鉄旅リターンズプラス 第17弾

「こんばんは。前回は夏祭りの思い出と称して、2017年の岡崎公園前で開かれました打ち上げ花火を見ていただきました。夏祭りといえば、もう1つ2つあったりなかったり…。ということで、今回はゲストの方をお呼びしています。」


 ともに演者が熱烈な"ヤ党"というお二方。タチバナ・ニナさん(citrus)と、中田奈緒さん(球詠)。まさに強そうで、打ちそうなコンビだ。それにしても、なかなか似てない仕上がりなこと…。


 まあ詳しい話は後にして、時間を2015年9月4日の東京駅へ戻したい。

2015年9月4日(金)午後3時26分 東京都千代田区・東京駅日本橋口

 東京駅到着後は『ずんだ茶寮』の『ずんだシェイク』をまず目的とした。仙台で買って飲むことができるのだが、大丸東京店の1階にある店舗でも購入できるのだ。そして大丸東京店はというと、日本橋口にも近い八重洲口にあるのだ。


(現)ずんだシェイク(ずんだ茶寮) 288円
 バニラベースに、枝豆の粒が程よく残った"ずんだ"が入ったシェイク。風味、味とともに豆の食感が非常によく合っている。Sサイズに相当するほどの量しかないものの、非常に満足のいく1杯であったずんだシェイク。
めぐ「あ、さすが。」
さく「すっごいおいしいんだけど。」


 そしてシェイクは飲み歩きに適したもの。
さく「…終わった?」
めぐ「終わったし、飲みきってる。」
もも「いいから歩きましょうっての。」

 今回最大の目的は、神宮球場で野球を観戦すること。その最寄となる外苑前へは銀座線を利用することになる。
なぎ「でも本当、私らがこんな大都会の真ん中歩くとはな…。」
さく「貧乏性なのにね、リッチピープルいるけど。」
もも「私も貧乏性です。」


 さあ、日本橋駅までもう少し。高島屋の建物は歴史を感じさせる重厚なもの。そしてその前に巡回バスがいる。日野製ハイブリッド車両には、無料巡回との表記がある…。
もも「乗りたいくせに。」
めぐ「乗りたいけど、今日いきなりはダメ。」


 地下鉄はICカードを用いよう。概ね3分間隔で発車する銀座線。外苑前までの所要時間は15分とのこと。新型車両が順次導入されており、時間もあるので狙って乗ろうか。
さく「…案外すぐ来たりして。」
もも「そういうのはアンタらが決めることじゃないでしょうに。」


2.日本橋15:54発→外苑前16:09着 渋谷行き 1306
 いきなり新車が来るとは思わなかった。ありとあらゆるところの照明にLEDが用いられ、明るく近代的な車内。千代田線用16000系以降に投入されたメトロの車両は、走行機器にPMSMなるものが用いられている。モーターなし車両に乗ったものの、発車時に隣からチョッパ制御のような音が聞こえる。混雑気味とあって座ることはできない。

 地下鉄としては長い乗車時間。座って快適に過ごすどころか、かなり混雑してきている。それでも、赤坂見附である程度下車したため座席が空いた。座りはというと、名古屋市営N3000系らしくもやや異なるもの。短距離なら十分なものである。
もも「まーた私だけ座れない。」
さく「どうせすぐ降りるんだし、いいでしょ。」


 外苑前に到着。新型車両は1000系と名乗っており、これは初代銀座線の車両と同じ形式。車体色もそれを思わせる黄色いフィルムで覆われている。
もも「こういうのって、とりあえず人の向きに合わせていけばいいんじゃないの?」

 地上に上がる。ここから神宮球場へは徒歩5分とあったはず。
なぎ「…地図使うか?」
めぐ「じゃあ…。」


 スマートな携帯に内蔵されている地図で調べたところ、やはり人の進む向きにあった。沿線のビルなどに選手の垂れ幕やらが目立つ形であり、さらには屋台のように店が並ぶ。
もも「ほら、やっぱり。」
さく「だって土地勘ないんだし。」


 かくして、外苑前からは比較的短い距離を歩いただけで到着。神宮球場の開場時間は16時半とあったので、まだ早かったことになる旅行班。2013年から耐震補強と共に改修工事が施されており、レンガ調の外観となった。
もも「…何さ?」
めぐ「だってさ?」
さく「いいんじゃない?」
もも「今、レンガの話。…だっけ?」
めぐ「…何だっけ?」
なぎ「お前が忘れるなよ。」

 広島東洋カープの観戦試合は過去に2度実績があり、2007年はナゴヤドーム。2009年は新球場の開場初年度であり、見物目当ても兼ねていたもの。前者はともかく、後者の相手は寄しくも今日と同じ東京ヤクルトであった。
もも「あ、そう?」
めぐ「…それだけじゃないんだよね。」

 実は2試合とも、特にナゴヤドームでは負けたにもかかわらず10得点を挙げているということが挙げられる。加えて何かと乱打戦が多いとうわさされる神宮球場…。予告先発は東京ヤクルトが石川、広島東洋がジョンソン。
めぐ「今日はもう時間たっぷりあるし。」
もも「いいけどさ…。」
さく「でもホームランとか、打ち合いっていいよね。」
めぐ「それそれ。」
なぎ「大阪じゃ見れなかったもんな。」
もも「タカ派は黙ってて。」
さく「タカ派じゃないよ、タカガールだよ。」
なぎ「ガール…。」


 今回も"アッパーデッキ万能説"にのっとり、内野B指定の2階を選択。価格は2700円で、購入したのはちょうど1ヶ月前。まさかの新東名スーパーライナー10号と同時購入である。
もも「…そういえばさ?」
めぐ「…え?」
もも「え、じゃなくって。アンタいっつもこういうアッパーデッキ?」
めぐ「見やすいし。」
さく「そうだよ、正面とかで見やすいよ。」


 2階席はさすがの眺め。グラウンド全景はもちろん、遠めにはビル群もよく見える。屋根を支える柱が堂々と視界に入るところは難点だが、古い球場ゆえに致し方ない。おまけにこの時間は隙間から日が入ってきて暑い。
めぐ「いいよここ、前階段しかなくて開いてるし。」
もも「そりゃアンタはいいわよ。」
さく「でも置くとこ何もないじゃん。」
なぎ「…いいよな、足元広くて。」


 外野両翼は2008年に拡大(公表101m)されたものの、後に97.5mと判明したため相変わらず狭い球場として分類されている。人工芝も同時に改良型が導入され、今年改めて張り替えられた。ついでに外野指定席は購入段階でレフト側が完売しており、人気が伺える。
さく「赤くなるねぇ、あっちは。」
もも「そりゃあね…、今アレでしょ?」

(つづく)