2013年1月7日(月)午前6時7分 新潟県妙高市・妙高高原駅
やはり来たからには駅前にぐらいは出ておきたいもの。しかし今日はあくまで直江津行きを迎えるだけなので、15分しかいられない。
ももか「でも出たら今日、ここ終わりでしょ?」
なぎさ「足元滑るぞ。」
ももか「…わかってること言わなくたっていいのに。」
朝6時の妙高高原。この時間の駅前は当然のようにひっそりしており、見事なまでの凍りよう。
さくら「…出たはいいけど15分で何するわけじゃないし。」
ももか「じゃあ寒いし戻りましょうよ。」
さくら「…いいけど慌てて転ぶのなしだよ。」
ももか「アンタらみんなそう言ってさ…」
なぎさ「別に、行きで転ばなかっただけいいだろ。」
近くでは除雪車が作業をしているようだが…?
めぐみ「…あ、逃しちゃった?」
ももか「見れたんならわざわざ言わなくていいの。」
駅舎の中は凍っていないので問題ない。それに対し、外は氷点下。
さくら「…また転ばない?」
なぎさ「もういいだろ。」
湘南色の115系3両が回送で入ってきた。ホームの上に架かる屋根は役に立ってないのか?
なぎさ「…座っとくか?」
めぐみ「雪付いてるからいい。」
さくら「払えばいいじゃん。」
12.妙高高原6:19発→直江津7:09着 普通1327M/直江津行き モハ114-1059
新潟のリニューアルながら湘南色。行先の英字も新しめで、違和感があるような…。
さくら「でも西日本と比べ…」
ももか「それより風とか中に入ってきて冷たいから早く閉めなさいよ。」
めぐみ「閉めても寒いんだって。」
ももか「…じゃあいいけど。」
まあ暖房が利いているだけいい。こういう時は上着を窓際に…。
ももか「そんなんでいいの?汚れるじゃない。」
夜が明けてくる光景はやはり美しい。今日は特に晴れたので、より美しい。
ももか「今日は城端線と七尾線で…?」
めぐみ「まあ昨日とそう変わらないけど、まだ全部乗ってないし。」
ももか「全部ね…、いつよ?」
めぐみ「え?今日じゃないの?」
ももか「そうじゃなくて、途中までいつ乗ったかってこと。」
2日連続、二本木のスイッチバック。外もまだ暗いので、写真は別にいいだろう。それはともかく本日はこれまた"過去の恨み"。
さくら「城端線はないよ。前乗ったのは氷見線。」
ももか「…まあわかってるけどね。そん時の七尾線、…羽咋までだっけ?そっからずっとこのメンツよ。」
さくら「はいはい。」
夜明けの銀世界。ダイヤモンドダストではないだろうけど、巻き上がった雪が美しく舞っている。羽咋までしか乗らずに終わったのは2006年大晦日の話。
ももか「…でも電鉄富山とか別にいいんじゃない?」
さくら「あ、それも乗りたくて組んだから。」
なぎさ「そうか?城端線乗る前に時間余るとかなかったか?」
さくら「それも兼ねてるけど。」
ももか「富山の軌道環状線は乗りたいだけでしょ?」
めぐみ「…そうですけど。」
新井からは乗る客がそこそこいる様子。外も完全に明るくなり、今日は昨日とうってかわって晴れ模様だ。
なぎさ「あぅ、また外アレだ。バチバチ。」
さくら「まだ凍ってんじゃない?それか、ちょっと溶けたシャーベット。」
高校生らしき客が多くなり、比べて雪が多くなかった直江津に着く。この列車はそのまま長岡行きになるようだ。その後新潟地区はJR東日本で最後に115系が活躍する場となったものの、車両そのものは長野から転属してきたものへ置き換えられている。
乗り換えの10分間に買い込む朝食はおにぎり1個ずつだけ。"食パンマン"こと419系亡き2013年初頭、直江津に来る西日本の普通も急行型かその改造車だけ。
13.直江津7:19発→魚津8:45着 普通534M/金沢行き モハ474-52
乗るのは原形をとどめた急行形で、ごく一般的なアイボリー調に青帯という塗装模様。国鉄急行色の編成を含めて、北陸地域色たる"青一色"にされていない編成が多数を占めていた。
ももか「また貧乏くさくなっちゃったわね…。」
なぎさ「そうか?これなんかテーブルあるぞ。」
ももか「そうじゃなくってさっき買った朝よ。」
めぐみ「だってもうちょっとでもお金とか…。」
ももか「そうお金ぐらいでさ…、何のための空白なのよ?」
新潟県内は海沿いの複線を、最高時速110kmで飛ばす様子はなかなかのもの。
思えば過去、直江津から北陸本線を走る急行型に乗る前は必ずと言っていほど特急型に乗っていた。当然気密性には差があるのだが、長野から直江津までは単線中心でカーブも多い。対してこちらは複線でカーブは少なく、高速で走行できるのだ。
ももか「ほら、絶対さっきまでが遅かったのよ。」
なぎさ「…これちょっと怖くないか?こんな古いのに海風受けて速いし。」
さくら「でも言うほどじゃないよ、風入ってくるけど。」
有間川は海沿いながら、ホーム上にも雪が見られた。周囲に何もなさそうな風景が、どこか哀愁を漂わせる。では朝食の時間としようか…。
さくら「本当、おにぎり1個だけでいいのかな…?」
ももか「昨日あれだけ食べたんだからしょうがないじゃないの。」
さくら「…これ好きで選んだの?」
めぐみ「え…、これダメなのだった?」
さくら「ダメじゃないけど。」
前日の"連続攻撃"が効いたのか、腹持ちは割とよさそうだ。そして"バカな旅行班"を乗せた475系電車は、長いトンネルの中にある"例のポイント"へさしかかる…。
めぐみ「…あんまり見た記憶ないのよ。」
さくら「何度も通ってるのに?」
めぐみ「そうなんだけど、トンネルの中のホームとか…。」
ももか「別にいいんじゃない?」
なぎさ「有名どころ無視すんのか?」
ももか「そんなこと別に言ってないじゃない。」
(つづく)