2021年10月16日(土)午後3時34分 三重県伊勢市・宇治山田駅

12.宇治山田15:35発→賢島16:17着 特急ビスタカー7415/賢島行き 30113
 これから乗るビスタカーは8両で入ってきた特急のうち、後方の4両に連結されている編成。せっかく30000系『ビスタEX』に乗るのだからと、今回は2階席を指定したのだ。


 出入口扉は折戸で中央1か所にあり、それぞれ半室ずつ分けられている2階建て車両。2階席は天井の造作が印象的なのだが、これは1度目のリニューアルで2階部分全体を造り直しているためでもある。座席は2度目のリニューアルで交換され、22600系と同等のテーブル付きになった。


(S)BOSSクラシックブレンドカフェラテ(サントリー) 139円※軽減適用
 ということで"アフタヌーンコーヒー"と茶菓子を、いよいよ車内で頂くとする。コーヒー飲料そのものに特徴はあるかもしれないが、コンビニ限定程度では違いも限定的。

(S)季の羊羹・栗(赤福五十鈴茶屋) 550円※軽減適用
 風格ある装いの箱に入ったのは、栗あんとこしあんが2層になった立方体状の羊羹。上に栗がのっているものが、2個だけ。お味も上等といえば上等なのだが、やはり物足りない。


 さて五十鈴川からは森の中を進んでおり、鳥羽の近くまで来て海が現れる景色となった。


 宇治山田からこの鳥羽までが鳥羽線となる。伊勢中川から宇治山田が山田線、鳥羽から先は志摩線。3路線が一体となり、路線記号も[]で統一。さあここからは生涯過去に乗車していない、全くの未開拓区間だ。


 鳥羽水族館の横を通りがかる特急ビスタカー。付近には伊勢湾フェリーの鳥羽港があり、国道42号はこの航路を介して渥美半島へ続いている。賢島まで24km、三重県内"完全制覇"に向けてラストスパートが始まった。


 海に沿ってゆっくり単線で進む様相を見せた志摩線。しかしどうも、海から外れていくらしい。


 いつしか山間の路線となっている。複線区間にもなり、トンネルでは速度を上げて進んでいく。


 駅前にヤシの木が立ち、リゾート地らしい雰囲気の志摩磯部に停車。かつては『志摩スペイン村』の玄関口となっていたものの、現在では直通バスも廃止されすっかり寂れてしまっている。特急も『しまかぜ』は停車しない。


 2007年以降は、鵜方から『志摩スペイン村』への直通バスに乗ることとなる。さあ次はいよいよ終着駅、賢島だ。


 実はこの賢島、わずかに陸続きでない。このため2016年の伊勢志摩サミットでは、賢島へつながる橋を事実上封鎖したとされる。近鉄志摩線も部分運休し、関係者はバスで賢島へ連絡した。


 宇治山田から乗ること42分、最終目的地となる賢島に到着。ようかくこれで三重県内の普通鉄道路線は、すべて制したこととなった。(四日市あすなろう鉄道については、近鉄時代に乗車したため含めている。)


 駅名標を見てもわかるように、ここから先に駅はない。駅番号はM93となり、京都(B01)から繰り上がることなく93駅分もの通し番号となる。大阪難波(A01)からは大和八木(D27→D39)近鉄名古屋(E01)からは伊勢中川(E43→M61)で。それぞれ番号が繰り上がっている。


 ホームは頭端式となっており、3面5線に加えて降車用ホームという構成。ここから先に線路は通じていないのだが、かつては0.3kmほど先に真珠港なる駅があったという。


 改札は自動改札が幅の広い1通路と、通常幅となる1通路。加えて係員による"手動式"がある。開口部は広く持て余し気味であり、使われない部分が固定柵で塞がれている。このところ、リゾートでにぎわっていた名残だろう。発車案内は特急と普通で分けられ、方向では分けられていない。


 駅の2階には『伊勢志摩サミット記念館』なるものがある。午後5時まで無料見学できるようなので、見ておこうか。


 館内は撮影もできるという。壁面には日本国における開催地が決定されるまでの流れや、サミット開催時における全体の流れなどを紹介するパネル。各国首脳へ贈呈された記念品なども紹介されている。


 サミット(先進国首脳会議)は7か国の7名に加え、ヨーロッパ連合から2名が参加。実際に使用された円卓と椅子も、近づきつつロープの外側から収めておきたい。

 併設されているカフェはこの日の営業を終えていたようなので、そのまま記念館を後にしようか。

(つづく)