8月14日…、日本スポーツ&ボディ・マイスター協会が制定した『裸足の記念日』。そう言いつつ、なんだかんだで足フェチな話をこじらせる。今回はあの子に焦点を当てようか。

 足の大きさを比べようと裸足になり、足裏や足指を比べてはさらに合わせ。制服裸足とか靴下を脱ぐ仕草…。要するに自己満足。

(1)大きすぎて嫌いだったのに…

 いつからだろう…、私は背が高くなった。それも必要以上に、背が高くなった。

 そんな高身長に比して、支える"足"も必然的に大きくなった。何が嫌かって、足の指も長くなったことだ。こんな"デカ足"だから、晒したところで見られるのは当然だ。裸足になりたくない、見られたくない。

 それ以前にオシャレな靴など似合わないし、サイズもない。だから男女兼用のスニーカーばかり履いている。靴下も欠かせない。

 だからなのか身体測定など、靴下を脱ぐ場面があれば同級生。特に同じ女子の足を見てしまう。私ほど大きい子はいないし、当然足が小さければ指もそこまで長くならない。裸足にならなくてよければ、靴下を脱がないようにしていた。

 それから色々あった。友達もできたし、何より他人に嫌われるほうが怖くなっていた。裸足にならなければならない場面も、その間幸いにしてほぼ訪れなかった。身体測定なども極力"デカ足"を見られないよう、手早く終わらせた。

 そんなある日、友達の1人から突然言われたこと…。


「その靴下…、脱いで見せてください!」

 人に見せたくなくて、隠し続けてきた"デカ足"。こんなの見たら幻滅するに決まってる。でも頼みを断って、嫌われたくもない。

「…ダメって言ったら?」


 そう言いながら、靴下に手をかける私がいた。

 サイズなど、とうの昔に忘れたほどの"デカ足"。自視するのも躊躇するような、長すぎる足指。とうとう人前に晒し、見られてしまう。息が足にかかり、何とも言えない感覚。こんな足…。

「白、すっごいきれい…。」

 え…、今。こんな醜い"デカ足"を、白くてきれいって…。確かに人目を避けてたから、日焼けしてなくて色白なんだろうけど。特にこんな足指、どこがきれいなのかわからない。

「もう…、いい?」

 軽く褒められたところで、これ以上足を見られるのは耐えられない。そしてまた靴下を履きなおし、お互い何事もなかったかのように振舞った。これがどうも落ち着かない。褒めていたのは本心か、それとも幻滅させないように…?


(2)褒められて逆に恥ずかしくなった

 悶々とした日々を過ごしてもう少々し、またしてもそれは突然のこと。別のクラスメートから問い詰められたのだ。

「アンタの足さ…、靴下脱いで見せなさいよ。」

「…ダメって言ったら?」

「ダメじゃない、ほら。」

 今度は言われるがまま、靴下に手をかける私がいた。自視できない"デカ足"と長すぎる足指を、再び見られてしまう。あの日以来悶々として、足の裏に汗をかきやすくなってもいた。

「何これ…!」

 褒められてはいないはずだ。しかし彼女の吐息は荒く、そのまま足にかかってきた。さらにあろうことか、彼女も履いていた靴下を脱ぎ始める。裸足になった足を、見せつけるように。

「アンタも…、足。見なさいよ、何とも思わないわけ…?」

 同じ女子の裸足なので、反応に抗えず見てしまった。当然私ほど足は大きくないし、指も相応なほどで極端に長くない。しかし吐息が荒くなり、足にかかったのかもぞもぞと。動きが妙にいやらしい。足裏も汗ばんできて、色気を強くさせる。

「…同じなくせに。」

「こんな、どこが…?」

 なすがまま、互いの裸足を比べられる。もちろん私の足は大きいが、色白であっても色合いが彼女と違ってたりする。私の足はどちらかといえば黄味があり、彼女の足は薄い桜のような色。

 それに、長すぎるはずの足指。遠近法を用いて同じ大きさに見せたら…、確かに私の指は長い。しかし甲の大きさで比べれば、バランスなどに彼女と極端に…。足が大きいからといって、必ずしも"比率"に大まかな差があるわけでもない。

 何より人それぞれ、形が違うものだとはっきりわかった。私の足は人差し指が最も長く、見られたくなかった要因でもある。対して彼女は足の人差し指がそこまで長くなく、親指が大きく見えた。足の甲は私のほうが高いらしい。

 足の裏も見比べてみる。やはり幅も比例して、私の足が明らかに広い。しかし遠近法を用いたら、彼女の足が少し広く見えてきた。色合いはわかりやすく、私は黄味と共にほんのり赤みがかったり。彼女はまさしく"ピンク色"という言葉が思い浮かぶ。

 土踏まずの凹みは私と彼女で、あまり変わらなかったと思う。その部分が色白いままで、グラデーション状に色づいた足裏がそそられた。彼女のならばともかく、見たくなかった私の裸足なのに…。


(3)やっぱり、他人からどう思われているのか

 彼女と私。裸足の足を見比べつつ、体は熱く。脳内もどこかおかしくなっていた。その時、教室の扉が開く…。

「あっ…!」


「いや…、違うんだ!それ…。」

 彼は友達の1人で、裸足になった"デカ足"をきれいだと褒めてくれた人。特に覗き見る意図はなく、忘れ物を取りに戻ってきただけらしい。

「アンタもまた余計なことしてくれて…。」

「ああ、わかったわかった。帰るって。」

「じゃあさ…、決めなさいよ。どっちの足が好きか。」

 今度は彼女と私、大きさも形も違う。そんな裸足の足を"第三者"に比べられるのだ。また悶々とする。触れられそうになる。

「っ…!」


「あ、ごめん…。なんかすごい…、2人ともすべすべっていうか。」

「もう…、いい?」

「ああ、もういいわよ…。そう言うんならさ。」

 ようやく靴下を履きなおさせてもらえた。彼も忘れ物を取ったら、そのまま離れていった。それでもまだ足元が落ち着かない。彼女もまた、裸足を比べられて悶々としていたのだろう。

「アンタも…、もっと自信持ちなさいよ。」

 また、互いに落ち着かない日々が続くだろう。オシャレな靴など似合わないし、そもそもサイズがない。だからこれからも男女兼用のスニーカーばかり履くし、靴下も欠かせない。それ以上に…、なんだか色々と楽で落ち着くのだ。


 また…、例によって。この話もグダグダに終わってしまったな。
(おわり)