2013年1月6日(日)午後7時39分 新潟市中央区・新潟駅9番ホーム

 次に乗る『快速くびき野』は仮設頭端式切欠きホームの9番線からの発車であり、ここにきて距離の離れた移動を強いられた。そしてドアも開かず外で待たされ、そこに結構並んでいる。選ぶのは当然、中間車の"モハ"。


 方向幕にある『快速くびき野』の文字は青系で、そこだけ新しめのゴシック体。行先は国鉄由来のフォント。
ももか「…ここじゃなきゃダメなの?」
さくら「他も大体同じぐらい乗るならちょっとでも乗りたいほう乗ったほうがいいじゃん?」


10.新潟19:56発→新井22:22着 快速くびき野6号/新井行き モハ484-1010
 結局のところ、グレードアップ車両らしいFRPの窓枠がよかったのだろう。3000番台でない場合、他の車両の座席はともかく窓枠は元の金属そのままであろうし…。
さくら「これあの中でも結構いいのだったと…。」
ももか「あ、やっぱり?」


 座席はセンターアームレストの付いた、フリーストップ式リクライニング座席に交換されている。モケットの色は3000番台と同じものとなり、背もたれ部分が青でとそれ以外は黒。グレードアップ車両らしく、座席部分が1段高くなっている。棚に読書灯があり、昼白色の直接照明だが天井にあるカバーは凝ったものになっている。そんな数あるタイプの中でも結構いい車両であろう4号車は、発車前になると座席は結構埋まり新潟を発つ。
さくら「……。」
ももか「…あれ、晩酌しないの?」
さくら「…乗ってるのに変なことしちゃまずいじゃん?」

 新潟を出ると次は新津に停車し、その次は加茂まで停まらない。小海線のハイブリッド車両に乗ろうとした場合、加茂から乗ることとなっていた。ここで関西本線の話はよしたほうがいいのだろう…。
なぎさ「…寝るか?」
めぐみ「…寝ていいのかな?」

 結果として、小海線に乗ると『イタリアン』の食べ比べができなくなるため没案となったということ。乗客はあまり加茂で降りず、次の東三条まででも座れなかったかもしれない。
めぐみ「…あんまり寝れない。」
なぎさ「そうか…。」
めぐみ「…私もう1回あのハイブリッド乗っておきたいって思ってて。どう?」
なぎさ「…そう決まったらまた頼むな。」

 東三条からは特急と同じように見附、長岡と停車していく。最高時速120kmだが快速では100までしか出さい。足元は開いているものの、フットバーと横の暖房ダクトが足元を少々ぎこちなくしている。シートピッチが拡大されたと同時に、やや窓割の合わなくなったところも気になるか。
さくら「何かない?」
ももか「…アンタ本も音楽もないわけ?」

 くびき野6号へは長岡からも乗ってくる様子。そこから特急と違い、次の宮内にも停車。
めぐみ「…きつくない?」
なぎさ「…立ちっぱなしよりマシだろ。」
めぐみ「…寝ていいからね。」

 宮内からはまた特急同様となり、柏崎までひたすら通過。外は雪のようで、窓の外に着く水滴はシャーベット状。
ももか「…こういう時寝れないから困るのよ。」

 夜9時を回り、もちろん外の景色は見られない。特急とほぼ停車駅が同じとあって、柏崎から海沿いを柿崎までノンストップ。そして核心に気づいた旅行班。
めぐみ「…なんかこれ高速バスっぽくない?」
なぎさ「あ、ああそうかそうか…。そうだよな、こんなリクライニングあって…。」

 柿崎から直江津まで"高速バスのように"疾走。結局座席は終始空かず…。
ももか「これ次乗るときはちゃんとしてよ。」
さくら「…いいけど次いつ来るかわかんないよ?」

 そして直江津でかなり降りていった。


10.新潟19:56発→春日山21:59着 快速くびき野6号/新井行き モハ484-1010
 直江津からは落ち着き、各駅に停まっていく。
なぎさ「…もう終わろうか?」
さくら「まあ、外もアレだしネットカフェも8時間?」

 翌朝も早く外が怪しいようなので、予定を切り上げて春日山で降りることとなった。


 夜10時の春日山は雪も降り、非常に静か。
ももか「さっさとネットカフェ入って休みましょ!」

 ここからの道のりは印刷済みで、先ほども確認済み。心配はないはずだったが…。
なぎさ「…おいおい大丈夫か?」
ももか「アンタらこそこんな凍った階段大丈夫なの?」

 線路をくぐる時に、"凍ったシャーベット"となった階段を上り下りする必要がある。滑って転ぼうもんなら2日目どころか、病院送りの心配もある。
さくら「時間あるんだからあんまり慌てなくていいからね。」
めぐみ「わかってますよ。」

 無事に線路をくぐり、上越市役所の前を通る。これはまだ第1段階に過ぎない。
ももか「何よこれ…。」
めぐみ「ベチャベチャだしこれもやだよ…。」


 シャーベット状の路面と降り続ける雪が合わさり、足元が"過去最大に"危なっかしい。どうにか県道交差点まで来ることができた。


 改めて1枚。駅前からここまで10分以上かかっている。
めぐみ「…まだここからあるけど、どう?」
さくら「いや…、こうなるなんて思わないし。」
なぎさ「転んで濡れるのも雪でぬれるのももう嫌だ…」

 だがもう少し…、あと少しで暖かいネットカフェ…!
さくら「…みんな、あとちょっとだけがんばってよ!」
ももか「オー!!」

 そして駅から20分ぐらいかけ、『快活クラブ上越市役所前店』にたどり着けたのであった。前年3月の東北旅行において盛岡での"キャンプ地"とすべく携帯会員になっておいたため、店舗があれば全国どこでも会員で利用できる『快活クラブ』を選んだということ。とりあえず4時半までは各々…。

(つづく)


「暖かな車内やネットカフェに対し、雪の降りしきる寒い外。雪慣れしていない太平洋側の人間にとっては大変なものです。それとバスセンターのカレー…、また新潟行く理由ができてしまいました。それでは一旦ここまでにして、続きはまたの日に…。」