時点で乗車した客は他におらず、棚に設けられたランプは自席のみ青色から緑色に変わっている。停車駅が多くなろうとも、特急『伊勢志摩ライナー』本来の特徴は変わりなくいてくれたもの…。
鵜方からは乗客が乗ってくる流れにある。10月中旬の午後5時半過ぎとなって、もう外の景色を収めるのは苦しいか。
そうなればすることはなく、名古屋まで身をゆだねるだけ。特急の自動放送では到着前にチャイムが流れ、今回のルートでは賢島,鵜方,鳥羽,宇治山田,伊勢市,伊勢中川,四日市,名古屋において専用のモノが使われている。
それにしても蚊がまだいて落ち着かない。今回は津で塗り薬を仕入れたのだから、考えようによっては虫よけスプレーを買ってもよかっただろう。遅すぎる反省だ。
少し落ち着けば、眠気のままに眠っていた。そして起きてまた蚊が来るので、今度は捕まえてみせる。1匹からは血が出てきたので、おそらく吸われたのだろう。
気づけば車内も半分ほど埋まっている。現在休日の1往復のみとなった"ワンストップ便"は五十鈴川,松阪,伊勢中川を通過し、伊勢市を出ると津のみに停車する。概ね『しまかぜ』に継承され、さらに志摩磯部,津を通過するが四日市は停車となった。
デッキに設けられた『シーサイドカフェ』も、車内販売を行わなくなった今となっては無用の長物。何か使い道はないかと考えたくも、結局使い道はなさそうだ。
賢島から133分。今回目的とした3か所を回り、近鉄名古屋へ帰ってきた。長時間乗車した特急から終着駅へ降り立ち、旅の終わりを実感させてくれる。
(M)近鉄運賃:賢島→近鉄名古屋 2010円
久々の早朝出発に始まり、三重県内の普通鉄道路線を完全制覇。温泉や更なる伊賀牛料理、遊覧船への希望を含ませつつ。最後は蚊に苦しめられたこの日の行程も、残すは短く帰宅のみ。
(もうちょっとだけつづく)