2015年8月8日(土)午後2時45分 石川県金沢市・金沢城公園

 金沢城三御門のひとつ。二の丸への正門として、最も格式の高い橋爪門。復元されたのは今年の3月とのこと。金沢城三御門のもうひとつは、三の丸北園地に面した河北門。


 二の丸広場から、菱櫓と五十間長屋を見る。菱櫓と橋爪門北櫓をつないだ建物が五十間長屋。2001年に復元されたものであり、橋爪門と合わせて内部を有料(大人310円)で見学できる。白い壁とともに、屋根も白く輝いてまぶしい。
めぐ「…ルートってこっちでよかったっけ?」
もも「さあ…?」
さく「じゃあ、…一応リーダーなんだからめぐっち決めてよ。」


 金沢城には多種多様な石垣が残っており、場所によって石垣様式を使い分けていたという。
もも「…それで?」
なぎ「いいだろ、わからんならわからんで。帰ってから調べられるんだし。」


 重要文化財となっている三十間長屋は、1858年に再建された二層二階も多聞櫓。内部は無料で見学できる。
さく「見てみようよ。」
めぐ「いいけど…。」


 三十間長屋から玉泉院丸庭園と、市街地方向を眺めてみる。玉泉庵では、720円で抹茶と和菓子をいただけるという。暑い日は冷たいお茶を頂きたいものだが、冷水では抹茶が泡立たないのだ。


 急な階段を上がる。歴史的建造物らしく、三十間長屋の屋根造りは梁と桁が太い。
さく「…面倒臭くなってない?」
めぐ「…え?」


 三十間長屋を出たら、近くの木陰で休憩。主要な建物よりそこからの眺めが気になるというのが、旅行班らしいのだろう…。


 本丸園地に入ってみよう。木々が生い茂る中に設けられた遊歩道を歩く。
さく「…ちょっと歩きやすいことない?」
なぎ「あんまり日も当たらないしな。」


 そのまま歩き続けると辰巳櫓跡に至り、行き止まりとなった。21世紀美術館と周辺を眼下に見下ろす。
もも「21世紀美術館ってのはどうなの?」
めぐ「一応無料のとこと、有料のとこあって。」
もも「…私見たかったんだけど。」
めぐ「せっかくならまだ見てないとこ攻めようかなって。」

 地図をもう1度見て、ひとまず引き返そう。分かれ道を右へ進む。
もも「本当、大丈夫なのかね?」

 

 丑寅櫓跡からの眺めもいい。兼六園のほうを見ると、茶店通りがある。これはこれで趣を感じられそうなので、近くで見てみたいと考える。
 

 三の丸広場と、その奥の市街地も眺めてみる。今日はこれからどこへいけるか。そして、どれだけバスで回れるか…。
もも「やっぱりバスメインよ、向いてんのは。」

 

 本丸を囲う石垣。この石垣はいつ頃から現在の形となっているのだろうか?
めぐ「…もうピンチ。」
さく「ピンチ?」
めぐ「お茶とか残ってない。」


 鶴丸倉庫は1848年に竣工した重要文化財。城郭内に残っている土蔵としては国内最大級のものらしい。石板を貼った外壁は、櫓や城門と趣が異なるもの。

 鶴の丸休憩所へ…。
さく「冷房中につき扉開放ダメって…!」
めぐ「入っちゃうよ?」

 自動販売機も備えており、冷房の効いた屋内は快適。壁面には金沢城の歴史などが記されている。


(現)Toreta!(コカ・コーラ) 140円
めぐ「…これ飲んだかどうだかわかんない。」
なぎ「それよりあんまり居座ってもアレだろ。」


 土壁の造り。塗りこむ際はひび割れを防ぐため、壁土に藁を混ぜこむのが基本。



 改めて、外から鶴の丸休憩所を見る。
さく「…もういい?」
もも「他行くなら、これぐらいでいいんじゃない?」


 入場した石川門から退場するため、もう1度眺めてみる。見学もできたようだが、実際はどうだったのか。

 さて、金沢城址が史跡として整備されるようになったのはここ最近のこと。戦前は軍の施設として、戦後は金沢大学のキャンパスとして用いられていたらしい。今回は案内所にあったガイドマップを基に作成している。


 旅行班は結局、兼六園を見ることなく後にする。時刻はもうすぐ夕方4時。日の長い夏場なので灯りはまだ灯らないものの、確実に日は傾きつつある。それはこの日の行動を左右させるものでもあった…。
めぐ「…かき氷食べたい。」
もも「氷は昨日食べたでしょ。」
さく「そうじゃなくって、もっとふわっとしたのじゃない?」
なぎ「なんか…、京都でも。」
もも「よーし、来週は2人で京都よ。」

 ではここからはバスの旅を再開しよう…。
めぐ「…あ!」
なぎ「どうした?」
めぐ「これ、兼六園シャトルって終わってる?」



 この日は『金沢ゆめ街道』開催される。中心部を通る国道157号は一部区間が閉鎖され、バスは迂回を強いられることとなる。ここから目をつけていた兼六園シャトルは、もう運休となったという。
さく「…またやっちゃったとか?」
めぐ「…そういうわけじゃないけど。」
もも「バス乗りたいアンタが自分でやらかしたんでしょうに。」

 仕方がないので観光物産館前の乗り場をあきらめ、往路で到着した向かいにあたる乗り場へ。
さく「とりあえずどうする?」
なぎ「…反対の乗るしかないとか?」
めぐ「でもここで待って、乗れるの乗っとくってのもあっていいんじゃないかなって…。」

 金沢周遊バスと兼六園シャトルは専用のロケーションシステムがあり、現在の位置が確認できる。左回りルートが反対側を発車していったのに対し、右回りルートのバスはなかなか来ない。これとは別に一般路線の接近システムがある。
もも「もうあんまり回れないかもね。」
めぐ「もうちょっと乗りたいよ。」
さく「まあいいじゃん、一応元は取れたんだし。」

(つづく)