和倉結名さん(花咲くいろは)を、長野に呼びつけたかったという話。今回は2013年1月の話なのであまり関係しなさそうだが、大きく関与するのが北陸新幹線。ならば"もう1人の先輩"を金沢へ呼びつけるのが礼儀だろうが、あくまで気分次第と…。

 …にしてもお嬢様らしい巻き髪が、描きづらいのなんのって。


 では本題。2013年1月6日に名古屋を出て、木曽福島,塩尻,篠ノ井,長野,直江津,長岡と北上。新潟へと乗り継いだ後、信越本線を戻って春日山。雪の降る中でネットカフェへたどり着き、夜を明かした。2日目の早朝から始めよう。

2013年1月7日(月)午前5時8分 新潟県上越市・快活クラブ上越市役所前店

 深夜8時間パックとして扱われ、休日なので1人1600円となった。
なぎさ「おはようございます…。」
ももか「朝1本目のに乗る気ね、5時半の。」
めぐみ「正直もう1回だけでいいから乗っておきたいのよ。」
ももか「…快速の妙高?」

 5時31分発、長野行きの朝1本目は唯一快速運転を行う『妙高2号』。直江津行きの1本目は朝7時の列車で、『妙高2号』に乗れば妙高高原からその列車に乗ることができるということ。おまけに直江津行き『妙高』の指定席はグレードが必ず低く、その車両は長野行きで自由席として扱われる。
めぐみ「正直、もう1回乗っておきたいのよ。」
ももか「わかったから、早く行かなきゃ間に合わなくない?」


 最終日スタート!そしていきなり最大の山場を迎える…。
めぐみ「昨日よりは悪くないよね…?」
なぎさ「まあな…。入ってからも雪降ったとかで…」
さくら「それじゃない?外の、下凍ってその上からまた雪積もってさ。」

 新しく降った雪が意外と滑らない。
なぎさ「あれはもうダメだな。」
ももか「だからってタクシー呼ぶわけにもいかないでしょ?」


 それでも慎重に歩くに越したことはない。交差点を曲がり、雪中行軍はまだ続く。
さくら「下どう?」
めぐみ「まだ濡れてるかな?」

 それでも行きと比べれば大きな問題もなく、高架下まで来ることができた。少し時間があるので、万全を期して大回りをする。登り階段の部分は"登り勾配のよう"なのか…?
めぐみ「まだちょっと怖いよ。」
なぎさ「慌てるな。」

 駅前は濡れた路面がそのまま凍った状態で危なっかしい。結局大回りに時間を費やし、時間ギリギリとなった。



11.春日山5:31発→妙高高原6:04着 快速妙高2号/長野行き クハ183-1528
 行きに乗った国鉄特急色で、乗るのは先頭の"簡易リクライニング"。最高時速120kmだが、行きと同じく100までしか出さない。
めぐみ「これね…、前乗ってやられたの覚えてる?色違うけど。」
なぎさ「ああ、こういうやつでか?」


 座席はセンターアームレストのない旧来の1段階リクライニング座席で、動かすと座面が前に出る。棚はパイプ式。照明は昼白色の直接照明だけ。天井にあるカバーも古めかしいまま。背面テーブルもない。

 色合いは青とグレー系のツートンで、3年弱前の『ムーンライトえちご』の色違いに過ぎないのだ。
さくら「あれは紫と…、灰色じゃなかったっけ?」
めぐみ「そんなのだけど。…まあこれでだませるからいいかな?」

 高田から妙高高原までの途中は新井のみに停車。真っ暗なはずの外からはバチバチと閃光が鳴り響く。
さくら「ああやっぱりまだ外凍ってるんだ…。」

 二本木のスイッチバックももちろん通過。架線に着き凍った水分に電気が反応してスパークを引き起こす。中は暖房が強めにきき暑いぐらいか。
ももか「…こんな朝6時前にあんなとこから誰が乗るのよ?」


 朝6時の妙高高原に着く。このまま長野まで乗車すれば行程上戻ってこれないので、降りるほかに選択肢はない。
めぐみ「ああ、ドア…!」
ももか「何よこれ!?」


 ドアやデッキにまで雪が入ってきており、降りるにも危ないほど。ホームにも雪がびっしりついており、滑って転べば一大事。そしてこれが最後に乗った『妙高』となった。
めぐみ「…だ、大丈夫?」
さくら「慌てなきゃ別にいいでしょ。」
ももか「いいの?」

(つづく)