2015年8月9日(日)午後2時47分 埼玉県鴻巣市
29.高崎13:53発→熱海17:40着 普通1887E/上野経由熱海行き サロE231-1077
北鴻巣から鴻巣にかけての景色は、田畑が多く海部津島地域と似ている。ただ、建物が印象として非なるものにしている。夏の暑さ、不快指数が似通っても仕方がない。
上尾まで来るとグリーン車も埋まってきた。普通車はどうなのだろう?
さく「外どうせ暑いし、中涼しいならいいでしょ。」
めぐ「まあね…。」
大宮で宇都宮線と合流し、新宿経由の線路が分かれる。隣はまさしく、宇都宮線から新宿を経由して横須賀線へ乗り入れる列車。上野東京ライン開業と合わせ、湘南新宿ラインにもE233系が用いられるようになった。
めぐ「ここからが本番だからね…。」
もも「寝もしなかったのに?」
なぎ「1時間ぐらい大丈夫だろ。」
さく「ま、信じようよ。」
めぐ「わかった、頑張ってみる。」
なぎ「…いいけど何を頑張るんだ?」
さく「寝ないようにってことじゃなくって?」
もも「大体よ、アンタらみんなまとめて。私もだけど、今まで何1つ頑張ってないじゃないの。」
赤羽までは京浜東北線と合わせた3系統が並走する。京浜東北線を各駅停車とみなし、中距離列車は快速として考えよう。上野東京ラインは湘南新宿ラインと異なり、さいたま新都心にもホームがあるため停車。かつての湘南新宿ラインは浦和にホームがなかったため、大宮から無停車であった。
なぎ「…不思議と速かったんだよな。」
さく「そりゃ、そのまま止まらずにスーーッと進んでくんだもん。」
なぎ「グリーン車だったし、音も静かで。」
上野発着の快速や特急が停車し、新宿経由の普通が通過した浦和。高架化前はホームがなかったというにしても、都市部で10分以上にわたって無停車だったのは不思議なことだったと…。
めぐ「…ごめん、逃した。」
もも「…あのさ?」
さく「最初から出しといたら?電源…。」
なぎ「電池があんまりないって言ってたろ。」
荒川を渡ると東京都に入り、程なく赤羽に着く。3系統が分かれるのはもう少し先、王子を過ぎてから。
これまで宇都宮線、高崎線系統しか停車しなかった尾久は独自の進化を重ねてきた。これからは上野を越え、東京や横浜へも直接向かうことができる。
もも「ダメよ、今更右がよかったとか。」
めぐ「わかってるけど…。」
京浜東北線と再合流し、日暮里からは常磐線も合流。スカイツリーは見え隠れしてタイミングが合わない。
めぐ「…前もって調べてもアレだし。」
もも「それよ。予習とかしといたら?」
なぎ「予習はしてたろ。」
さく「一応おまけなんだから、別になくてもいいでしょ。」
上野はもはや終着駅ではない。上野東京ラインの名前が示すように、ここから途中無停車で東京へ直結。宇都宮線や高崎線は、平気で熱海まで乗り入れる。常磐線の一部列車も、品川まで乗り入れるようになった。発車メロディーの採用は相互直通運転と同時ではなく、つい先月のことだったそうな。
もも「じゃあ…、今までって?」
さく「普通にベルだったけど。」
上野の駅前とビル街を見る。しばらくは留置線として使われた線路であり、これまでこの景色を一般乗客が見ることはできなかった。思えば昔、終電間際の上野駅…。
なぎ「常磐線快速で我孫子で居酒屋。」
めぐ「そうそう、あったあった。」
留置線が分かれると、いよいよ新しく完成した線路を通る。同時に速度も上げていく。
秋葉原を過ぎ、新幹線を上からまたぐため高度を上げる。この工事に手間取り、開業予定から遅れたとか。
もも「そんなのいいから。」
日本の首都、東京らしいビル街を眺める。高い高架橋、特に2階グリーン席からの目線が高い。
めぐ「いい感じかも。」
もうすぐ東京。秋田行きのE6こまちが、新青森行きE5はやぶさを率いて発車した。来年は、その新幹線線路が津軽海峡を越えるのだ。
さく「どう?うまく撮れた?」
めぐ「…新幹線はうまくいったけど、さっきのは柱にあたっちゃった。」
東京はもはや始発駅ではない。ここからはこれまでの東海道線と同じく、東海道新幹線と並走。700系がちょうど発車。ほんの3.6kmもの区間が開通しただけで、大移動となってしまった。
さく「…まだのぞみでやってるんだね。」
めぐ「一応、…ね。」
東京駅がなんとなく手狭になる中、一部を除く『踊り子』や『サンライズ』は頑なに東京始発を貫いている。品川を過ぎ、多摩川を渡ると川崎。
さく「…やっぱり川が境目なんだね。」
鶴見付近からは横須賀線系統と並走。横浜に着く高崎線からの直通列車。まとまった数の乗客が降りていった。
めぐ「もう流れでいい?」
もも「今までずっと流れに任せてやってきたじゃないの。」
実際に上野東京ラインと湘南新宿ラインが合流するのは戸塚であり、横須賀線と合わせて平面乗換えが可能となっている。『アクティー』ではないので、大宮から続いた"快速扱い"もここまでとなる。
さく「…別にもう寝たって。」
もも「あ、じゃあおやすみ…。」
平塚まで来るとグリーン車も空いてきた。国府津付近からは太平洋を眺められる。日も傾き始める夕方の5時。
なぎ「…あれ?」
めぐ「もう結構来ちゃった。」
なぎ「…早いな。」
めぐ「こんなもんだよ。」
(現)フロムアクア(JR東日本ウォータービジネス) 108円
小田原で5分停車。水分が尽きてきたのでホームの売店で買っておこう。側面の行き先は、以前より見られた東海道線単独の表示。
なぎ「そう慌てんな。」
(つづく)