2013年1月6日(日)午前10時16分 長野県千曲市・姨捨駅
 スイッチバック式の姨捨駅では特急の通過を待つため、少々の停車時間が設けられる。
ももか「…って、どこ行くのよ?」
めぐみ「見ておきたいのあって…」
なぎさ「遅れるなよ。」


 そう、これも"焼き直し"。この一帯が『姨捨』となった由来などにちなんだ、昔話が記された銘板である。ホームなど足元に雪が残っており危なっかしいが、停車時間があるからにはぜひ見ておきたかったのだ。

 時間もないので、すぐさま戻る。
めぐみ「間に合った…。」


 そして日本三大車窓の一つと数えられる、善光寺平の景色を今回も忘れずに収めよう。
ももか「これは別に何回も見たんだしいいでしょ?」
さくら「でも3年前だよね…?」
なぎさ「もうそんなにか…。」

 考えればここは3年ぶりと、意外と長いブランクであった。2010年4月から大まかなものを1年休み、震災間ない2011年4月に『リニア・鉄道館』『伊勢神宮』と2日連続で出るまでは"小物"と"旧作"で1年つないだ。
なぎさ「本当、大きいのなかったんだな…。」
ももか「それなのにこの人勝手に細かいのやってさ…?」
めぐみ「ごめん、この性格だからどうして。」

 その後9月の『関西一周』を挟み、震災から1年になる翌年3月には『東北への"冷やかし"』に。8月の『福井と京都』から数日後にデスクトップパソコンが故障し買い替えとなり、この日に至っている。さあ、長野へ向けて出発!


4.塩尻(8:20)9:20発→篠ノ井(9:44)10:33着 普通みすず3523M/長野行き モハ114-1020
 実態として相対式ホームとなっている姨捨だが、本線まで進む方向は同じ。長野行きはさらに引き上げ線へ入った後、方向を変えて本線へ再合流する。逆に松本行きは引き上げ線へ入ってから、方向を変えて駅に停車。発車後は本線へ再合流し、そのまま進む流れだ。

 稲荷山との間にもう1か所、スイッチバック式の信号場が設けられている。そのまま山を下っていく形となっており、また雪が少なくなった。
ももか「ほら、また変な顔しないの。」

 73分ぐらいで篠ノ井に着き、結局のところ予定と同じ時間になった。313系を用いた"1本後の普通"に、ダイヤグラムをそのまま当てはめたのだろう。結局は313系の長野乗り入れ自体が廃止され、飯田線から直通する『みすず』も年々縮小していった。
さくら「なんやかんやで結局何の心配もいらなかったんじゃん…。」
ももか「当然ってか、アンタも狙ったでしょ?」
めぐみ「まあ…、そうっちゃそうかも…。」


 橋上駅からも長野の市街地や遠くに山々など、景色を望められる。


 次にしなの鉄道から来る列車に乗るため、19分ほど過ごすことに。この時間を使い駅の外へ出てみること、トイレに入っておくという判断は当然だろう。
さくら「…ガムって食べるもんなの?」
ももか「さあ?単に直接、吐き捨てるなってことじゃないの?」


 青いイナズマこと、ブルーサンダーの愛称を持つ『EH200』電気機関車。2車体連結型となっており、2機分の牽引力を1機で発揮できるのだ。そして待つ間、反対方向に来たのは…?


 2012年放送のテレビアニメ『あの夏で待ってる』は、長野県小諸市などを舞台とした作品。しなの鉄道の115系では1本に装飾が施され、偶然にも遭遇した格好だ。
ももか「去年だってアレよ…。」
めぐみ「それも狙おうかなって…。」
ももか「…明日?」


 

 


 …2011年に放送されたアレの?
ももか「…アンタ結局何好きなのよ?」
なぎさ「いいだろうよ別に、見るぐらいさ。」
ももか「いいけど…。」


 まあ1本しかないので、過度な期待はしないほうがよかったのだろう。この装飾は2013年末まで施されていた。


5.篠ノ井10:52発→長野11:05着 普通633M・長野行き クモハ115-1002
 当然こちらに来たのはラッピングのない車両。そして珍しく座席のリニューアルもない。ついでにラッピングの有無に関係なく、トイレは使えなくなっている。そしてこの列車には結構乗っていた。
ももか「…って、また何か?」
めぐみ「見ておきたいのあって…。」


 これまた"焼き直し"。しなの鉄道の115系はドア上に液晶画面が後付され、広告などを流している。
さくら「それでいいんだ…。」
ももか「アンタは余計なこと言わなくてよろしい。」


 どうも落ち着かないまま、13分で長野に到着。赤とダークグレーの色合いは、ステンレス車を入れることを念頭に入れたものなのだろうかとも考えたり。実際に新車が登場したのは2020年以降となり、一般型タイプは概ね同じ色合いとなった。(模様そのものは異なる。)


 長野駅前に出てみよう。ここからも実は気になるものがある。
ももか「またあのバス乗りなおそうって?」
めぐみ「…そうなんだけど。」
ももか「…いいんだけど。」


 4年前に乗った長野市中心部を回るバス。今回は計画段階で少しひねりを加えてある。
めぐみ「あのね…、電動バスあるんだけど。乗りたいっちゃあれだけど気になって…」
なぎさ「だからわざわざ信号渡ってこっち来たんだな?」


 おまけに"専用のバスロケーションシステム"まで用意されている。そして都内から高速バスも来た。
ももか「…また狙ったり?」


 狙ったかどうかは別として、雪も降ってきたので暖を兼ねて案内所に入っておこう。
ももか「…って、また?」
めぐみ「見ておきたいっていうか…。」

 高速バス用の予約発券機があったので見たというだけ。実は初日の昼に名古屋から新潟まで高速バスに乗り、翌日に18きっぷを使い新潟から帰るという構想もあったのだ。しかし案の定というか、バスは満席。そこで"18きっぷを1人2回分使えるよう交渉し"、計画も試行錯誤したうえで完成したのが今回のルートなのである。


 外に出てしばらくすると電動バスがやってきた。外見だけでは他にある日野製小型バス『ポンチョ』と変わりない。


6.長野駅前11:23発 長野市中心市街地循環バス「ぐるりん号」 WEB-4
 実証運行されるこの電動バスは、早稲田大学電動車両研究所が開発した非接触充電式。乗るとき段差がないのはおそらく他と同じ。


 これも他と同じだろうが、座席は見た通りの固さ。最後列を除いて横向き座席という配置が、どうも年末恒例『ガキの使いスペシャル』で見るようなもののようだ。
なぎさ「ここ座った私らを正面で笑わそうってわけだな?」


 注目は電気使用量やバッテリー残量などが表示される液晶モニター。
さくら「やっぱりまだアレなんだ…。それで気になるのも無理ないよ。」


 発車するとバッテリーを使うのがよくわかる。
めぐみ「…思ったより音するかな?」
ももか「それって凸凹とかじゃなくってモーターのってこと?」
さくら「ひょっとしてさっき乗ったインバーターとかじゃないやつだったりとか?」
なぎさ「そうなんて言ってないだろ。」


 善光寺の入口は車が被ってよく見えない。

(つづく)