2013年1月6日(日)午後2時17分 新潟県上越市・直江津駅に到着
 92分で雪のあまりない直江津に到着。JR西日本北陸本線に合流する形になるが、引き続きJR東日本信越本線を使う。ここからは新潟の車両が用いられ、直江津まで来る新潟の普通車両は必ず115系になる。


8.直江津14:29発→長岡15:57着 普通1339M/長岡行き クモハ115-1061
 このタイプのリニューアルはこれまで見たことがない。背もたれは全体がモケットで覆われ、見た目はよさそうに見える。座ってみるとこれがまた違和感あるもの。座面のバケットはともかく、背もたれは元のものにカバーをかけたような感じだ。
さくら「それよりさ…、さっき暑かったけどこれ寒くない?」
ももか「そりゃあよく見りゃわかるわよ。…窓開いてて、風入ってくるもん。」
さくら「閉めてよ。」
めぐみ「…もう閉まんないけど。」

 確かに特急車両は密閉状態で暖気がこもって暑かった。それに対して、ただでさえ気密性に劣る国鉄普通車両の窓には隙間が生じていた。
めぐみ「…ちょっとぐらい冷えたほうがいいよ。」
さくら「そう?」


 海沿いは雪がほとんどなく、日本海の荒波が海岸に押し寄せる。目立っているゴミは打ち寄せられたものだろうか?
ももか「…それ別にいいんじゃない?」
めぐみ「せっかく見るんだし…。」


 3年前の焼き直しかはともかく、米山では駅のホームと荒波を一緒に。
なぎさ「…外絶対寒いよな。」
ももか「風入ってくるからちゃんと閉めてよね…。」


 海に面した駅の1つ、青海川では外に出て列車も一緒に。
ももか「また勝手なことを…。」
めぐみ「間に合ったんだしいいじゃん。」
ももか「もし…、もしよ。今度こういうことやってさ、乗り遅れとかあったらどうしてくれるわけ?」


 日本海に沿って縦貫する重要路線だけあり、国道8号や北陸自動車道とも並走。一部では近接もしているようだ。
なぎさ「お前こそどうなんだよ?」
ももか「何がよ?こういうこと私興味ないから。」
なぎさ「…本当それでいいのか?」
ももか「じゃあアンタこそどうなの?」
なぎさ「…できなさそうなら行かない。」


 柏崎からは内陸に入り、雪が多く見られるようになる。こうした景色の変化もまた、鉄道車窓の醍醐味である。
ももか「そういえば『くびき野』も特急のって言ったよね…。」

 今夜乗る『くびき野』は485系。すれ違った車両がそのままだと推測すると、リニューアル車両である3000番台はなさそうだ。
さくら「…座席どうなんだろ?」
ももか「さっきと同じじゃないの…?」
さくら「そうとは限らないとかで…。」

 下調べの結果、新潟の485系で3000番台でないものは座席などかなり複雑なバリエーションがあることがわかっている。その中でグレードがよいものが来てほしいというのは、至極当然のこと。
ももか「…そういうのばっか調べないで、人生に役立つこと調べなさいって。」


 ただひたすら、音も静かに降り続く雪。ホームからの景色もまさしく雪国のそれである。
さくら「雪見たら静かになるんだ…。」


 塚山のようにホームの"中線"が実質なくなり、雪が積もり続ける駅が見られる。調べたところでは架線が撤去されたものの、線路は保守用に残っているという。やはり待避箇所を限定させ、過剰な設備を廃することによるコストダウンが目的だろうか。


 前川のようにホーム上を消雪パイプが通っていて、結局足元が濡れるような駅も見られた。
ももか「こんなとこグッチャグチャよ。屋根もないんだし、降ってたら最後。」
なぎさ「やーねー…。」
めぐみ「…はい。」


 88分乗って、長岡に着く。ここで64分とってあるのは、当然"3年前の遺恨を晴らす"のが目的。"3年前の遺恨"とは"新潟名物イタリアン"のこと。それと、まだ少し時間がある。
さくら「そりゃ外も見とかないとね…。」


 外は雪が降り、足元がところどころシャーベット状で危なっかしい。結局、"屋根付きペデストリアンデッキ"を上がる。これも豪雪地帯ならではのものだろうか?
さくら「昔のことまだ引きずってさ…。」
なぎさ「別にいいだろ、お前だけなしってのも…」
ももか「それはダメ。私にぐらいは食べさせなさい。」
めぐみ「…まあもちろんだけど。」
なぎさ「そう来てまたアレか…?」
ももか「…今決めてどうするのよ?」


 時間があるといってもそれほどではないので、お目当ての『フレンド』CoCoLo店へ。駅ビルのフードコートに入っているため、探す手間を省けたのは幸いだ。ファーストフードとして扱われるイタリアンのうち、長岡地区を中心に展開する『フレンド』はトッピングメニューも取り揃う。
さくら「こういうのって悩んで、時間かかったりするじゃん?」
めぐみ「そうそう、あるある。」



(現)イタリアン(フレンド) 並320円
 結局は本来の味を楽しむべく、トッピングなしで注文。太麺のソース焼きそばの上にミートソースがかかっている新潟名物。思ったより値段は安かった。食べてみると、その2つは見事に合うものだ。
めぐみ「…よく考えたら、昨日今朝とハンバーグ食べてたんだった。」
ももか「今さらそんなどうでもいいこと…」


 新潟県の名物を1つ御馳走様、美味しかった。さあ、まだ時間がある。
めぐみ「…わらびもち。」
なぎさ「……。」
ももか「別に食べたきゃ食べたいでいいんじゃない?」
なぎさ「お前こそ…。」
ももか「はいはいわかってますよ。」
さくら「ってか普通に食後のデザートじゃん…。」

 わらびもちの店は翌日付で閉店するという。試食はあるので…。
なぎさ「…行けってか?」
ももか「食べたいくせに…。」

 では"お言葉に甘えて"試食させていただこう。
めぐみ「…今まで食べたのと違う。」

 これまで食べた市販のわらびもちはデンプンが原料であったが、これは本わらび粉が原料となっている。そのためか食感は違い、上品な甘さもある。そのほかにも試食品があるので"お言葉に甘えて"いただこう。
さくら「…お3人、その辺にしてちょうだいよ。」
ももか「いや、なぎ姉がね…?」
なぎさ「そんなこと言ってないって。」

 残りの商品を売りきれば閉店になるが、"アウェーの人間"が買うのもどうだろう。買わないでおいた分を食べた方、お味はいかが…?

(つづく)