2015年8月7日(金)午後6時47分 福井県敦賀市・敦賀駅

 交流施設と称して生まれ変わった敦賀駅。先に完成していた跨線橋はエレベーター、エスカレーターが備わったもの。しかしながら、改札部分は旧来の駅舎から変わっていない。
もも「本当、アンタらったら…。」
さく「もう行かなきゃまずいんじゃない?」
もも「そういうとこよ。自分で適当に考えて、見るとこ見れないで…。」



8.敦賀18:51発→福井19:54着 普通261M/福井行き クモハ521-33
 いたのは2本つないだ4両編成で、前後とも新車にあらず。座席は空いているものの、バラバラに座っている状態。適当な席に座っておこう。
もも「…そういえばだけど、今日無駄にアンタら荷物多くない?」
めぐ「これ?今度また…、超もーのーすごいの考えてて。」
さく「それの試金石みたいな?」
めぐ「それ…、言うつもりだったのに。」

 発車すると程なく北陸トンネルに入り、120km/hという高速で走行。抜けるとまるで霧がかかっているかのように外側の窓が曇り、南今庄の駅はよく見えなくなってしまっている。
なぎ「…寝ようか。」


 今庄で特急列車の通過を待つ。夜7時を回り、辺りは暗くなってくる。車窓の曇りはあくまで温度差による現象であり、天候が悪いということはない。ところで521系のドアボタンは225系と同じもの。ボタンの周囲が光るタイプでありながら東海などのそれと異なり、押し込みが深く形もやや小さい。

 ここからは外の景色も見られなくなるので、寝ておくのがいいだろう…。
なぎ「…どう?」
めぐ「…こういう時にあまり寝れないのよ。」

 63分で到着。特急は7分後のしらさぎ13号と、13分後のサンダーバード37号。前者は681系で、6月にも乗っている。後者は683系の0番台が用いられることも…。
さく「急いでもよくないし。」

 福井にも特急用の券売機があり、特に並ぶこともなく買えた様子。
めぐ「そばとかもあるけど…。」
さく「いいけど時間ないよね?」
めぐ「ないからパスなのかなって。」


 水だけを買い、特急サンダーバード37号を待つ。隣にいる金沢行きの普通は、乗ってきた車両と同タイプの521系中期車で4両編成。『危険です。ここは、車両連結部です。』と、注意放送が流れっぱなし。耳から離れない。
めぐ「…これ時計合ってる?」
なぎ「何が?」
めぐ「このデジカメってたまーに時間ずれたりとかするし。」

 実際はどうか?携帯の時計と比べてみる。
めぐ「…あれ、合ってたっぽい。」
なぎ「となれば…、遅れていると。」


 7分ほど遅れて入ってきたのは9両固定編成。
さく「…適当。」


9.福井(20:07)20:14発→小松(20:37)20:44着 特急サンダーバード37号/金沢行き サハ683-4704
 夏休みの金曜日。誤って乗ってしまった付随車の自由席は、家族連れも多く結構埋まっている。とりあえず通路側に座ることができ、背面テーブルがあるので食事にもあまり困らない。


(A)おむすび&おかずセット+天然水(セブン-イレブン) 合計396円
 敦賀や福井でこれまで利用していた『ステーションピットちゃお』も、『セブン-イレブン・ハートイン』に転換。簡素な晩餐も、家の近所で買うようなもの。

 遅れ幅は7分。それでも小松では乗る予定の普通へ。金沢では北陸新幹線つるぎ728号への乗り継ぎ時間が、それぞれほとんどなくなってしまった。やんわりした暖色系照明が照らす車内は、にわかに緊迫ムードと化す…。

 30分で小松に着く。普通列車は小松始発であり、"中線"のあるホームへは階段を使わなくてはならない。


10.小松20:45発→金沢21:17着 普通661M/金沢行き クモハ521-39
 大急ぎで乗り継ぐ先には新車がいた。金沢行きは2両でクロスシートもほぼ埋まっており、乗車時間も短いのでロング部に座る。硬い座席ながらも、座りが悪くない。そして照明がこれまでの車両と比べて、なんとなく白っぽい。ドアは225系と同じもの。
もも「こういうとき大荷物だと困るの。」
なぎ「…お前こそ。」
もも「アンタらみんなそうじゃない。どういう風の吹き回しだか知らないけどさ…、超ものすごいのってなによ?」
めぐ「一応、これ力入れてるし。」

 

 

 

 吊り輪は2009年以降に投入された車両と同じく黄色系。従来よりサイズも大きく握りやすくなっただけでなく、数も増やされた。
さく「どんどんドーナツ、どーんといこう!…みたいな?」
めぐ「やっぱり?」
もも「アンタら絶対趣味とか全く同じでしょ。」

 実のところ、ロング部に座ったほうが眠くなりやすい。景色などは見えないので、これでいいのだろう…。


 到着。225系と比べて丸みを帯びており、強さの中に柔軟性のある面構え。広島地区に投入が進んでいる227系も同じマスクを持ち、大阪環状線用として導入予定となっている323系(3ドアオールロング)もまた同じ顔つきらしい。隣に停車しているIRいしかわ鉄道の車両もそう。


 夜9時半前の金沢駅。兼六園口には大きな屋根が架かっている。



 旅行班だからこそ、駅の正面も忘れずに押さえたい。青春18きっぷはひとまずここで区切っておこう。
もも「こんな夜の金沢なんか初めてかも。」
さく「まあ、夜は…」
もも「ネットカフェでしょ?」
さく「そうなんだけど。」

(つづく)


舞「はい、とりあえず初日の行程もここまでとなりますね。加古川から福知山回って、小浜線ですか…。随分欲張りなことをよく思いついて、実行できたのがすごいと思います。さすが、最高傑作です。ひとまずはこれにて失礼します。」