「スピードが上がらなかったので後から調べたところ、実は中津川から南木曽まで定期列車が4分だけ先に走っていたのです。これでは異常を調べても"飯田線の車両故障"しか出なかったわけですよ。」

2013年1月6日(日)午前8時28分 長野県木曽郡木曽町・木曽福島駅

 特に遅れることなく入ってきた。

3.木曽福島8:29発→塩尻8:57着 特急しなの1号/長野行き クモハ383-14
 最高時速130kmの振り子式車両。座席はセンターアームレストのついているフリーストップ式リクライニング座席。棚も普通で照明は天井にあるカバー付き、昼白色の直接照明だけ。フットレストは使いづらいが足元は開いている。座席もグレー系の車内だ。振り子式とあって重心が低く、それだけ車高も低い。
さくら「天井大丈夫だった?」
なぎさ「…普通に乗れてるだろ。」
ももか「また頭ぶつけないでよ?」

 そういえば…。
めぐみ「いつも遅れてたよね…?」
さくら「たまたま、気のせいだって。」
ももか「そうよ、今までがおかしかったのよアンタらもだけど。」


 宿場町の駅を気にもせず、特急は通過していく。
めぐみ「…気にはなるんだけど。」
さくら「…そう言ってるんだし今度どう?」
ももか「な…、何いきなり?行きたいなら、勝手に行けばいいじゃない…。」


 塩尻に近づくと、雪がなくなってきた。
ももか「そうどこでもあるわけじゃないでしょうに…。」
さくら「そうそう、これからまだ山越えるときとか雪見れるよ?」


 名古屋から列車を乗り継ぎ168分、塩尻に到着だが特急だけだと117分で来られる。


 午前9時、予定どおり115系の松本行きとE257系あずさ号を見送る。
さくら「まあこれ乗ってもアレだしさ、次の乗るんだから…。」
ももか「松本までなら乗っていいんじゃない?」
なぎさ「…松本城とか見るなら乗っていいけどな。」


 時間があるので、駅から山々でも見ておこう。
めぐみ「いい景色じゃない?」
ももか「まだ序盤戦なのに?」
めぐみ「だってこれから山入ったら…、見れなくない?」

 買いそびれていたガムもここで買っておこう。
ももか「ガムぐらいでさ…。」
めぐみ「いるよ。ガムあるとないじゃ結構違うよ?」
ももか「またほったらかしにして腐らせたりしない?」

 次の列車は1時間遅れていた。
ももか「次ってそういえば『みすず』って書いてあったけど、それ飯田線よね…?」
なぎさ「飯田線でいいけど…、ああそうか。それでか…」

 木曽福島まで乗った臨時快速の速度が上がらないために運行情報を調べ、出たのが"飯田線の車両故障"。これをさほど重要でないものと判断していたため流していたのだが、真っ向に受けることとなったのだ。
さくら「でもちょうどのタイミングだから乗って別に…、ね。」
めぐみ「どうせなら313がよかったけど、1700番…。」
ももか「さっき乗ったからいいでしょうよ。」
めぐみ「いやね…、最初のが1100番台なら別によかったの。」
ももか「1700乗ってそれでまた乗るってアンタ欲張りすぎよ。」
さくら「まあまあそう言わずにさ…。」


 東日本で1両しかない、ミニエコーこと123系。1度きりの乗車のまま3月で役目を終える。
ももか「アンタらも色合い無視しないの。」
なぎさ「313の方が長野だと珍しいだろ。」
ももか「115来てその次しなの鉄道の115じゃないのよ。313来たってさっき乗った1700なんだし。なんならあの1両の乗るって考えなかったの?」
めぐみ「考えたけどダメだったの…。」


 そして入ってきたのは、本来の時間に来る予定の313系ではなく115系…。



4.塩尻(8:20)9:20発→篠ノ井(9:44)10:33着 普通みすず3523M/長野行き モハ114-1020
 幸いリニューアルでよかった。結局1時間ちょうどという、"とんでもない遅れ"で発車。
さくら「ま、あの時よりマシでしょ。」
ももか「あの時って…、大雨?」
なぎさ「あったなそんなの…。」


 2008年8月、関東遠征からの帰りのことである。大府で一度足止めを食らい、次の"共和まで先行"という名目で武豊線のディーゼルに乗り換えた。そして共和で運転再開を待つ間に朝を迎えたのである。
めぐみ「アレ最初乗り換えてたらどうなってたんだろう…?」
さくら「最初?」
なぎさ「そういえば1本待って、その次のに乗って待たされたんだっけな…。」


 普通列車も同じくディーゼルで"共和まで先行"という名目であった。実際は共和到着時点で既に発車していたらしく、そこにはいなかった。ひょっとして名古屋まで行ってたのだろうか?
ももか「ま、名鉄が動いてないなら帰れないんだし別によかったんじゃない?」
めぐみ「そうかもね…。」


 松本から明科まで山々を見る。
なぎさ「これもなかなかいい景色で…。」
さくら「今まで右側だったじゃん?」
なぎさ「右だったけど…。」
めぐみ「…あんまり見てないのよ。」


 しかしこれまた実のところ写真は"旧パソコン1度目の大故障"の際に消失している…。
ももか「…最初からなかったんじゃなくって?」

 やがてトンネル地帯へ突入。抜けると雪があった。


 ハイブリッドリゾート車両『HB-E300系』とすれ違う。
ももか「さっき何したのよ?」
めぐみ「ハイブリッドの知らない?」
さくら「ハイブリッドって前乗ったよね。」
めぐみ「小海線で乗ったけど、…もう1回乗りたくない?」
なぎさ「そうだな…。」


 今回は小海線のハイブリッドも考えたものの、結果として没案になっている。これが実現したのは2015年9月だ。

(つづく)