2013年1月7日(月)午後3時27分 石川県羽咋市・羽咋駅に到着
 2006年に泣く泣く折り返した羽咋で、普通列車は19分停車。ここにもお目当てがあったので、当然外に出てみるとする。


 と、そこにいたのは…!?
ももか「…わかったから、石造にしゃべらせないで。」
さくら「いやいや、これ結構あれなんだって。前…。」
めぐみ「見たかどうかわかんないけど、たぶん忘れたかも。」


 とある漫画を模したとされる、有名な"セリフ石造"は他にもある。しかし羽咋が"UFOのまち"とはこれいかに。
ももか「…やんないわよ?」
なぎさ「いや、別に求めてもない。」


 2006年時点であったとされる石造のリベンジだけで、この羽咋は終わらない。唐戸山神事相撲は『水なし、塩なし、まったなし』。
めぐみ「…ごめん、よくわかんない。」


 帰ってから調べたところ、大変長い歴史を持つ相撲大会とのこと。この時期は"シーズンオフ"なので、見に行くにも予算上簡単ではない。ということで戻ろうか…。


20.津幡14:45発→七尾16:14着 普通847M/七尾行き モハ414-805
 濃赤一色となった415系は、投入された際にボックス席が大きく改良されている。座面,背もたれともボリューミーなボックスが空いたので、そのまま陣取るとした。
なぎさ「…お前まさかここで?」
ももか「…言ったよね?」
めぐみ「…まあそうだけど。」


 羽咋で19分停車していた間。駅の外で石像を見ただけで終わらず、駅に戻ってから売店で『くるみゆべし』を買い足している。
なぎさ「…ああ受けてやろうか。」
ももか「本当にいいの?」

 それでは恒例、リーダーの味見。
めぐみ「…これ甘くない。」
ももか「え?」

 プレイボール!購入したくるみゆべしが甘くなくても、早く詰め込めば勝ちというのがルール。
さくら「味わってよ?別に無理しなくたって…。」
なぎさ「あ?」
さくら「いえ、なんでも…。」

 最初に詰め込んだ姫様の勝ち。
なぎさ「…まあいいけどな。満足したか?」
ももか「今日はね。次あったら今度こそアレよ…、本気出させてよね。」
めぐみ「……?」
なぎさ「いや…、お前がもっとわかりやすいの選べよ。」
めぐみ「はい…。」


 ふと窓の外を見ると、沿線に雪が見られる。しかしどうも雲行きが怪しいようだ。
さくら「…雨?」
ももか「雪じゃなくって?」

 1駅手前の徳田で思いのほか客が乗ってくる。ここまで自由に過ごして来れたところ、一気に慌ただしい。
ももか「…またご不満でも?」

 程なく七尾に着く。ここからJRの普通列車は乗り入れないので、のと鉄道の車両に1駅だけ乗ることとなる。これで"あのラッピング"が来ればパーフェクトだが…。
なぎさ「そっちか…。」
さくら「ま、そう簡単には来ないでしょ。」



21.七尾16:19発→和倉温泉16:24着 普通141D/穴水行き NT212
 ここまでと同じ考えなら、後ろのごく一般的な車両だろう。のと鉄道のワンマン列車は有人駅でも無人駅と同じ扱いなので、前の車両からしか乗車できない。徳田で乗ってきた高校生らしき客が引き続き多く乗る。
ももか「だからって後ろ行かなくたっていいのに…。」


 津幡から99分で和倉温泉に到着し、やはり前からしか降りられない。前の車両は"永井豪ラッピング"であり、これも当然1両しかない。このラッピングは2019年まで施された。


 駅前に出て、駅舎の写真を収めるのはお約束。ここまでがJRなので、18きっぷで来れるのもここまでとなる。
ももか「…それでいつものようだけど、特に何もないわけね?」
さくら「何もないけど。」


 今回は当日中に帰らなければならないので、『和倉温泉』駅に居られるのは30分だけ。とはいっても駅から温泉街までは距離があり、30分では往復もままならない。超薄型の信号機で茶を濁すとしよう。
なぎさ「でもこれよくできてるよな…。」
ももか「アンタもだけど、どうなってんのよ?」

 この時間、すでに和倉温泉まで乗り入れる特急はない。そのため金沢までは必然的に普通列車を乗り継ぐこととなる。さあ帰りこそどうだろうか…?
めぐみ「…あれ?」
ももか「接近のアレよね…?」
さくら「あの小さいのから…、なんだろう?民謡?」


22.和倉温泉16:54発→七尾17:00着 普通142D/七尾行き NT203
 帰ってから調べたところ、接近表示機からは『和倉音頭』が流れていた。それに乗せて来た七尾行きは、結局2両ともごく普通の車両。次の乗り継ぎを考えて前の車両を選ぶが、これまた結構な乗車ぶり。前期型の1列2列の、223系に似た席に座れるので座っておく。
めぐみ「悪くないかも。」
さくら「…また雨降ってない?」

 雨の降る中、6分で七尾に戻ってきた。乗車した車両(NT203)にラッピングが施されたのは、2014年から2016年にかけてのこととなる。


23.七尾17:06発→金沢18:27着 普通856M/美川行き モハ414-805
 これまたボックスは埋まっている、おなじみの壁際は空いていたので、陣取ることとした。
なぎさ「…寝るか。」
ももか「…寝ればいいじゃないの。」

 初日4時半頃起床で、それからここまでロクに寝ることなく36時間以上経過。既に外も暗く、眠いのも無理はないので寝ておきたい…。

 往路と違い、羽咋での長時間停車はない。ボックスが空いたので、ここからはボックスに座ろう。113系改造の415系ではあるが、元々は急行にも使われたとあって形がいい。そしてあとはまた、寝られるだけ寝ておくだけだ…。

 そこそこ眠れたはず。どうも落ち着かないのは、慣れない座席のせいなのか。また違った座り心地も味わえただけよかったといえようか。
さくら「…それで寝れたの?」
めぐみ「一応…、ないよりはマシかも。」

 復路も交直切り替えがあるが外は暗く、照明が落ちた後の"補助照明"はまさに"おやすみの時間"。惑わされることなく交流区間に入ったのを見届け、和倉温泉から93分で金沢に到着。ここから小松まで特急を使わなければ、当日中に名古屋へ帰れない。

 浮いた予算もまだ残っているので、この機会に加賀温泉まで特急を使っておこう。別運賃と自由席の合計は1人1470円となる。富山始発の列車はすべて683系4000番台になり、お目当ての車両こそそれである。
ももか「…正直、乗りたいだけでしょ?」
めぐみ「まあね。」


 ともあれ、これであとは帰るだけだ―
(つづく)